過去ログ→前回 【Vol2-1 変わる世界の流れ!海外出張で感じた思い・・😫】投資家視点で見た、バンコクの景色から見えてくるものとは?
それにしても、円安にはびっくりです!
ここタイでは、今までだったら、600円だったものがいきなり1000円に値上がりしているような状態です。。
あまりの円の減価とインフレぶりに、金銭感覚がおかしくなってきます。
私の宿泊している、ホテルのプールサイドでドリンク(マンゴースムージー)をオーダーしたら、290バーツ(サービス料込み)。
過去に染み付いた感覚から、『だいたい、、900円くらいね。。』
と思って、オーダー後に今のレートで再考したら、、
ドリンク1杯が、1450円ほどです😅💦
ドリンクのサイズは日本の2倍くらいありますが、、それでもここバンコクの都心部にいたっては、物価は東京よりも高いくらいです😱
タイ国内でもインフレは進んでいて、5年前くらいに比べると、総じてすべてのモノやサービスが10〜20%ほど値上がりしている印象です。
バンコクまでの航空運賃も、コロナ禍前の1.5倍ほどになっています。
そこへ来て、凄まじい円安ですから、日本からタイに渡航する人が激減するのも当然ですね。
私が宿泊している場所は、バンコクでも日本人の駐在員や観光客の多いエリアなのですが、ホテルのプールや朝食会場で日本人らしき人をほとんど見かけませんでした。
過去20年の流れでは考えられないことです💦
宿泊客の多くは、白人系の方々が大半で、2〜3割アジア系で、完全にアウェーな感じです。
タイでも貧富格差は拡大中!日本との違いは?
日本に限らず、ここタイでもで富めるものと貧しいものとの、2極化が鮮明となってきています。
タイでも、一部の裕福なタイ人たちは、頻繁に日本に旅行できるほどお金持ちです。
農村で暮らす、80%あまりの多くの人たちは月収5万円以下(10000TB)ですから、海外旅行どころではありません。
一方、バンコク首都圏に住む1400万人以上の人々の月収は10万円以上となってきており、さらに人口のトップ5%350万人あまりの人は、月収25万円以上となっており、生活物価の安さなどと比較すると、日本の中間層よりよほど豊かな暮らしをしています。
しかし、多くの農村で暮らすタイ人庶民は、貧しいままで、海外旅行どころではありません。
それでも、タイはバーツ高の影響でインフレ率は低レベルで推移しており、貧しい80%の人ほど恩恵を大きく受け、先進各国がインフレに苦しむなか、中進国タイ庶民の生活は安定しています。
一方、日本は、ここ2年ほどの円安の影響がモロに響き、庶民の生活は疲弊してきており、凶悪犯罪も急増していますね😓💦
タイは食料自給率が高く、貧しくても食うに困らず、幸せに暮らす人々がたくさんいます。
実は、そこに日本再生のヒントがあるのかもしれません。
日本とは対象的の再開発の進行具合!
日本では、東京都心部ですら、人手不足と建築コスト高により再開発の見直しが行われていますが、ここバンコクでは、首都はどんどん拡大中です!
過去ログ→【インフレと人手不足で、東京都心部でも再開発が困難に!?】LRT西側延伸と宇都宮駅西口の再開発にも暗い見通しが💦
わずか10年で公共交通ネットワークは凄まじい延伸を見せています。
バンコクはバーツ高の影響も大きく、再開発ラッシュが起こっています!
過去の日本と同様に、都市の成長に合わせて、農村から都市へと若い世代が大量に流れてきており、バンコク都心は若い世代が多く、活気に満ち溢れています!
