相続税などの基準となる土地の価格、「路線価」が7月1日、公表され、栃木県内では、LRT(次世代型路面電車)が開業したJR宇都宮駅東口の駅前周辺が5年連続で最も高くなりました!
最高価格の宇都宮市宮みらい「宇都宮駅東口駅前ロータリー」は、去年より3.1%上昇して33万円/平米でした。
ちなみに、一般に公開される土地の価格は4つも種類があるんです💦
「公示価格」「基準地価」「路線価」「実勢価格」、これらは官公庁や役所など公的機関が評価基準を設けて定期的に調査した情報です。
今回公表された路線価は、国税庁が調査した土地価格となります。
路線価は、主に不動産を相続や贈与した時などに税金がどれくらいかかるか計算するために利用されます。
そのため、路線価が高くなることは、所有者にとってあまりうれしくないのが本音でしょう😅
地価は2極化鮮明!際立つ県内格差&地域内格差!
前年と比べて路線価の最高価格が上昇した地点は、宇都宮と佐野だけです。
他は、横ばい、もしくは値下がりなので、路線価で見ても県内地価の2極化は鮮明です。
市町村別だけでなく、同一市町村内でもミクロなエリアごとに、地価の2極化傾向が強まっています。
わかりやすい3Dマップで見ると一目瞭然です!
対前年比の地価を比較し、ブルーは値下がり、イエローが値上がりです。
栃木県内の地価上昇エリアは、JR宇都宮線沿線のエリアに集中しているのがよくわかります。
ミクロな宇都宮エリアを拡大してみると!
平均すると宇都宮市全体では、地価は上昇していますが、すべての場所の地価が上昇しているわけでなく、場所によっては地価が下落しています。
宇都宮市の西北エリアはブルーエリアが目立ち、元気の無さが鮮明な結果となっています💦
イエローの値上がり率の幅を比較すると、地価の西低東高の傾向が強まっているのがよくわかります。
ちなみに、マップ右端でガツンと値上がりしているのが、LRTが開通し、地価が高騰している「ゆいの杜」エリアです😮
LRTが開通した街の東側に比べて、西側エリアの元気の無さがマップから浮き彫りになっていますね。
路線価は、宇都宮駅東口駅前ロータリーが2020年に最高額の地点になるまで、31年間連続で宇都宮市馬場通り2丁目の大通りが最高額でした。
LRTの着工が2018年。
そこからわずか1年あまりで、路線価の最高地点の東西が逆転したのです!
いかにLRTの開発効果が経済の好循環を生み、不動産価格に好影響を与えているかがわかると思います。
東口エリアの地価上昇を後押しする立地適正化計画の見直し
宇都宮市は、人口減少社会に対応したコンパクトシティを実現するためのマスタープラン、適正化計画の見直し案を示しました!
→LRT停留所や鉄道駅など30カ所、施設誘導の新エリアに 宇都宮市が立地適正化計画見直し案 高次機能区域の拡大も(下野新聞)
LRT停留場や鉄道駅、主要バス停の計30カ所を、都市活動を支援する新たな誘導エリアに設定しました。
注目すべきポイントは、JR宇都宮駅東口の高次都市機能誘導区域に、ブレックスアリーナ(市体育館)などを含む駅東公園周辺の約32ヘクタールを加え、スポーツ資源を活用したまちづくり推進を目指していくとした点です。
高次都市機能誘導区域とは、街の中心市街地として位置づけられる場所になり、大きく高い建物を建築しやすくするため、容積率や建ぺい率を緩和等したり、税制を優遇したりする措置が取られる可能性が高いということです。
つまり、ざっくり言うと、街の都心を更に東に広げるということです!
地図を見ながら詳しく解説します。
西は栃木街道、南は平成通り、東は国道4号線、北は競輪場通り、この内環状線内(地図の赤線内)は、都市の中心拠点や生活拠点と位置づけ、都市誘導区域として設定されています。
つまり、将来にわたってインフラを優先的に整備するエリアとなります。
さらに注目は、赤枠内の青線内の部分です。
こちらが高次都市機能誘導区域で、以前過去ログで詳細は説明しております。
過去ログ→【宇都宮市の中心市街地に高層建物が急増する!?】再開発を促す新たな政策とは!?
