2021年9月28日火曜日

【意識の低い空き家所有者の動向調査!!】登記義務化はしたけれど!?

東京証券市場第1部に上場し、中古住宅買取再生を中心として不動産事業をおこなっている㈱カチタスが、プレスリリースで興味深いアンケート結果を公表していました。

プレスリリース記事はこちらから

今回はそのデータに基づき考察も含めブログを更新したいとおもいます。

 

このアンケートの名称は「第1回 空き家所有者に関する全国動向調査(2021年)」で、2021年に空き家所有者を対象に、963名の有効回答を得て作成されたデータです。

調査項目については以下の通りです。

【調査項目】
1.    空き家の建物形態について
2.    相続登記義務化法案の認知度について
3.    相続登記義務化が施行される際の空き家所有者の現時点で考える対策について
4.    相続について家族、親族と相談したことがあるか
5.    空き家所有者が売却先へ求めること
6.    売却検討している方の選択肢について
7.    コロナ禍における空き家所有者の意識・行動変化
7.1.    コロナ禍における空き家の売却検討について
7.2.    コロナ禍における移住検討について
7.3.    コロナ禍における二拠点居住検討について
7.4.    移住・二拠点居住住宅の条件について

 

設問1_空き家の建物形態は、予想通りではありましたが一戸建てが多数を占めていました。

不動産業者である私が、設問の中でもっとも興味を引いたのが②と③です。

つまり「相続登記義務化の認知度」と、その対策についてです。

この相続登記義務化については【宇都宮の不動産ホンネの話】過去ブログでも記事を掲載し、実際に問い合わせも戴いております。

【宇都宮市の不動産でも待ったなしの登記義務化!?】自分で出来る相続登記を解説します!

義務化前には政府から委託された野村総合研究所の調査報告があり、2033年には空き家戸数が全国で2150万戸、現状で把握されている戸数の約30.2%増加するとの予測がありました。

そのような予測も含め空き家対応に苦慮する地方自治体からの強い意向もあり、ようやく国が重い腰を上げたという背景があります。

この登記義務化はすでに施工されており、新聞やニュースでも取り上げられていますのでそれなりに認知度があると思っていたのですが、集計データでは「相続登記義務化」の認知度が23.2%しかありませんでした。

 

インターネットによる調査なので回答の信憑性に疑義が生じる部分もありますが、それにしても少なすぎます。

 それなりに認知度があったもおかしくないとおもっていたので、驚きでした。

ねんのため解説しておきますが、この法律は2021年4月21日に義務化されています。

 相続の開始を知って、かつ所有権を取得したと知った日から3年以内に登記を完了しなければなりません。

 ちなみにですが、「ワタシ、相続したなんて知りませんでした」などの言い訳は通用しません。

 「知っている・知らない」は、法による罰則には何ら影響を及ぼさないからです。

 「知らなかった(もしくは知ろうとしなかった)貴方が悪い」というのが法の原則です。

登記義務に違反すれば、10万円以下の過料です。

 それだけではありません。

未登記で所有者所在不明の場合には、固定資産税が徴収不能状態で累積されています。

地方自治体も税負担公平性の観点から不明所有者調査を行っていますが、人員や調査難航により必ずしも芳しくはありません。

ですが登記義務化により、地方自治体の調査に関する行政権も強化されていますから見つけられるのも時間の問題です。

10万円の過料と滞納した固定資産税に延滞金のオマケつきで徴収されることになります。

個人的には義務化の3年後、つまり2023年にはこの徴収問題が多発するであろうと見ています。

悪いことはいいません。

すぐに登記と、空き家の対策を考えましょう。

所有者不明空き家は、その大半が「相続」による取得です。

不動産評価が低く扱いの困難な山林や、閑散地のあばら家であっても法定遺留分が存在していれば、適法に相続放棄をしてなければ相続により所有権を取得します。

相続により不動産を取得したものの、面倒なのか登記費用を惜しんだのか、はたまたその知識を有していないのか定かではありませんが登記がされていないことが、所有者不明の空き家の根本的な原因となっています。