人口動態と都市の成長はどこの国でも似ています。
バンコクはさながら東京の20〜30年前のような都市の成長段階を迎えています。
地方から豊かさを求め、大量の若者がバンコクを目指し、首都圏がどんどん拡張されている状況で、都心も都市郊外も凄まじい勢いで再開発が行われています。
日本では、人手不足とコスト高により、再開発が相次いで、見直しや延期となっている状況なのとは対象的ですね😅💦
ここバンコクで都市の成長を見るにつれ、再開発をスムーズに行っていくには、若い世代(農村からの安い労働力)が都市へと大量流入することが非常に重要なのを実感します。
本来、公共交通の整備は人口が増えている局面で積極的に行うべきものです。
宇都宮市のように住民が高齢化し、人口が減り出してから、公共交通を整備することがいかに難しいことだったか、よくわかります。
都市とは人が集まり、集約することで効率を上げる場所であり、人口が減ることは致命的です。
今、日本では、少子高齢化と人口減少により、人手不足が深刻となり、異次元の供給制約の壁が立ち始めています💦
そのため、人手不足の問題では、移民を積極的に活用し、なんとか解決しようと試みています。
しかし、移民には賛否両論あり、論争が巻き起こっていますね。
ただでさえ円安の影響で移民にとって魅力の低い日本において、移民を少なくするため、規制を強化するようなことをすれば、影響は甚大です。
なぜなら、移民のほとんどは日本人の誰もがやりたがらない低賃金の仕事に従事しているからです。
移民がいなくなれば、皆の生活に必要不可欠なやりたくない仕事は、日本人の誰かが代わりにやるしかありません。
そうなると、ただでさえ人手不足のブルカラー労働の賃金は、大幅に上げざる得なくなり、その結果、インフレはさらに加速し、庶民の生活は今よりさらに困窮を強いられることになるでしょう😅💦
また、移民反対なら、都市の再開発は、若い世代の人口流入が見込みめる東京都心部以外では、あきらめるしかなく、地方は廃れるままを受け入れるしかないでしょう。
私は、移民に対しては賛成でも反対でもありません。
選ぶのその国に元々住んでいる国民であるべきだからです。
ただ、理解しなければいけないことは、移民なしでは皆さんが今、当たり前に享受している豊かな生活を急速に衰退させなければならないということです。
移民なしでは、インフラの維持すら困難となり、地方では深刻な労働力不足となるでしょう。
どちらの選択肢を選ぶかは、国民の判断ですが、タイのように食料自給率が高い国では、貧しくても食うに困らず幸せに暮らしている方々が多いのを見るにつれ、日本でも大量消費社会から、大きな価値観の転換が必要になってきたと実感します。
人口減少する社会で、再開発を行うのは困難か!?
このブログでは、宇都宮市のコンパクトシティ構想をよく取り上げていますが、理想は立派です。
そして、ぜひとも街の活力を維持するために、成し遂げてほしい計画だと思っています。
しかし、人口減少していく社会で、新たなインフラを再整備し続けることは、現実的には困難を極めます!
なぜなら、コンパクトシティ構想の本来の趣旨(人口規模に見合った都市の収縮効率化)では、人口が減って、需要がなくなった過疎地は、市街地から切り離す必要がありますが、現実にはそれを行うのが困難だからです。
日本は良くも悪くも民主主義の国で、不動産の権利も法によってしっかりと保護されています。
中国では、土地はすべからく国のもので、再開発に反対したところで、政府に雇われた怖い方々が、ブルドーザーで居住中の建物でも強制的に破壊し撤去されたりしています😅
しかし日本は、民主主義の国で都市計画より、個々の権利が優先されます。
そのため、街全体の利益を考えた再開発や規制より、今そこに住む方々の生存権(既得権)が優先されることになります。
コンパクトシティ構想を推進するには、本来、アメとムチはセットでなければなりません。
市街地から除外していく計画エリアで、厳しい開発規制や、移住促進策を講じることなく、誘導エリアの再開発だけを推進しても、コンパクトシティ構想は絵に描いた餅になる可能性が高いです。
中国のように、公的な利益を最優先し、既得権無視で、地権者に再開発のツケを押し付けられれば、計画はあっという間に進みます。
しかし日本では、そんなことはできませんから、国力の低下ともに予算と供給制約の壁にぶつかり、現実に今、地方都市では再開発の実行に支障をきたし始めています。
古き良き昭和時代の復活はない!
