宇都宮市の中心市街地に、10階建てコンクリート打ちっぱなしの外壁異彩を放つ外観のビルがあるのをご存知でしょうか。
宇都宮市栄町にある栃木県土地開発公社が入居していた「栃木県開発センタービル」です。
1972年に建築されてから築50年が経過していた歴史ある建物。
場所はこちら。
東武宇都宮駅とJR宇都宮駅のほぼ中間に位置する場所で、宇都宮市のシンボルの二荒山神社にほど近い好立地です。
この建物が解体され、「サーパス」ブランドでおなじみの穴吹工務店にて分譲マンションとして再開発されるもようです!
このビルを所有していた栃木県土地開発公社によると、穴吹工務店落札額は約3億786万円とのこと。
建物の解体と中心市街地の活性化を条件とした独自の売却方法で、同公社は「民間のノウハウを生かし、想定よりも業務負担と経費の削減ができた」とされています。
解体工事を着実に進めるため、契約から2年以内の着手と4年以内の完了を条件に加えられた珍しい方式が採用され、跡地利用に着手しない場合は、同公社が買い戻せる特約も設定し、市街地活性化に寄与するよう条件を工夫されたようです。
通常は公共用地の売却にあたり、売り手の官公庁などが更地にしてから入札を実施するのが一般的なのでかなり珍しいケースです。
中心市街地の再開発が進み、活気が出てくることは歓迎なのですが、、
今回のような歴史的建造物が安易に壊されてしまうのも少し考えものだと感じています。
このビルを設計したのは著名建築家の故大高正人氏(1923~2010年)です。
惜しまれつつ取り壊された栃木県議会棟庁舎の設計も大高氏によるものでした。
栃木県議会棟庁舎は1969年に大髙正人氏の設計で芸術選奨文部大臣賞を受賞した建物でした。
解体前の写真を見る限り、プレキャスト構造の建物で外観にはクラックはほとんど無く構造もしっかりしておりとてもきれいな建物にしか見えません。
後世に残す価値のある建物であったのに、雨漏りがしたと言う理由で解体になったのは、残念で仕方がありません。
最近は全国あちこちで、数多く時代と共に生きてきた希少な建物を経済性だけを優先し安易に処理していく傾向が散見してます。(T_T)
歴史的な建物こそ地域の貴重な価値ある財産と認識する必要があると思います。
スペインなんかは偉大な建築家ガウディの作品でどれだけ国の魅力や観光収入を上げているかを見れば歴然です。
日本が歴史の持てない哀れな国にしたくないですね。
今回取り壊されるビルも外観にほとんどクラックはなく、まだまだリノベしたら有効活用できそうな建物だったので残念です。
日本の戦後を代表する建築家の巨匠である大高氏の作品で現存しているものが少なかっただけに、建築ファンからは解体を惜しむ声が数多く見られています。
地域の歴史財産をうまく残しながら、街の再開発するような試みを考えることも重要ではないでしょうか。
歴史ある建造物の保存も真剣に考えてほしいと思います。
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