 このような管理されていない空き家は家具を放置している場合も多く、治安上も好ましくないうえに不審火の原因ともなりうるので、地方自治体も苦慮しています。

管理ができないなら、売る、もしくは貸してしまいましょう。

 一番悪いのは、放置することです。

また登記の義務化を理解している方も、その対応策に悩んでおられる方が多いようです。

 アンケート結果でも、「まだわからない」が過半数を占める結果になっていました。

「分からない」といった回答が多い理由については、様々な諸事情により悩んでいるのだろうと。ある意味では納得できます。

とくに法定相続人が複数ある場合などでは、売却をするにも意見調整が必要とされますし、それいにがいに何か良い方法があるのではないかと模索するでしょう。

ですが分からないと回答している方に、「空き家相続について話し合いをしていますか?」といった意味合いでの設問をすると、66.7%の方が「ない」と回答しています。


貸すにしても売却するにしても、具体的な行動をおこさなければ時間を浪費するだけです。

悩んでいるからこそ不動産のプロに相談することをお勧めします。

第三者が介入することにより、適切なアドバイスを受け膠着状態から一気に動き出すことはよくあるケースです。

弊社では仲介による売却のほか、買い取りや運用など幅広く不動産事業を手掛けております。

どうぞお気軽にご相談ください。


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私、荻原功太朗(宅建士・不動産コンサルティングマスター)は資産家の皆様を対象とした、投資物件の限定情報のご紹介、コンサルティング業務を担当致しております。不動産売買のご相談についても、ご指名頂ければ対応させて頂きます。
【私個人へのコンサルティング依頼、ご相談はすべて有料とさせて頂いております。】詳細はこちらにお電話ください→【028-908-0880】

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2021年9月23日木曜日

【2021年の基準地価が公表される!明確な二極化現象が続く!?】宇都宮市の地価動向はどうなっているのか!?

9月21日に2021年度の都道府県地価(基準地価)が公表されました。

コロナ禍の中でも栃木県内では、宇都宮市や下野市などJR沿線を中心に底堅い地価が上昇傾向を示しています。

下落幅 2年ぶり縮小 工業地回復、横ばいに 栃木県内基準地価(下野新聞)


注目すべきは上昇率の上位5地点です!

住宅地についてはJR宇都宮線の宇都宮から東京方面の沿線が圧倒的底堅いです。

LRT(次世代型路面電車)の新線開通を控えた、芳賀・清原エリアの工業地も上昇してます。

つまり、再開発をすれば地価も上がるし、地域も発展するのはデータからも明らかなのです!

このブログ始めた当初はLRTの開発に反対していた方々も、今となっては開発に着手してよかったと誰もが感じているはずです。

なぜなら、必要な地域の開発投資を怠れば、お金や仕事を含む富は他の地域に逃げてしまうからです。

街の発展維持、継続のためには定期的に不動産開発や公共交通などのインフラへの投資が不可欠なのです。


さて、公示地価と言われてもよくわからない方も多いと思うので、簡単に概要を説明します。

国土利用計画法施行令第9条にもとづき、都道府県知事毎年7月1日時点における標準価格を算定するもので、土地取引規制に際しての価格審査や地方公共団体等による買収価格の算定規準として利用し、適正な地価の形成を図ることを目的としています。