世界から日本を見ると、国民の意識が未だに「古き良き昭和」の復活を目指しているのがよくわかります。
しかし、その流れは人口動態と密接に関連しており、すでに日本では、過去の繁栄が戻ることはないでしょう。
そのかわり、これから日本のように成熟していく、タイをはじめとした中進国の都市に街の活気が移っているように見えます。
宇都宮市で育った若者たちが首都圏に移住せず、市外から大量の若者たちが移住でもしてこない限り、宇都宮市がLRTを西側延伸し、整備したところで、昔のように中心市街地に人々が集まり、活気で満ち溢れることは期待できないでしょう。
すでに日本は、世界の中で豊かな国でなくなりつつあります。
まずこの現実をしっかりと受け止める覚悟が必要です。
でなければ、いつまでも昭和の成長幻想から抜けられません。
別に日本が例外ではなく、タイでもそうですが、富めるものと貧しいものとの格差が一層鮮明になっているだけです。
日本人の誰もが抱いていた「先進国市民」「グローバル特権階級」はすでに崩壊しています。
日本人もタイ人と同様に、気軽に海外旅行に行けるのは、人口のトップ20%の富裕層のみとなっただけです。
一部の富裕層の方々から見える景色は、インフレ後もほとんど変わってません!
しかし、大多数の日本人は、世界から見れば、貧困層となりつつあるのが厳しい現実です😓💦
世界視点で見れば、購買力が凄まじい勢いで低下している日本の庶民向けに不動産開発を行うことは、採算が合わず、投資に見合わなくなっているのです。
港区のタワマンなど、超富裕層がいくらでもお金を出す、金融商品としても取引できる物件でもなければ、これからの再開発は難しくなると見ています。
日本の地方で再開発案件が、着工できず延期を繰り返し、中止にさえ追い込まれそうになっているのも、ひとえに日本の中間層が崩壊し、総貧困化していることに他なりません!
アジア富裕層向けビジネスに、投資チャンスあり!
今回の訪問で感じたのは、タイの中間層の方々の急速な台頭です!
日本人からは、すべてが割高に見えるバンコク都内のお店でも、タイ人の都市住民は普通に利用しています。
タイの都市部に住む所得トップ20%の富める方々はバーツ高の影響もあり、グローバルな購買力が大きく上がっています。
コロナ禍前には中国人が、集団で訪日し爆買いするのが恒例となっていましたが、今や中国だけにとどまらず、アジア各国で中間層が台頭し「安い日本」を目指しています。
→24年の訪日客、過去最高に 1〜11月累計で19年通年超す(日本経済新聞)
すでにコロナ禍前のピークを超え、今年は過去最高の訪日観光客が訪れることが予想されています。
インバウンド需要の勢いは留まることを知りません。
下手に日本人を相手にするビジネスを企画するより、タイの富裕層を相手にした方が、ビジネスとしては大きな成長の可能性があることを、この出張で痛感しました😅
現状、宇都宮市は首都圏の外縁部という、好立地を活かして、うまく国内産業を誘致して、都市の成長を維持しています。
しかし、残念ながら、インバウンド需要はほとんどといっていいほど、つかめていません。
日本は少子高齢化と人口減少の影響で、国内産業が傾斜していくことは目に見えています。
そうなると、宇都宮市は収入の大きな柱を失いかねません。
そもそも若い世代がこれから急速に減っていく日本では、国内産業は移民を大量に入れることでもしないと現状維持すら困難です💦
若い人で溢れ、成長著しい外国と、「お金」「成長」最優先で競争し続けるのも、何か違うように感じます。
タイでは貧しくとも、食料自給率が高く、食べる心配をする必要がないので、幸せに暮らしている人がたくさんいます。
日本は今まであまりにも、「お金」「成長」を追い求め続けたように感じます。
日本でも食料自給率を上げていくなど、個々人があまりお金を使わなくとも幸せに行きれるよう、価値観の大きな変化が必要な局面だと思います。
あらゆる経済活動は、人々の幸福にどれだけ貢献しているかではなく、お金とGDPで測定され、私たちの同意は賃金、給料、ボーナスで買われているともいえます。
私たちはパッケージ化された巨大企業が提供する製品やサービスにどんどん依存し、富める人たちを更に豊かにしています。
世界中で拡大する貧富の格差ゲームは既得権を持つ者が圧倒的に有利です。
(はっきりいえばイカサマゲームです。)
負け戦にあえて参加せず、「お金」「成長」という刷り込まれた概念を放棄し、新たな価値基準で既存の秩序から離脱するのもありではないでしょうか。
それが、衰退する一方の日本で幸せに暮らす秘訣のような気がしてなりません。
成長著しい海外から日本を眺め、思ったことを率直に書いてみました。
皆様の参考になれば幸いです🙌
★荻原功太朗の業務について★
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