【宇都宮市で不動産売買するのに、なぜ買取と仲介が存在するのか!?】正論が通用しない不動産売買の実情に迫る!

2025年11月7日金曜日

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 皆さまこんにちは、サンプランの荻原です。

今回は、不動産売却における「買取」と「仲介」の違いについて、宇都宮市の不動産市場の実情を踏まえながら、あまり語られることのない本質的な話をさせていただきます。

正論で言えば「仲介で売った方が高く売れる可能性が高い」のは間違いありません。

しかし、現実の不動産売買では、この正論だけでは説明できない取引が日々行われているのです。

正論では仲介一択だが、現実は違う

不動産の売却を検討されている方なら、一度は「買取」と「仲介」の違いについて調べたことがあるのではないでしょうか。

多くの情報サイトでは、こう説明されています。

「仲介は時間がかかるが高く売れる」「買取は安いがすぐに現金化できる」

確かに、この説明は間違っていません。

買取業者は転売で利益を得る必要があるため、市場価格よりも2割から3割程度安い価格での買取となるのが一般的です。

一方、仲介で時間をかけて買主を探せば、市場価格に近い金額で売却できる可能性が高まります。

理屈で考えれば、誰だって少しでも高く売りたいはずです。

それなのに、なぜ買取という選択肢が存在し続けているのでしょうか。

不動産査定の曖昧さという現実

ここで重要なのが、不動産査定の本質的な曖昧さです。

不動産の査定価格は、あくまでも「このくらいで売れそうですよ」という参考値でしかありません。

株式のように明確な市場価格が存在するわけではなく、実際の成約価格は売主と買主の交渉で決まります。

つまり、「高く売れる可能性がある」というのは、あくまでも可能性の話であって、確実性とは全く別の話なのです。

宇都宮市内で20年以上この仕事をしていて気づいたのは、多くの売主さんが「査定価格で売れるはず」と思い込んでしまっているという現実です。

しかし、査定はあくまでも査定。

実際に買主が現れて、その価格で購入したいと言わない限り、それは単なる数字でしかありません。

宇都宮市の不動産市場が抱える流動性の問題

宇都宮市のような地方都市の不動産市場には、東京都心とは決定的に異なる特徴があります。

それは「実需中心の市場」だということです。

今の東京都心はマンションバブルで、住む予定のないマンションを売り買いするような投機的な需要が相当数存在します。

価格が上がることを期待して購入し、実際に値上がりしたら売却する。

こうした投資家が活発に取引することで、不動産の流動性が高く保たれているのです。

流動性が高いということは、「売りたい時に売れる」「買いたい時に買える」ということです。

投資家にとって、この流動性こそが投資の成功を左右する最も重要な要素の一つです。

いくら将来値上がりが期待できても、いざ売ろうと思った時に買い手が見つからなければ、利益を確定することができません。

一方、宇都宮市のマーケットでは、ほとんどの不動産が「実際に住むため」に購入されます。

つまり、買い手は「今、自分が住みたい家」を探しているのであって、転売目的で購入する投資家はほとんどいません。

このため、実需が減少しているエリアや物件タイプでは、買い手を見つけるのに時間がかかり、結果として流動性が極めて低くなります。

流動性が低い市場では、売りたい時に売れない、売れるまでに時間がかかる、その間に価格が下がり続けるというリスクが常につきまといます。

特に宇都宮市内でも、郊外エリアや築年数の古い物件、公共交通へのアクセスが悪い物件などは、実需そのものが減少しているため、仲介で時間をかけて売り出しても、なかなか買主が現れません。

そして、売れるまでの間に周辺相場がさらに下がってしまい、最終的には当初の査定価格よりもずっと安い金額でしか売れなくなってしまうケースが増えているのです。

ここで具体的な例を考えてみましょう。

宇都宮市郊外での築30年の戸建住宅を売却するケースです。

正論で言えば、仲介で時間をかけて買主を探すべきです。

しかし、宇都宮市の郊外エリアでは、地価が下がり続けている場所も少なくありません。

需要旺盛なのは、JR宇都宮駅周辺や駅東のLRT沿線の一部エリアに限られ、ほとんどのエリアが横ばいないし、下落相場が続いています。

つまり街全体として、実需の減少が顕著になっているのです。

過去ログ→【LRT西側延伸の計画延期は宇都宮市の不動産に何をもたらすのか?】期待する市民と冷静な投資家との温度差とは!?