「あれ、公的価格ってつい最近も公表されていなかったっけ?」と思われるかもしれません。

公的価格と一括りにすれば確かにそうなのですが、すでに公表されている公示価格や固定資産評価額とはことなります。

私たちのような不動産業界の人間などはそれぞれの違いを理解していますが、一般の方からすれば「公からの公表=公的価格」と思いますよね。

ところが、公的価格はその目的により算定機関と目的が異なるのでややこしいのです。

これを理解するには「不動産価格」と一言で表現されてはいますが、実際には売買されている「実勢価格」のほかにも幾つかに分かれていることを学ばねばなりません。

それが【一物四価】とも【一物五価】言われる不動産価格です。

不動産は、実勢価格とは別に下記のような価格が存在します。

1.公示価格_毎年1月1日時点の土地を国土交通省が算定する価格。全ての土地価格の指標とされます。

2.相続税評価額_国税庁が公表する、税金算定の根拠となる価格で毎年毎年1月1日時点の価格を7月に公表します。

3.固定資産税評価額_固定資産税を徴収する目的で評価する価格で、3年に一度、前年1月1日を基準として評価される。

4.都道府県地価(基準地価)_今回解説している価格です。

実勢価格に上記の1~3を足したものが【一物四価】

さらに4まで足すと【一物五価】となります。

ややこしい……と言えば、ややこしいですね。

ですが私たち不動産業者が査定をする場合には、これら公的価格も参考にしながら実勢価格を算出しますので、お互いに補完しあっている関係であると理解してください。

付け加えると、都道府県地価(基準地価)は「公示価格」で評価しきれていない土地を、補う目的で算定されています。

公示価格の算定におけるポイント(標準地点)は国土交通省が定めており、これは全国で26,000地点あります。

数が多いように思えますが、なんせ日本全国です。

標準地点の数では、まったく足りていません。

公示価格の評価をそのまま適用すれば、一つの標準地点の周りの土地価格が一律で同じ価格で評価されてしまいます。

それでは固定資産税の土地評価が、あまりにも適当で杜撰な状態になってしまいますね(結果的に、幅員20mの広い道路に面する区画と、二本奥に入った幅員6mの区画の土地が同じ評価なんてことが起きてしまいます)

そこで、都道府県知事が公示価格を補完する目的として基準地を定め、適正な公的価格が算定できるようにしているのです。

ちなみにですが、最終的な基準地数は年度ごとに変動しますが、前年の2020年7月1日公表では全国で21,519地点とされていました。

公示価格の標準地点価格と合計すれば、全国で約47,000地点の基準地価格が下記システムで確認できます。

国土交通省地価公示・都道府県地価調査へはこちらから


さて、概略を説明したところで宇都宮市の価格変動については冒頭でお伝えしたように、JR宇都宮駅東口の再開発とLRT新路線の開発により、再開発エリアは底堅く上昇しています!

栃木県内は、国土交通省が公表している「2021年都道府県地価調査」のレポートをみると、


あくまでも栃木県全体としてのデータではありますが、標準地点は103地点です。

増減率は令和2年対比で住宅地0.9%下落・商業地1.0%の下落となっています。

公示価格における全国動向は、以前よりも縮小傾向であるとはいえ下落していますので、なにも栃木県だけが下落している訳ではありません。

以前のブログでも紹介しましたが、公示価格については栃木県下で唯一「宇都宮市」だけに上昇傾向が見受けられました。

おそらく同様の傾向が、他の都道府県地価においても見られると思います。

三大都市圏のレポートや全国的な傾向を解説しますと、主要都市を除いて軒並み下落傾向が続いている一方で、主な別荘地ではおおむね上昇しています。

以前からこのブログでお伝えしているように、年々人気エリアのみに富が集中する「二極化」傾向が、より強く反映されてきています。

新型コロナウイルス収束後を見据えた投資や開発の継続に加え、感染拡大予防策として促された生活拠点を複数構える「二地域居住」による需要増などが理由であると、国土交通省で分析しています。

また商業地だけを分析しても二極化の傾向が強く、観光や訪日客や飲食に依存している地域は値下げ幅が多い反面、オフィス需要が堅調な地域は横ばい、もしくは上昇に転じている傾向が見て取れます。


そのような意味から考えれば観光のみならず、レセプションや小・中・大会議にも幅広く対応できる東口再開発のコンベンション施設建設は、先見の明があり時代に即した計画であったと言えるでしょう。

ミクロな視点でみると宇都宮市内といえども価格傾向について、人気エリアとそうでないエリアで2極化が年々顕著になってきております。

実感として地価を体感していただくには、弊社で提供している地図上から物件を検索できるサービスを閲覧頂くのがもっとも相場感をつかめるツールとなりますので、是非ご活用ください。

→宇都宮市の不動産を地図上から簡単検索



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2021年9月18日土曜日

【不動産屋は信用できない!?】クレーム傾向から読み取る、大切なこととは!?

