2021年10月30日土曜日

【隣人とのいざこざが解消!土地境界トラブルの救世主に?】法務省が新たな境界確定制度を検討!?

不動産は個人の財産として、その所有権を国が保証して使用・収益・売買・交換の自由を認めています。


そのような大切な財産として、不動産業者が売買の仲介をする場合には、査定の段階から地積測量図や登記識別情報・用途地域や路線価などを調査して、面積や境界、現状の状態など、将来的にもトラブルが発生しないように入念に調査します。




これらの調査内容は、不動産売買契約時においては重要事項説明書に記載され、説明されます。


ですが契約時の重要書類の一つである地積測量図は、存在していないことは度々あり、境界(杭・鋲)の目印が発見できない場合には、隣地との境を証明することができず苦慮することがあります。


そのようなケースでは、「登記簿に記載された大きさ=実際の大きさ」ではない可能性が疑われます。


ちなみに地積測量図とは法務局に備えられている図面の一つですが、1筆(不動産は、その単位を「筆」といいます)の土地における、測量図面です。


不動産をお持ちのかたであれば、一度はご覧になったことがあるかと思います。


このような地積測量図が存在しない土地の場合、新たに測量して登記簿に正しい面積を記載する「地籍更正登記」をするのがよいのですが、それなりの費用がかかります。


そこで、そのような費用をかけたくないかたに向けて、売買契約には「公簿取引」「実測取引」という2種類の取引方法が存在します。


前者は登記識別情報に記載されている大きさが正確であろうという推定のもと売買をする方式で、実測取引とは、売買前に確定測量図を新たに作成して、間違いのない大きさで契約する方式です。


どちらが良いかといえば、実測取引のほうが安心できます。


ですが公簿取引で取引をした後、買主が実測して面積が増減した場合には清算する特約を付けることが認められていることから、契約の主流は公簿取引による取引です。


大切な財産である不動産に、なぜ正確な面積を測量した地積測量図が備えられていないかというと、先ほど解説したように地籍更正登記に必要な費用がそれなりであるという点もありますが、地籍更正も測量も義務ではないからです。


ですから地積測量図が存在しなくても、直近で売買する予定でもなければ当面、困ることもありません(売買する場合にも、公簿取引にすれば測量しなくても大丈夫ですが……)


冒頭でも申し上げたように、不動産は大切な財産ですから、不動産業者としては機会を見て測量し、地籍更正登記を完了しておくことをお勧めします。


地積測量図が存在しない場合、もしくは測量技術が未発達の時代に作成された図面の場合には隣地との境界問題で揉める可能性が格段に高くなります。


それが顕著になるのが、相続が発生したときです。


相続税は、相続の発生から10カ月以内に現金で支払いをしなければなりませんが、延納しても支払いができない場合には、一定の条件を満たすことによる「物納」が認められています。


物納とは、不足している現金の代わりに不動産で税金を納めることですが、そもそも地積測量図が存在していない土地は物納することができません。


なぜかといえば、地積測量図が存在していない場合には、隣地境界が曖昧な状態であるから将来的にも相隣関係でトラブルになる可能性が高いことから、国としてもそのような土地は受け付けないという意味合いからです。


地積測量図には、下記のような内容が記載されています。


(1)地番と土地の所在
(2)地番
(3)基準点の凡例
(4)面積の計算法
(5)面積の結果
(6)測量した年月日


地籍測量図の歴史は古く、明治時代初期の地租改正から始まります。


その後昭和35年や昭和52年、平成5年と幾度かの法改正などで測量の技術や方法、図面の記載方法が変わり、さらに平成17年の法改正(平成18年1月より施行)以降で現在の形式になっています。


このように古くから存在する図面ですから、近年のものならいざ知らず、古い時代の地積測量図の場合には、測量技術の未熟さにより、大きさが合わないことが度々あります。


寸法が合わなければトラブルになりますので、そのような場合には土地家屋調査士に依頼して新たに測量し、隣接する土地所有者に境界を確認してもらい、正しく登記する必要があります。


このような登記を、地籍更正登記といいます。


地籍更正登記は、土地家屋調査士が以下のような手順で業務をおこないます。

 

1.    法務局等資料調査

2.    現地調査

3.    事前仮測量

4.    立合依頼(官を含め、全ての隣接所有者)

5.    立合

6.    測量

7.    図面作成

8.    隣地所有者からの承認印受領(確定測量図)

