ここ最近、宇都宮市のシンボルロードといえる、中心市街地にあるオリオン通りの治安悪化が話題となっているようです!
→治安悪化の宇都宮・オリオン通り 市が商店街向け補助拡充 カメラ設置や警備員人件費に(下野新聞)
宇都宮市の中心市街地はここ10年ほどで住む街としてマンション開発が盛んに行われています。
中心市街地の『住む街化』は進む一方で、今後も分譲マンションの販売が相次ぐ予定です。
一方、商業の顔として街のシンボルでもあった宇都宮パルコは2019年に撤退し、すでに4年あまりも空きビル状態のままです。
オリオン通りもかつては、商業店舗が連なり、映画館や商業施設、デパートも集約し、人で賑わうアーケード街でした。
しかしその後、大店法が改正され、郊外に巨大なショピングモールが相次いで進出すると、急速に人の流入が減少し、街が衰退しました。
時代に沿った、マイカーでの来店に最適な設計の人工シティに人が惹きつけられ、交通アクセスの悪い中心市街地からは、人がいなくなり、それと共に店舗の撤退も加速していきました。
相次ぐ小売店舗の撤退で、2010年前後はオリオン通りとその周辺の3割くらいが空き店舗だったのを記憶しています。
2010年頃にはオリオン通りを含め、中心市街地は一気に活気を失い、急にサビレた印象になっていました😭
飲食の街としてオリオン通りが復活!
もはや小売店を誘致するのは誰の目からも限界が明らかになってきた頃に、ようやく流れが変わり始めます。
人工のショッピングモールは主に小売店舗が主ですので、昼の人の吸引エリアです。
一方、中心市街地には人と人が顔を合わせて、コミュニケーションを取る場所としての需要が残りました。
『街コンブーム』もあり、オリオン通りは、2012年頃から出会いや交流の場として、飲食の街へと一気に変化していき、次第に夜に人が集まる街へと変貌していきました。
中心市街地の『住む街化』も進み、ようやく中心市街地へ人が戻り始め、活気が取り戻して感が出てきた矢先に2019年からのコロナ禍。。😱
飲食店には大打撃で、中心市街地も再び活気を失ってしまいました。
そして、、ようやくコロナ禍も落ち着き、かつての人出が戻り、飲食の街として再び中心市街地が復活してきた感が、今に至る経緯です。(長〜w😅)
街の活気にはトラブルがつきもの
もっと昔を知っているジモティーの私からすると、20年以上前は今より治安が悪かったです。
チーマーや暴走族がオリオン通りを徘徊し、爆音のバイクがそこら中を走り回っていたり、で、めちゃくちゃでした。
当時は、『住む街化』はまったく進んでいなかったので、中心市街地に住む方々は何がしかの商売をされている方ばかりで少数でしたから、それほど治安が問題視されなかったのだと推測します。
『住む街化』の進んだ現状では、酔っぱらいの騒音やゴミ問題は近隣に居住する住民にとっては大問題になるのは当然でしょうね。
今回の治安問題は、街中の居住人口が急増していったことが影響しているのは間違いないでしょう。
ただし、不動産業のプロとしての立場から言わせてもらえば、商業地域に居住するということは、本来は酔っ払いや騒音、ゴミ問題があるのは当然でもあるとも言えます。
なぜなら商業地域に限って、酔っぱらいやトラブルが起きそうな店舗の開設が許可されている業種も多い場所だからです。
逆に言うと、常に賑わいがあり活気のある場所であるという裏返しでもあります。
もし、処々の近隣トラブルがいやなら、用途地域の【住居地区】へ移住せよと、それが行政が決めた都市計画でもあります。
トラブル防止が行き過ぎると?
トラブル防止が行き過ぎて、行政による規制などが強化されることになると、再び中心市街地の空き店舗が目立ち、街の荒廃が目立つようになってしまいます。
商業地域の活気と、トラブルのバランスは難しい問題です。
今後も便利な中心市街地の『住む街化』が進むのは確実ですから、商業店舗とのあつれきがどうしても増えるのは避けられないでしょう。
かといって、規制をかけるなど過剰な対応をすると街の活気を奪ってしまうジレンマに陥ります。
できるだけ、商業店舗の運営者にも協力してもらい、地域住民とのコミュニケーションを取れる環境を構築していくことが重要になるでしょう。
また、治安悪化の要因となる大きな要素は街の汚れ(落書き等)やゴミ問題です。
緑の多い整然とキレイになった明るい場所では犯罪は起きにくいものです。
まずは、行政もサポートして、徹底してオリオン通りと周辺地区において、街の美化を徹底することから始めるべきではないでしょうか。
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