今でこそあまり使われなくなった言葉ですが、昔は不動産業者を「千三つ屋」(せんみつや)などと卑下して呼んでいる時代がありました。





「千の話のうち、本当のことは三つしか言わない」つまりは嘘ばかり吐く連中、ほどの意味です。




現在は不動産に関連する法律も整備され、また契約前に物件の重要事項説明をおこなう宅地建物取引主任者が、弁護士や司法書士と同じ「士業」に格上げされるなど、嘘ばかり吐くような不動産業者はほぼ存在していないと思います。


ですが不動産業者は、現在においても多少なり「色眼鏡」で見られていることも事実です。


これは賃貸や売買を問わず、不動産に関してのトラブルが日常的に発生しているからかも知れません。


日常品の売買でも、性能や使い勝手が「思っていたものと違う」とクレームになることも多いのですが、不動産は高額ですので最初は些細なトラブルであったものが訴訟など大きな問題に発展することもあります。


これは不動産を購入されるほとんどの方は初めてであり、購入の判断基準となる建物の状態・立地・価格など不動産知識がなくても分かることが優先され、目で見て判断することはできないけれど大切な、建築基準法や用途地域・契約不適合など難解な不動産関連の法律や定めついて理解されないままになっていることが原因です。


住み替えなどで2~3回、不動産の売買をされている方もおられますがあくまでも少数派ですし、その程度の回数で、すべて理解できるほど不動産は底が浅くもありません。


そのように大半の方が「初めて」かつ「一生に一回かもしれない高額な買い物」をするのですから、慎重になって当然ですし、そうあるべきです。


私たち不動産業者はそれを理解していますから、難解な不動産用語や関連法などをできる限り分かりやすく説明し、納得をして購入していただけるように心を砕きます。


弊社だけではなく、誠実に業務をおこなっている会社はみな同じ思いで取り組んでいます。


ところが不動産業界全体としてみると、トラブルが絶えないのも事実です。



国土交通省でまとめられている苦情紛争相談件数の推移データによると、平成21年以降、年を追うごとに減少傾向にはなっていますが、来庁相談は氷山の一角であると考えれば潜在化しているトラブルはかなりの数にのぼると推測されます。


取引態様別では、賃貸に関しても平成30年で25.8%あるものの、相談ほとんどを占めるのが媒介契約や代理も含め売買に関しての紛争です。

売買に関しての相談となると、物件的な「瑕疵」、現在では契約不適合と呼ばれる建築物や土地に関しての不具合などが大半を占めているのかと考えがちですが、実際にそうではないようです。

公開されているデータでも、新築戸建てやマンションについては建物の苦情がほとんどありません。

これは政府主導で法整備に努め、また建築会社もコンプライアンスを遵守して質の良い建物を建築するようになったからだと推察されます。



では中古住宅の場合に建物に関して苦情が発生しているのかといえば、必ずしもそうではないようです。



5年間のデータをみても苦情件数のもっとも多いのが「重要事項説明」に関しての苦情です。

それ以降は

●契約の解除(ローン解除含む)
●報酬
●瑕疵
●媒介に伴う書面の交付
●預かり金・申込証拠金の返還等

と続きます。

多少難しい言い回しになりますが「購入を決定づける重要な要素に関しての不告知」が、重要事項説明に関してのトラブル要因です。

賃貸・売買に関わらず、契約締結前には宅地建物取引士により重要事項説明が義務付けられています。

説明を要する事項(内容)は厳格に定められており、説明の省略やごまかしは通用しません。

そこに苦情の温床があるのではと推測されます。

つまり内見時などで営業マンから受けた説明内容が、重要事項説明時に説明された内容とかみ合わない、もしくは「そんな説明は聞いていない」といったことです。

そうなると「聞いて入れば購入をしていなかった」となり、契約の前・後を問わずトラブルに発展します。

インターネットの普及により、知識格差が少なくなった時代とはいえ簡単に埋まらないのがプロとの差です。

悪意を持って不動産業者が知識格差を利用すれば、不動産素人である一般の方が太刀打ちできる道理がありません。

また、悪意がなかったとしても膨大な不動産に関しての説明は、そのすべてを内見時などで伝えきるのは困難であり、つい説明を省略してしまったケースがあるかも知れません。

このようなトラブルを防ぐのに大切なのは3点です。

①納得がいくまで、何度でも説明を求める。
②誠意のある会社(担当者)を選ぶ。
③全ては無理でも、不動産について勉強する。

中古住宅の場合には経年変化により、少なからず劣化している部分があります。

設備機器や住宅自体の不具合などについては売主による告知書が作成され、現状の使用状況について報告がされます。

そのような劣化や損傷部分も含め納得して購入を決断した場合には、トラブルは発生しないものです。

立地や日当たり・建物の状況などもちろん大切ですが、「言った・言っていない」「説明した・聞いていない」といった、必要とされる説明を正しく行っていないことによる苦情が大半を占めているという事実を理解し、信頼できる不動産業者を選んで依頼することにより、安心して不動産の購入ができます。