こちらもざっくり言うと、青枠内のエリアは、中高層の建物や街に必要な生活施設を、を様々な規制緩和や補助等を行い、誘導していくエリアで、街の「都心」と呼べる場所になります。
今回の見直しで、なんと街の「都心」と位置づけられるエリアが更に東に拡張されることになったのです!
これから建築予定のブレックアリーナや駅東公園周辺が中心市街地として、新たに指定されたことになります。
新たに高次都市機能誘導区域に指定されたエリアは、様々な規制緩和の恩恵が受けられる可能性が高く、不動産として将来性抜群です!
つまり、このエリアは再開発が促され、地価がこれから大きく上がる可能性が高まったということです。
住所でいうと、宇都宮市の元今泉4丁目〜6丁目になります。
個人的には、元今泉4丁目〜6丁目までを高次都市機能誘導区域に指定するなら、LRTが通る柳田街道の南側エリア(国道123号線と国道4号線の内側)、宿郷エリアも、高次都市機能誘導区域に入れてしまえばいいと思いました。
いずれ宿郷エリマも、状況次第では、誘導区域の見直し、変更があるかもしれません。
まとめ
年々、地価は2極化が強まり、格差拡大が著しい傾向を示しています。
また、「宇都宮市だから大丈夫!」というわけでもなく、同じ市町村内でも、将来性の有無によるミクロな立地特性で、価値の差が大きくなる傾向も強まっています。
栃木県内全体でも、不動産相場は、立地に将来性があり、実需がある場所は今後も安定した資産価値を形成するでしょう。
一方、市町村問わず、過疎化の進む場所は、下落傾向に歯止めがかからないので注意が必要です💦
不動産を資産価値の側面から見るなら、下落傾向が続いている物件から、資産価値を維持できる物件へと乗り換えることは、急務だと言えます。
また、宇都宮市内では、LRTの西側延伸着工まで、地価の東高西低の流れがしばらく続くと予想されます。
これから、LRT沿線の東口エリアは、新ブレックスアリーナや東部総合公園、更に沿線沿いに広大な新産業団地等、開発案件が目白押しです!
ますます宇都宮市の東側が活気付くのは容易に想像ができます。
過去ログ→【宇都宮ブレックス新アリーナ候補地決定!?】佐藤市長がLRT沿線のあの場所へ支援を表明!
過去ログ→【続報!宇都宮のLRT沿線に魅力てんこ盛りの新公園が!】ワクワクする東部総合公園の開発で若者が活気づく!?
過去ログ→【ますます加熱するLRT沿線の不動産開発!?】宇都宮市が新産業団地整備へ2候補地を選定!
一方、西口エリアは、駅前や大通り沿いを中心に、マンションの再開発が盛んに行われていますが、いまだに街のシンボルでもある「パルコ跡地」は手つかずのまま放置され、中心市街地全体は空きテナントも多く、停滞感を抜け出すために、大きな都市整備の起爆剤が不可欠です。
地価のビジュアルマップを見れば、LRTが開通した東口エリアの活況が一目瞭然です!
東口エリアでLRT着工が始まった直後に、路線価の最高額地点の東西逆転が起こったように、LRTの西側延伸の着工が始まれば、再び街の都心軸は西に移動すると思います。
LRT西側延伸の効果は、宇都宮市の中心市街地に巨額の民間投資を促し、放置された「パルコ跡地」の再生や、オリオン通りや周辺の再開発を促す、大きな起爆剤になることは間違いないでしょう。
もはや、LRTが街に経済の好循環を引き起こしているのは、誰の目から見ても明らかです。
街の均衡有る発展を目指す意味でも、早期にLRT西側延伸を実現し、積年の夢でもある、「宇都宮駅の壁」を壊し、LRTを軸とした街の東西統合を是非とも実現させてほしいと、切に願います👏
★荻原功太朗の業務について★
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