【栃木県知事の選挙公約、LRT、東武宇都宮線への乗り入れは実現するのか!?】百貨店の厳しい現実から何が見える!?

2024年12月2日月曜日

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先日の知事選挙で、現職の福田知事が再選され、選挙公約でもあった、LRTの東武宇都宮線への乗り入れに向けて、早速動きを見せてくれています!

選挙中ばかり公約をアピールし、選挙後は音沙汰なしのケースも多いので、福田知事のスピード感ある行動は大いに評価できます👍

先日の記者会見で、福田知事は、宇都宮市が進めるLRTの延伸計画について「年度内に東武鉄道や宇都宮市、県でこのテーマについてどう議論するか詰めていきたい。新年度にはなるべく早く1回目の協議をスタートさせたい」と述べ、実現に向けた議論の場を来年度には設けたい考えを示しました。

→福田知事 LRTの東武宇都宮線乗り入れ 議論の場設けたい(NHK)

もし実現すれば、宇都宮市の東西が広域で公共交通によって接続され、マイカーに依存せずとも快適に生活できるようになり、コンパクトシティ構想も大きく前進するのは間違いないでしょう。

ただし、、まだ、LRTの西側延伸も着工に至ってないこともあり、かなり先(2030年以降)の話になります。

過去ログでもLRTの東武宇都宮線乗り入れについて書いていますので、よろしければそちらも。

過去ログ→【栃木県知事の選挙争点に東武宇都宮駅の再開発が!?】LRTと東武宇都宮線、相互乗り入れを公約へ!

過去ログ→【宇都宮市のLRT西側延伸、その先にある未来とは!?】東武宇都宮線への乗り入れと、デパート再開発の行方とは・・!?

今回は、現在の経済情勢から、現実的な乗り入れの課題について考えてみたいと思います🙌


LRTの東武線乗り入れには巨額の開発費用が必要に!?

以前、過去ログでも書きましたが、栃木県経済同友会から、東武宇都宮駅の再開発イメージが提案されています。

乗り入れとなれば、当然ですが、駅舎だけでなく百貨店の大規模な再開発が必要となります!

駅と百貨店が入る建物は改築を繰り返し、老朽化していることから、LRTの乗り入れとともに、再開発するのはベストなタイミングのように見えます。

栃木県経済同友会からの提案では、周辺の地権者も巻き込んだ、地域全体の再開発イメージとなっており、非常に魅力的で、理想の未来像です😊

しかし、、もしこのような大規模な再開発を行おうと考えるなら、莫大な建設費用だけでなく、権利調整にも相当な時間が必要です。

宇都宮市では、すでに人口減少が始まっていることと、インフレにより年々建築コストの負担が増える状況にあり、これだけ広範囲の再開発を推進するのは、非現実的です。

仮に、再開発が行われるなら、周辺地域は巻き込まず、東武宇都宮駅と百貨店のみ、現状の場所で建て替えるのが現実的だと思われます。


百貨店そのものが存続の危機に!?

知事は年内にも、県と宇都宮市、東武鉄道、の3者で協議をスタートさせるとのことですが、東武鉄道側からすれば、LRTの乗り入れ効果だけで、莫大な費用が必要になる再開発に応じるとは考えにくいです。

理由は単純で、すでに地方百貨店は大量閉店時代に突入しているからです!

グラフを見れば一目瞭然で、百貨店全体の売上は右肩下がりで減少中です💦

百貨店の売上規模、店舗数は、ピーク時に比べて半分近くまで減少しています😓💦

このブログを読んでいただいてる方のなかで、どれだけの方が最近、東武宇都宮百貨店を利用したでしょうか?

それも、デパートの主力である衣料品やブランド品をどれだけ購入したでしょうか?

ルイ・ヴィトン等の高級ブランド品や化粧品等は、インフレで値上げが凄まじいです!

一般庶民の生活はインフレに手取り給与の上昇が追いつかず、デパートで販売されているような不要不急な品々からどんどん遠ざかっています。

それに伴い、百貨店の売上の主力である高級ブランドショップは地方から相次いで撤退し始めています。

ルイ・ヴィトンは北関東(茨城・群馬・栃木)では東武宇都宮店のみとなりました💦

売上の主力となるブランドショップが撤退となると、百貨店は、ますます集客・売上ともに低迷してしまいます。


地方百貨店の苦悩、売上の主役はラグジュアリー消費へ!?