弊社は宇都宮に根付く不動産業者として、少しでも皆様のお役にたてるよう売買はもとより、不動産買い取りや投資案件など、不動産に関するあらゆる相談に応じています。

どうぞお気軽にご連絡ください。


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2021年9月13日月曜日

【建築資材で「竹」は使えるのか!?】宇都宮市の新たな観光名所、若竹の杜ライトアップから考えてみたら!?

宇都宮市の観光名所でもある宝木本町「若竹の杜_若山農場」では、恒例行事としての特設ライトアップ「Bamboo Summer Nights 2021」が、7月から8月29日までの毎週、金・土・日の夜8時まで開催されていました。



その幻想的なライトアップ風景を下記リンク先からご確認いただけます。


若竹の杜ライトアップ_YouTube


さて日本でもなじみ深い「竹」ではありますが、風情のある竹林風景のほか、春先に目を出す食材としてのタケノコ以外にも建築資材として使用されているのはご存じでしょうか?


日本では和風高級旅館や、料亭などにあくまでも外壁装飾として使用されています。


ですが、竹はコンクリートと同等の圧縮強度と、鋼鉄に匹敵するほどの引張強度をもつことから、使用方法によっては建築物の構造躯体になることについて、残念ながらあまり知られていません。


1週間で最大90センチのびるといった成長速度や、中が空洞であるといった性質は剛性の弱さを想像することにもつながり、樹齢を経た力強い木材こそが頑強とされた日本においては、構造躯体として利用が検討されなかったことも原因かも知れません。


また竹はその特性として形状や厚み、節間の長さも不規則で、加工や接合が難しいといった部分も、構造躯体として採用されなかった理由でしょう。


このように日本においては構造躯体として検討されてこなかった「竹」ですが、海外、とくに南アメリカや東南アジアなどでは成長速度や剛性に着目し、加工の煩雑さを解決することにより有効に建築資材として利用するための研究が進められています。


たとえば、パリには竹を専門とする建築事務所「Ibuku」があり、設立者であるエローラ・ハーディ氏は、独自に開発したCAD(コンピュータ設計支援システム)を利用して、竹の不規則性を調整する指物(さしもの)技法によるデザインを提唱し、実際にバリ島ウブドにある高級リゾート地_Bamubu Indah(バンブーインダー)の建築設計を手掛けています。




写真_Tripadvisor掲載ページより

もっとも、現状では南国の気候におけるデザインでのみ使用可能な状態ですから、高温多湿や雪国など、気候特性のある地域で使用できる方法ではありません。

「世界のどの地域においても、竹を建築資材と使用できるように」との志を持ち、アメリカの建築家協会に所属するマグドナルド氏やジョナス・ハウプトマン氏が、テネシー大学のカイリー・シューマン教授の支援を受けて、空洞部分が少なくより強靭な種類の竹を使用することで、接合部の形状加工を容易にし建築資材に使用できる段階まで研究を進めています。

写真_Redshift公開ページより

最終的に彼らが目標としているのは、組み立てや指物技法をどの地域の「竹」を利用しても、臨機応変にパラメトリックデザインして製造加工・建設が現場でおこなえるDIYマシンの開発です。

                                                    
                                                     写真_Redshift公開ページより

日本においては高温多湿や積雪などの地域特性により断熱性能など検討しなければならない点も多くありますが、これらの研究が進むことにより、建材としての竹がカーボンネガティブ建材として活用でき、安価な建築材として使用される日が訪れることが期待できます。

「鑑賞」「食材」に次ぐ、建築資材としての竹の活用です。

世界的な温暖化を防止するため国交省・経産省・環境省の三省連名で、2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにするための方針が2021年8月23日に公表されました。


