【乱れる中心市街地の環境、活気あるJR宇都宮駅周辺!】宇都宮市の経済軸は東に移動している!?

2025年4月21日月曜日

t f B! P L

ここ最近SNSの投稿で、宇都宮市の中心市街地におけるゴミ散乱問題の投稿が目立ち始めています。

過去に空きテナントだらけになってしまった、オリオン通りや周辺エリアは、飲食店街へと変貌し、再び人の流れが生まれ活気が出てきたのもつかの間、今度は治安やゴミ問題が顕在化してきています。

過去ログ→【にぎわい創出の場が変化する宇都宮の街!】東口駅前が街の顔に!?

過去ログ→【オリオン通りの治安が悪化!?】活気とのバランス!中心市街地のここ10年を振り返ってみたら!?

一方で、JR宇都宮駅周辺は着実に発展を続けています。

LRT整備と共に再開発されたJR宇都宮駅東口の駅ビル(ウツノミヤテラス)は空きテナントも概ね埋まり、人気ラーメン店(一風堂)の出店も決まり、盛り上がっています。

この対照的な状況は、宇都宮市の都市構造に何を物語っているのでしょうか。


中心市街地の「質的転換」がもたらす問題

かつてのオリオン通りは、商店街として多様な世代が日中から訪れるにぎやかな場所でした。

しかし、商業環境の変化や郊外型大型店の台頭により、空きテナントが目立つ状況に陥っていました。

その危機的状況を脱するために、飲食店を中心とした交流の場として再生が図られました。

特に居酒屋や飲み屋などの夜間型経済への転換は、短期的には人の流れを呼び戻す大きな効果をもたらしました。

この転換は中心市街地の「生き残り戦略」として一定の成果を上げたと言えます。

また、近年は中心市街地でマンション開発が相次ぎ、居住者数は増加傾向にあります。

新たな住民の流入は地域に活力をもたらす要素としてプラスに働いています。

しかし、中心市街地は「量」の問題から「質」の問題へと課題が変化しています。

以前は「いかに空きテナントを埋めるか」が最大の課題でしたが、今は「どのような店舗や機能で埋めるのが望ましいか」という質的な問題に直面しています。

単に埋まればよいというわけではなく、地域全体の環境や価値を高める機能配置が求められ始めています。

中心市街地の多くのビルは築年数が古く、設備も老朽化しています。

そのため、オフィスや最新の商業施設としての利用には多額の改修コストがかかります。

また、大規模な駐車場を確保ができないことから、商業施設を再び呼び戻すようなことも、困難です。

結果として、初期投資が比較的少なく済む飲食店、特に居酒屋などの夜間型施設が増加したのは、ある意味で合理的な市場反応でした。

しかし、夜間型経済への一極化は、以下のような問題を引き起こしています。

  1. 環境悪化(ゴミ問題、騒音、治安低下)
  2. 住環境と商業環境の軋轢(特に新規マンション住民と飲食店街)
  3. 日中経済の衰退(小売業、サービス業の撤退)
  4. コミュニティ意識の希薄化(新旧住民の交流不足)