大都市の旗艦店が、インバウンドの訪日客や富裕層の旺盛な消費で過去最高の売上高をたたき出す一方、地方都市では閉店が相次ぎ、「百貨店ゼロ県」が増えています😓

富裕層を取り込める強い店と、そうでない店の格差は今に始まったことではありませんが、コロナ禍を経て、インフレが追い打ちをかけ、消費構造の変化で明暗がはっきり分かれ始めています。

大都市の売上はコロナ禍前の水準に戻りつつありますが、地方都市ではまだまだコロナ禍前の水準にすら達していません。

百貨店の売り場の多くを占めるのが、衣料品であり売上の主力でした。

しかし、衣料品は百貨店全体で売上減少の傾向にあり、地方百貨店では特に減少が顕著で、10年間でほぼ半減している深刻な状況です💦

現状、東武宇都宮百貨店も空きテナントを埋めるのに苦労しており、富裕層が利用しない(敬遠する)ようなショップすら誘致しないとフロアが埋められません😅💦


百貨店を中心とした再開発の道は険しい!

改めて指摘することでもないですが、地方百貨店の立地する地域の人口は大都市と比較して減少が著しく、過去10年で三大都市圏の人口はプラス1%、生産年齢人口(15~64歳)はマイナス4%である一方、地方については人口がマイナス5%、生産年齢人口がマイナス12%と大きな差がついています。

人口減少に伴い、地域全体の市場が縮小しています。

さらに追い打ちをかけるように、経済の軸である、中心市街地の変化が地方都市で起こっています。

JRの駅はかつての中心市街地から少し離れたところにある地方都市が多いのですが、現代はJRの駅が経済の中心となっているケースが増えてきていて、宇都宮市もその傾向が鮮明です。

政令市の札幌市では、「大通・すすきの」エリアが商業の中心であったのに、札幌駅近辺の開発が進み、現在では札幌駅に隣接する大丸が一番店となり、大通エリアにある丸井今井は経営不振により三越伊勢丹ホールディングスの完全子会社となっています。

また、マイカーの普及により、百貨店の新規顧客となり得るファミリー層は、車の利便性が高い郊外のショッピングモールを主に利用するようになり、百貨店離れが進んでいます。

東武宇都宮百貨店と同様に、地方百貨店の多くは建築後40年超経過しており、建物の老朽化が進んでいます。

本来であればライフスタイルの変化に対応した改装・建て替え・駐車場の拡充が必要ですが、それらができないまま競争力を失い、改装に必要となる原資を確保できず、さらに競争力を失うという悪循環に陥ってしまい、大量閉店へとつながっています😓💦

LRTが西側延伸するのは、早くても2030年で、これから深刻さを増す人手不足の影響を考えると、当初予定の2030年前半ですら開業できるか怪しいと思います。

売上の減少が続くなか、今から10年後も、東武宇都宮百貨店が今の状態で維持できると想像できますか?

街の変化や百貨店の業績を追っていくと、東武宇都宮百貨店は、再開発どころではなく、存続そのものが危ぶまれていることがわかるはずです😅


LRT乗り入れ再開発なら、多額の税金投入が必要か!?

すでに時代は、人口減少を踏まえたニューノーマルに突入しており、今までの常識は全く通用しなくなってきています。

もし、LRTを東武宇都宮線に乗り入れるとなると、最低限、東武宇都宮駅の大規模な改修が必要となり、多額の税金が投入されることになるのは目に見えています。

東武鉄道側は民間企業ですから、儲けにつながらなければ、話に乗ってこないのは当然です。

公共性が高いとはいえ、一民間企業である、東武鉄道の所有物に多額の税金を投入するとなると、かなりハードルの高いプロジェクトになると考えられます。

経済同友会が提案している素晴らしい再開発プランが実現することを期待したいですが、大きな産業誘致が期待できないLRT西側延伸の効果だけで、中心市街地に再び活気を取り戻すことは難しいと思います。

現実的な妥協点を考えると、LRTの乗り入れは長期課題とし、知事が以前発言していた、LRT停留所から東武宇都宮駅まで「動く歩道」整備し、結節点を改善することが精一杯でしょう😅

いずれにしても、公約を誠実に実行に移している、知事の姿勢は大いに評価できますし、住民全体の利便性向上に向け、交渉の行方を期待したいです。

しかし、結局はすべてコストの問題で、これから予想される経済状況を考えると、乗り入れが実現するとは、全く想像できません💦

にぎわいの先行指標でもある地価の動向は、東西の逆転がすでに起こっていて、たとえLRTが西側延伸しても中心市街地の復活は程遠いように思えます。

東武鉄道、栃木県、宇都宮市、3者でベストな落とし所を見つけてほしいですね😅

 

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