内容を見ればお判りになるかと思いますが、いままでの方針と何も変わっていません。

「住宅性能を引き上げろ」「太陽光発電を搭載しろ」と、義務化をチラつかせて命令するだけで、結果的には新築住宅を建築する顧客がその経費を負担する構図です。

構造躯体である木材の育成から、建築加工、そして廃棄までも含め二酸化炭素排出抑制をする「カーボンマイナス」思想が何も反映されていません。(^_^;)

竹は成長の早さもさることながら、自然育成にも期待できる安価な資源となる可能性を秘めています。

私は観光名所として「若竹の杜_若山農場」を有する宇都宮市だからこそ、全国に先駆け建築資材としての「竹」活用に名乗りを上げられないかと模索しています。


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2021年9月8日水曜日

【宇都宮市の田川氾濫から2年!自分の命は自分で守る!?】防災情報マルチモニタの活用方法とは!?

宇都宮市のど真ん中を流れる田川。


JR宇都宮駅前を流れる普段は非常に穏やかな川ですが、約2年前に大型台風の上陸でまさかの氾濫を起こしたのは記憶には新しいことではないでしょうか。



まさかの出来事は、常に突然訪れます!


そして一歩間違うと命の危険を伴うことになります。


地球温暖化の影響でしょうか、近年では観測史上最高などと冠言葉が添えられる台風や豪雨が頻発し、その被害も激甚化しています。


2020年8月20日から私たち不動産業者には、不動産取引時の重要事項説明においてハザードマップを提示し説明責任が義務付けられていますが、これは災害発生の危険エリアが近隣にあることが不動産購入の意思決定に及ぼす重要な要素であるからです。


災害においては、人命を守ることが最優先です。


そのような意味合いで、地方自治体も日頃からの備えとして


●防災グッズを準備しておく

●避難場所・経路・方法などの事前確認

●携帯が使用できない場合に備え、近親者との連絡手段方法を決めておく

●ハザードマップにより、周辺の危険地域を把握しておくこと


などの大切さを、インターネットや広報誌などで繰り返しています。


災害発生時にラジオなどから流れる避難に関する報道ですが、従来は「避難勧告」と「避難指示」の2種類の言葉が使用されていましたが、紛らわしさもあったのでしょうか、現在は「避難指示」に1本化されました。



警戒レベルは5段階に分類されていますが、そのうち1~2までは気象庁が警戒を要するとして発表します。

警戒レベルが3以上になれば発表は市町村からとなり、高齢者や子供など、避難に時間のかかかる方々を中心に危険地域からの避難指示が発令され、警戒レベル4になると全ての住民にたいして避難指示が発令されます。



警戒レベル5は、緊急安全確保であり市町村も災害状況が確実に把握できていない状態ですので、かならずしも指示が発令されるわけではありません。

ですから災害発生時には刻一刻と状況が変化している状態を、常に把握して「自らの命・近親者の命」を守るべく、速やかに避難行動を開始することが大切です。

そのような意味合いから有事に慌てないよう常日頃からの備えが大切ですが、もう一つ大切なもの、それが災害の状況を正確に知るということです。

危険地域の災害状況の情報を正確に知ることができれば、避難経路やタイミングも、自分自身で考え動くことが出来るようになるでしょう。

情報を知る手段としてぜひ活用していただきたいシステムが今回、解説する防災情報マルチモニタ」です。

【防災情報マルチモニタとは?】

国土交通省が公開している、気象情報・注意報・土砂災害警戒情報のほかにも「洪水キキクル(危険度分布図)」「土砂キキクル(危険度分布図)」などの気象ウエブサイト関連情報などを一元化し、確認することができるシステムです。




上記のリンク先からページを開くと、全国的な情報が表示されます。

これらの情報も有用ではありますが、自宅や職場周辺の危険地域状況を確認することができるのが、このシステムを利用する目的ですから、最初に情報を入手したいエリアの登録をする必要があります。


登録ページを表示するには上部の右端にある登録地点を、初めて登録する場合にはその右にある地点登録をクリックします。


最大で3カ所の地点登録をすることができ、登録後は登録地点をクリックするだけで瞬時に状況を確認できるようになります。

また登録した地点の危険地域情報にもとづく「リスク判定機能」もありますので、活用してみるとよいでしょう。

表示される情報は下記の11項目です。

1.レーダー雨量
2.気象情報・注意報・土砂災害警戒情報
3.河川カメラ
4.川の水位情報
5.浸水の危険性が高まっている河川
6.洪水予報・水位到達情報
7.ダム放流通知
8.洪水キキクル
9.土砂キキクル
10・水害リスクライン
11.避難情報