特に深刻なのは、増加する居住者と飲み屋街の共存の難しさです。

新しいマンションに入居した住民は、静かで清潔な住環境を期待している一方で、夜間型経済は騒音やゴミ問題を生み出しがちです。

この軋轢は今後さらに大きくなる可能性があります。


JR宇都宮駅周辺の発展と「東への軸移動」

対照的に、JR宇都宮駅周辺は計画的な開発が進み、多様な都市機能が集積しています。

LRTの開業効果もあり、ウツノミヤテラスは空きテナントもほぼ埋まり、一風堂のような人気店の出店も決まるなど、明るい兆しが見えています。

この二つのエリアの明暗は、宇都宮市の都市軸が従来の「西(中心市街地)」から「東(JR駅周辺)」へと移動していることを示唆しています。

歴史的には東武宇都宮駅を中心とした都市構造だった宇都宮市が、JR宇都宮駅を中心とした構造へと転換しつつあります。

この「東への軸移動」は、現代の都市が直面する様々な課題への対応として理解できます。

限られた財政資源の中で都市機能を効率的に維持するには、一定の集約が必要です。

宇都宮市の場合、その「集約先」として市場原理的にJR宇都宮駅周辺が選ばれつつあると言えるでしょう。

JR宇都宮駅周辺が集約先として選ばれつつある背景には、複数の重要な要因が相互に関連しています。

まず、新幹線停車駅であることに加え、JR在来線の結節点であり、さらに新たに整備されたLRTの起点でもあるという交通アクセスの優位性が挙げられます。

この交通の利便性は、広域からの来訪者を集める強力な磁力となっており、商業・業務機能の集積を自然と促しています。

また、JR宇都宮駅周辺は、東口が再開発されたばかりであり、道路や広場などの公共空間が適切に配置され、歩行者にとっても快適な都市環境が形成されています。

さらに重要なのは、JR宇都宮駅と周辺に、商業・通勤通学・居住・交通といった多様な機能が適切に配置されていることで、朝から夜まで、平日も休日も、若者から高齢者まで様々な世代が多様な目的で訪れる「複合型都市空間」となっていることです。

加えて、人口の高齢化が進んでいるため、公共交通の必要性と需要の伸びがより大きくなっており、この地域への投資を促進する要因となっています。


不動産市場への影響と今後の展望

このような都市軸の東への移動は、不動産市場にも大きな影響を与えています。

JR宇都宮駅周辺の地価は上昇傾向にある一方、中心市街地では選別的な価格形成が進んでいます。

中心市街地でもマンション需要の高まりにより住宅用地としての価値は上昇していますが、商業地としては選別が進んでいます。

特に飲み屋街化した地域とその周辺では、商業と住宅の混在による将来的な価値変動リスクも考慮する必要があります。

不動産投資の観点からは、この「東への軸移動」と「中心市街地の居住機能強化」という二つの流れを踏まえた戦略が必要です。

短期的な収益性だけでなく、10年、20年先を見据えた持続可能性を考慮する必要があります。

特に中心市街地の物件については、商業・居住の適切なゾーニングや行政施策の方向性を慎重に見極める必要があるでしょう。


二つの都市拠点の棲み分けと今後の課題

今後の宇都宮市では、二つの拠点の機能分担が重要です。

JR宇都宮駅周辺は広域からの来訪者を集める「広域拠点」として、中心市街地は地域の歴史・文化を活かした「居住・文化拠点」として、それぞれの特色を活かすべきではないでしょうか。

中心市街地の再生には、飲み屋街化による環境問題の解決が不可欠です。

具体的には、居住地域と商業地域の適切なゾーニング、夜間営業の時間規制、ボランティアに依存せず、しっかりと予算を付け、行政でゴミ箱の設置やゴミ収集体制を強化するなどの施策が必要になるでしょう。

また、歴史的建造物や既存の街並みを活かした観光振興やクリエイティブ産業の誘致など、飲食以外の新たな機能導入が重要になります。

過去ログ→【宇都宮市の中心市街地は『住む化』が進行中!】有名建築家設計のあのビルも分譲マンションに!?

そのためにも、安易なハコモノ再開発に頼らず、歴史的建造物を活かすような事業に補助金などを投入し、バックアップするのも一つのアイデアです。

しかし、今後ますます厳しくなることが確実な財政制約の中で、全てのエリアに同じように投資を行うことは現実的ではありません。

まずは、LRTの西側延伸整備と大通り周辺の再開発に集中投資することで、街の東西の経済連携の基盤をしっかり構築するべきでしょう。

この「選択と集中」を適切に行うことができるかが、宇都宮市の将来を大きく左右することになるはずです。


今回の内容が皆さまの参考になれば幸いです🙌

 

X(ツイッター)を始めました!

→速報配信中!フォローよろしくお願いします🙌

 

★荻原功太朗の業務について★

私、荻原功太朗(宅建士・不動産コンサルティングマスター)は資産家の皆様を対象とした、投資物件の限定情報のご紹介、コンサルティング業務をサンプランにて担当致しております。不動産売買のご相談についても、ご指名頂ければ対応させて頂きます。
【私個人へのコンサルティング依頼はすべて有料とさせて頂いております。】

宇都宮市の不動産売買はサンプランへお任せ!
栃木県内の不動産売買のことならお気軽にご相談下さい。
(無料相談はサンプランにて受付ております!)
詳細はこちらにお電話ください→【028-908-0880】
 
↓ 株式会社サンプラン ↓
↓ 不動産最新情報 ↓
 

 

このブログを検索

自己紹介

自分の写真
「宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター。豊富な専門知識と実務経験を活かした不動産アドバイザー。株式会社サンプラン部長。クライアント一人一人に最適な不動産運営、問題解決を提供いたします。」 X(Twitter)アカウントの紹介: 「不動産売買・相場の最新情報を発信しています。 フォローはこちら → @kotaro_sunplan」

人気の投稿

QooQ