こうしたエリアでは、仲介で売りに出しても、なかなか買主が現れません。

3ヶ月経っても売れず、値下げをする。

さらに3ヶ月経っても売れず、また値下げをする。

その間にも、周辺の地価は下がり続けています。

結果として、半年後、1年後には、最初に買取業者が提示していた価格よりも安い金額でしか売れなくなってしまうケースすらあるのです。

欲を出して相場より高値で売り出しても、値下げを繰り返すばかりで、特に地価が下がり続けている郊外の物件などでは、仲介で時間をかけるほど、物件の値下がりリスクは大きくなるのが現状です。

買取が提供する「流動性」という価値

正論では見過ごされがちですが、買取業者が提供しているのは「流動性」です。

不動産という、本来は流動性の極めて低い資産を、即座に現金化できる。

この価値は、時と場合によっては、数百万円の価格差よりも重要になることがあります。

例えば、こんなケースがあります。

相続で実家を引き継いだが、誰も住む予定がない。

固定資産税や維持管理費がかかり続ける。

誰が物件を管理するかを決めるのが大変。

空き家のまま放置すれば、建物の劣化が進み、最終的には解体費用も必要になる。

過去ログ→【宇都宮市内で相続した空き家、大きな負担になるリスクが高まる!】解体・リフォームコスト高騰で、不動産所有がリスクの時代に!?

こうした状況では、早期に現金化して、そのお金を別の用途に回す方が、長期的に見れば合理的な判断となることもあります。

また、住み替えで次の物件の購入資金が必要なケースでは、売却のタイミングが極めて重要です。

いくら「高く売れる可能性」があっても、必要なタイミングで売れなければ意味がありません。

不動産査定の曖昧さと流動性の低さが生む選択肢

ここまでお読みいただくと、買取という選択肢が存在する理由が見えてきたのではないでしょうか。

不動産の査定は曖昧です。

「3000万円で売れそうです」と言われても、それは確実ではありません。

実際に買主が現れて、その価格で契約するまでは、ただの予想でしかないのです。

そして、不動産は流動性が低い資産です。

欲しい人が現れるまで、数ヶ月、場合によっては1年以上かかることもあります。

その間、市場環境が変化すれば、査定価格自体が下がっていきます。

こうした不確実性とリスクを考えたとき、「確実に、今すぐ、現金化できる」という買取の価値が浮かび上がってきます。

当事者同士が納得すれば、それが正しい価格

不動産取引の本質は、売主と買主の合意にあります。

第三者から見れば「もっと高く売れたのに」と思える取引でも、当事者同士が納得していれば、それが正しい取引なのです。

実際、私がこれまで見てきた取引の中にも、第三者から見ると「もったいない」と思えるような買取での売却がありました。

しかし、売主さんの事情を詳しく聞けば、その判断が極めて合理的だったことがわかります。

介護施設への入居が決まっており、すぐに資金が必要だった。

相続人が複数いて、早期に現金化して分配する必要があった。

遠方に住んでおり、物件の管理ができなかった。

こうした事情がある場合、買取という選択は決して「損な選択」ではありません。

むしろ、その人にとっての最適解となることも多いのです。

正論を知った上で、現実的な判断を

ここで誤解していただきたくないのは、私は「買取が良い」と言っているわけではないということです。

正論は正論として、確かに正しいのです。

時間的余裕があり、物件に十分な需要が見込めるなら、仲介で売却した方が高く売れる可能性は高いでしょう。

しかし、現実の世界では、正論だけでは語れない個別の事情があります。

流動性の価値

管理労力と時間的制約

リスク許容度

物件の特性

市場環境

こうした要素を総合的に判断した結果、買取という選択が最適になることもあるのです。

まとめ : 不動産売買に「絶対の正解」はない

宇都宮市の不動産市場で20年以上仕事をしてきて、つくづく感じるのは、不動産売買に「絶対の正解」はないということです。

教科書的な正論は確かに存在します。

しかし、現実の取引では、その正論が必ずしも最適解にならないことも多々あります。

買取と仲介、どちらを選ぶべきか。

その答えは、あなたの状況、物件の特性、市場環境によって変わります。

重要なのは、それぞれの選択肢のメリットとデメリットを正しく理解した上で、自分にとって最適な判断をすることです。

不動産査定は、あいまいです。

さらに、流動性は低いです。

だからこそ、買取という選択肢が存在し続けているのです。

宇都宮市内で不動産の売却を検討されている方は、ぜひ両方の選択肢を視野に入れて、ご自身の状況に最も適した方法を選んでいただければと思います。


今回の内容が、皆さまのお役に立てば幸いです🙌


本記事は2025年11月7日時点の情報に基づいています

 

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★荻原功太朗の業務について★

株式会社サンプラン所属。資産家の皆様を対象とした、「増やすよりも、守る」を目的とした、宇都宮市内での不動産の売買・運営・管理・資産保全をサポート。他にも2つの法人の役員を兼務。不動産売買のご相談についても、ご指名頂ければ、できるかぎり対応させて頂きます。

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