皆様、年末いかがお過ごしでしょうか。
今年2023年を振り返りつつ来年2024年度の不動産相場について今回は考察してみます。
止まらない都心不動産の高騰!
今年に入り、多くの方が物価の上昇を肌感覚で実感した一年ではないでしょうか。
一向に収まる気配のないインフレが世界中で進行しています。
長い間デフレに慣れてしまった日本では、急激な物価の上昇に戸惑っている皆さんも多いと思います。
不動産の相場はアベノミクスによって日銀が金融緩和を行ってから、大都市の都市部を中心に徐々に上昇し、値上がり傾向が続いています。
コロナ禍もあり、一旦相場は落ち着きましたが、コロナ禍終了に伴い、再び相場は上昇感を高めています。
東京23区の新築マンション相場はついに1億円超えまで上昇し、もはや一般サラリーマンの買える価格では無くなっています。
購入層として海外マネーの流入も顕著で、実需層には高嶺の花となってきています。
→東京23区の新築マンション 11月の平均価格 4カ月ぶり1億円超え(FNNプライムオンライン)
普通の分譲マンションが億ション化してしまい、ある程度収入のある夫婦共働きの返済でも購入が難しいのが現状です。
円安の影響も大きく、都心一等地は外国人に買い占められる状況が続いています。
実質賃金の低下で生活は苦しくなっている
物価の上昇以上に、賃金が上昇していれば問題はありませんが、現状では賃金は物価の上昇に全く追いついていません。
今年1年は、消費者物価と実質賃金の乖離が続いていることで、富裕層以外の一般の方々の暮らしは間違いなくインフレにより苦しくなっています。
必要な生活経費を差し引いた可処分所得が減っている影響が不動産相場にも徐々に出てきています。
いくら地価や建築コストが上がったところで、一般の方々の収入が増えなければ、マイホームを買いたくも購入できない人が増えてしまいます。
都心部以外の不動産は曲がり角に!?
外国人に需要があるのは大都市都心部に限られていて、大都市郊外や地方都市の物件はそれほど大きな値上がりを見せていません。
新築分譲の戸建てを大量販売するパワービルダーの在庫もここにきて増加してきています。
営業利益率を見ても大手3社とも減少していて、利益を減らして値下げしてでも在庫をできるだけ早くさばくために動いているのがわかります。
コロナ禍の好調な業績から一転して、新築戸建は値上がり続けた局面から、価格調整に入り、価格を値下げしないと売れない状況となっています。
都市郊外の物件では、反響ゼロが増加しているのと土地物件のみの反響が減少しています。
しかし、都心部のような立地のいい物件は変わらない需要を維持しています。
宇都宮市郊外の土地価格は調整局面に
一般的な100平米程度の木造住宅の建築コストはここ数年で300万円〜500万円も上がっています。
宇都宮市では人気エリアの一部地域以外はそれほど大きく地価の変動はありませんが、建築コストの上昇分だけ、新築戸建物件の価格は上昇しました。
徐々に上昇した建築コストでしたが、それでも実需があるゆえに、ある程度の価格までは順調に物件が売れていました。
しかし、ここにきて、急ブレーキがかかってきています。
インフレが深刻になるにつれ、可処分所得が減ることで、一般ユーザーが買える物件価格の上限に制限がかかってきているのは間違いないでしょう。
大口の買い手であるパワービルダーが土地仕入れを絞ることは、宇都宮市郊外の住宅地価に大きな影響を及ぼします。
物件を供給するパワービルダーの建築コスト削減には限界がありますから、そうなると2024年は宇都宮市郊外における土地の価格は値下がり圧力が高まると見ています。
建築人材の人手不足は今後ますます深刻なることは確実ですし、円安の影響や世界中で起こっている紛争の影響でインフレ傾向も止まることなく推移しそうなので、現状では建築コストが下がることは考えられません。
そうなると、地価が下がることで、実需が対応できる価格までが調整がはかられる可能性が高くなると見ています。
また、インフレが続く現状では、注文住宅の建築コストも同様に上がっていることから、宇都宮市郊外の土地のみ需要もマイナスにはたらく予想しています。
2024年に宇都宮市で注目の物件
建築コストの下押し圧力には限界があり、逆にさらなる値上がりの可能性が高くなっているので、俄然注目されそうなのは、程度の良い中古住宅だとみています。
建築コストが上昇する前に建てられた中古住宅は比較的割安感がある価格で販売されています。
賃金の上昇がないまま、インフレが酷くなる一方の状況では、実需も中古物件に向かわざる得なくなるでしょう。
リフォームの要らない程度の良い中古物件は限られていますから、割安な中古物件は今が買い時とも言えます。
LRT効果で人気の物件は相変わらず品薄
東京都心に限らず、宇都宮市のような地方都市でも一部のエリアはどんどん富裕層向けエリアとして開発が進んでいます。
特に昨今は、中心市街地の『住む街化』が顕著です。
下野新聞でも記事になっていますね。
→JR宇都宮駅西側にマンション続々 好立地、LRT延伸に期待 シニアや高所得者層狙う(下野新聞)
宇都宮市でも新築分譲マンションの販売価格を上昇を続けています。
もはや地元の中小企業にお勤めのサラリーマンの方では手が出ないような価格帯になっています。
新築マンション価格高騰にともない、宇都宮市内の中古マンション価格も上昇を続けています。
また、今年LRTが宇都宮駅東側で開通になったことから、沿線の不動産開発は活況を呈しています。
LRT沿線や中心市街地の住居系物件は、富裕層を中心に需要が旺盛なことと、インフレと共に投機資金も流れやすく、価格上昇傾向が継続するとみています。
宇都宮市のような地方都市では、ミクロ東京な動きで街の都心や一部の人気立地だけ不動産の値上がりが続く流れが継続し、市内では2極化が更に鮮明になっていくでしょう。
インフレは金融資産や優良な不動産資産を持つ富裕層には有利に働く傾向が強いですが、持たざる者たちにとっては、生活が苦しくなる一方です。
実質賃金がインフレに追いつくとは到底思えないので、貧富の差がますます拡大することになるでしょう。
そのため富裕層に需要のある物件は投機資金も流れやすいため、変わらず上昇圧力が継続すると予想します。
都心のマンション高騰に伴い、宇都宮駅徒歩圏エリアは都心へ通勤するサラリーマンの実需も取り込む流れが増加するでしょう。
来年の目玉はなんといっても、西口駅前の再開発マンションです!
→【JR宇都宮駅西口まで徒歩1分は首都圏!?】一押し分譲マンションの将来性とは!?
2024年もインフレはつづく
最後に、宇都宮市の2024年の地価相場を総括すると、地価が値上がりしている都心と人気エリアは値上がり継続傾向、地価が横ばいの郊外エリアはやや値下がりへと動くと見ています。
日銀が大幅な利上げに踏み切り、景気を悪化させることは考えにくいので、このままズルズルと緩和継続で貧富の格差が続いていく傾向は変わらないと思います。
来年も持たざる者にとっては、さらに厳しさを増す一年になりそうです。
個人的には、世界的にエネルギーや資源の問題から戦争が継続し、長期的にインフレ傾向が続くことは避けられないと予想しています。
現金資産を多く持つ皆様は、インフレで外貨含むキャッシュ全般が世界的に希薄化していく傾向が進みそうなので、実物資産へ分散を継続していくのが良策だとみています。
★荻原功太朗の業務について★
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