基本的な表示画面では全体情報が表示されますので多少見ずらいのですが、確認したい項目をクリックすれば情報元であるリンク先へ誘導されますので、より詳細な情報を入手することができます。


情報は2~10分間隔で更新されますので、早い段階の警戒レベルが発令された場合に登録地最寄りの危険地域状況を自ら確認して、行動を検討することができます。

有事の際、地方自治体は予め構築されている防災マニュアルに基づいて人命優先で必要な情報を発信しますが、そのおおもとは今回、ご紹介している情報とおおよそ同じものです。

違いがあるとすれば、危機管理マニュアルの定めにより人員を派遣しての目視情報などでしょうが、それらリアルタイムに入手されているはずの情報が、命令指示系統によるタイムラグにより反映に時間がかかることがよくあります。

「避難指示が適切であったか」など、災害がある程度沈静化してからマスコミが糾弾している画像がニュースなどで流れることがありますので皆様もよくご存じでしょう。

自治体を擁護する訳ではありませんが、市民生活に影響を与える避難指示は、そう簡単に判断し発令できるものではありません。

避難指示が早ければ「早すぎる」と糾弾され、遅ければ遅いで「人命を軽んじている。危機管理体制がなっていない」などと叩かれます。

そのような立場を勘案すれば、慎重になるのも致し方がないと理解する必要もあるでしょう。

そのような意味合いから行政任せにせず自ら災害状況を確認し、適切な避難の判断ができるシステムは有益であるといえるでしょう。

このように秀逸なシステムであるのに、広く周知する活動がおこなわれていないのは不思議でなりません。

有事の際には「自らの命は自ら守る」という観点で、日ごろからの備えと正確な情報入手方法を心がけましょう。

またパソコン版より使い勝手は劣りますが、【防災情報マルチモニタ】はスマホ版でも公開されていますので、併せて活用すると良いでしょう。




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2021年9月3日金曜日

【トラブル続出の相続問題!遺言書の紛失も心配なし!?】新しい相続の保管制度が開始される!?

自分の築き上げた財産を、思った通りの配分で相続させたい。



そのような意思の反映だけではなく、遺産配分により遺族間に発生するトラブル防止や負担軽減の意味合いから相続や遺言への関心が高まりをみせています。


遺言書が必要なのは資産家だけの話で自分には関係ないと思われている方も多いのですが、そんなことはありません。


最近はすっかりと定着した「終活」という言葉。


これも、人生終盤における身の施し(医療・介護・葬儀・お墓・相続)において、身内はもちろんのこと親しき人に迷惑を掛けず、最後まで全うする意識が定着したものです。


つまり財産が多くあるから遺言書を残すのではなく、遺族への最後の思いやりとして残すべきもの。


それが遺言書です。


そのような時代の反映というわけでもないでしょうが、令和2年7月10日から【自筆証書遺言保管制度】が開始されています。


この制度については、運用開始から日も浅く知らない方も多いでしょう。



ご紹介する制度が出来るまで、法律上有効な遺言方法は下記の3種類に限定されていました。


1.公正証書遺言


遺産分割も含め遺言書作成も専門家である公証人に依頼することができ、また原本が公証人役場に保管されることからもっとも安全性が高く確実な遺言方式です。


デメリットとしては遺言書作成のため複数回、公証人役場に出向く必要がある(入院中など本人が公証人役場に出向くのが困難な場合には、経費を負担して出張してもらうことは可能)ことや、2名以上の証人立ち合い署名・捺印が必要とされるなどです。


また相続財産の金額や受遺者の人数により、それぞれ別個の法律行為として証書手数料が加算されますので、もっとも費用がかかります。


2.自筆証書遺言


自分で相続内容を検討し、自署で作成する遺言書です。


映画やドラマなどで登場するのは大概はこの自筆証書遺言です。

なじみ深さは一番かも知れません。


自分で作成しますので費用はかかりませんが、遺言書の形式は法律で厳格に定められていますので、形式不備は法律上無効とされる危険性があります。


またせっかく作成しても予め保管場所の説明を相続人の誰かに話しておかなければ、見つけられずに故人の遺志が反映されないほか、誰にでもわかる場所に保管していては悪意の受贈者に改竄される危険性もあります。


また封入された自筆証書遺言は、開封前に家庭裁判所による検認(事前に開けられた形跡がないかなど、裁判所が確認する作業)が済んでからでないと開封できないなどの手間がかかります。


3.秘密証書遺言


遺言書の存在証明や保管は公証人役場がおこないますので紛失や改竄の危険性はありませんが、記載内容について公証人は関与しませんので、遺言内容に不備があれば法律上無効とされる懸念があります。


保管料だけですので公正証書遺言と比較して費用は安くすみます。


これまで紹介したように、それぞれにメリット・デメリットが存在する遺言方式ですが、簡易的でありながら安全性についても考慮され、公正証書遺言と自筆証書遺言の中間にあたるのが今回、解説する自筆証書遺言保管制度です。


■自筆証書遺言保管制度は何が違うの?■


それでは具体的な内容を解説しましょう。


形式は自筆証書遺言です。


ただし自筆証書遺言で一般の方が不安に思う記載方法(訂正箇所も含む)については、封入前(自筆した遺言書を封筒に収め、封印を押す)に遺言保管所で検分をしてくれますので心配することはありません。


ただしこれは形式についてのみですので、分割の適合性など内容については関与しません。


法定遺留分や分割内容の妥当性などに不安が残る場合は、弁護士や行政書士など相続問題に強い専門家にサポートを依頼するほうがよいでしょう。


具体的な遺言書の記載形式は下記のとおりです。



自筆証書遺言は1.本人が自筆で記載する2.日付を記載する3.署名・捺印3点について特に注意を要します。


また用紙のサイズがA4に限定されている点や、誤字の訂正方法も厳格に定められている点なども注意が必要です。


遺言書に記載する相続財産は、預貯金や有価証券・不動産などを財産目録に漏れなく記載(目録はパソコン等での作成も可)して準備します。


■費用など

公正証書遺言は相続内容により証書手数料は変動しますが、目安として¥50,000円~¥70,000円程度必要です。


自筆証書遺言保管制度は保管申請が1通あたり¥3,900円と安く、閲覧請求や情報証明書交付費用などについても低く設定されています。



費用面以外においても、単純な自筆証書遺言と比較して下記のようなメリットがあります。


  法務局が遺言書を保管してくれる(紛失や改竄リスクがない)

  開封前に家庭裁判所にたいする検認請求が不要(遺言書保管所が形式を確認してから封入するため)

  相続開始後、相続人にたいし遺言書の存在が確実に伝わる。


■具体的な申請方法は?

申請書式のダウンロードや手続きの詳細な流れについては、法務省の下記リンク先から確認すると良いでしょう。

自筆証書遺言保管制度_法務省公式HP



遺言書の保管場所は遺言書保管所と記載されていますが、これは法務局です。

 保管する法務局も①遺言者の住所地②遺言者の本籍地③遺言者の所有する不動産所在地3カ所から遺言者自身が選ぶことができます

 保管申請には事前予約が必要な点については注意しましょう。

■まとめ

運用開始から日も浅いこともあり認知度の低い制度ですが、個人的には今後、主流となっていく遺言方法であると予想しています。


安全面や相続配分なども勘案すれば公正証書遺言がもっとも安全であることは間違いありません。

弁護士などの士業も、現状では公正証書遺言を勧めてくるでしょう。

この考え方には、私も同意します。

ただし相続財産が預貯金や自宅の不動産のみであり、受遺者も配偶者と子1名などの単純相続の場合、法定遺留分も1/2ですので公正証書遺言ですとあまりにも仰々しくなりますし、費用も馬鹿になりません。

とはいえ自筆証書遺言だと紛失も怖い。

そのような場合には、申請費用も安く利便性も高い自筆証書遺言保管制度はメリットのあるものになります。

もちろん相続人の人数や遺贈財産の額によっては、専門士業のサポートを受けたうえでの公正証書遺言をお勧めします。

相続内容によりメリットを比較して、遺言方式を検討されるのが良いでしょう。


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