9.    登記申請


例えば上記の図の場合ですと、官1・民4で合計5名の立ち合いですめば楽なのですが、そのように都合よくはいきません。 

1筆の土地が複数で共有されていることなど普通にありますから、場合によっては10人以上への立ち合い依頼をすることになります。

 立ち合い依頼日に全ての所有者が集まってくれれば良いのですが、人それぞれ事情もありますし、居所が遠隔地である場合などは日程調整だけでも大変です。

さらに下記のようなケースでは難易度が上がり、その処理に要する手間や時間、労力により費用も跳ね上がります。

 ●地域区分(とくに都市部・農村部など)

●隣接地に赤道(里道尾)水路(青道)などの官地が存在している場合

●隣接道路が私道で、共有者が複数いる場合

●隣接地共有者の人数

●境界鋲の有無

●隣接地所有者が協力してくれない

●隣接地所有者が居所不明の場合

●面積広大地

●公共基準点からの距離


これらのなかでトップクラスで難航するのが、居所不明の場合です。

地籍更正登記をおこなうには隣地所有者の承諾が必須ですから、不明所有者の居所を探さなければなりません。

まさに探偵のような作業が必要になる訳です。

それでも探しきれなければ、どうするのか?

最後の手段として、法務局の登記官が筆界を定める「筆界確定制度」という方法が存在しています。

個人の財産である土地の境界を、官が代理で定める制度ですから申請の煩雑さも含め、申請してから平均して1年程度も必要ですし、それに伴う費用も過大であることから、土地家屋調査士も最後の手段としています。

このような理由から、隣地所有者が所在不明の場合には地籍更正登記をしない不動産が数多く存在し、「空き家問題」の解消や「相続登記義務化」における問題の一つであるとされています。

登記法が令和3421日に「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)として改正され、同時に「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(令和3年法律第25号)も改正していますが、この法律はどちらも所有者不明土地の「発生予防」「利用の円滑化」を目的としています。

 まず相続登記の義務化で、所有者不明等の「発生を予防」、そして同じ観点から法務大臣の承認を受けて土地の所有権を国庫に帰属させる制度を創設しました。

 次に必要とされるのが、「利用の円滑化」です。そのために所有者不明土地の管理に特化した所有者不明土地管理制度を創設するとしています。

これには財産管理制度のほかにも、共有者が不明の場合における共有関係の見直し、そして相隣関係規定の見直しが含まれます。


前置きが長くなりましたが、ここから法務省で検討されている、改正のポイントについて解説します。

単純に「筆界確定制度」の見直しです。

様々な面でハードルが高く、制度自体は知っていても実際に利用しようとは思わないのが現行制度です。

 このような有名無実化している法律を改正して、「境界確定」制度を新たに創設することにより、隣接地の所有者が居所不明であっても、「筆界確定制度」より実務的に簡易に処理できるようにしたのが、現在準備が進められている制度です

「境界確定」とは、土地の境界が明らかではない場合において、制度の定めにより法務局または地方法務局の長が指定する登記官が境界を確定する行為を意味しています。

これだけだと従来の「筆界確定制度」と変わらない印象を受けますが、内容は大幅に変更されています。

 まず、手続きの開始は所有者によるとしており、この場合における所有者とは「登記名義人のほか表題所有者または相続人、その他一般承継人」です。

 所有者からの申請により、必要があると認められる場合において境界確定手続きが開始されます。

 手続きが開始されると、遅滞なくその旨が公告されるとしています。併せて、隣接土地の所有者すべてにその旨が通知されます。

 これと同時に境界確定登記官が、境界確定委員会(仮称)にたいして、当該境界確定にたいして意見を求めるとされています。

 この境界確定委員会の創設が、法改正における最大のポイントだと言えるでしょう。

 委員会は法務局もしくは地方法務局に、委員3名以上で構成される予定となっています。

 委員については固定的組織ではなく、境界確定に関して必要な学識経験者(現在のところ弁護士・土地家屋調査士などを予定)を法務局または地方法務局の長が多数の委員を任命しておき、手続き事にその中から担当委員を指定して構成するとされていますので、裁判員制度をイメージすると理解しやすいと思います。

 委員会は、測量・実地調査のほか、土地の所有者や利害関係人に対して資料の提出を求めることや、質問を自らおこなう権限を有するとともに、調査官に命じて必要な調査をおこなわせることができます。

 またその他にも、必要があると認めるときには関係行政機関の長または関係地方公共団体の長にたいして、資料の提出や情報の提供、意見の陳述などの協力を求める権限が与えられます。

さらに調査の結果、関係土地所有者間に所有権に関しての紛争が存在していることが明らかになった場合には、当該紛争に関して調停をすることも認められています。

 委員会による意見の提出により境界確定登記官は遅滞なく境界確定を実施できることから、従来と比較して速やかな解決が期待されます。

 確定した境界に基づき、座標値や理由を付した境界確定書(仮称)図面が作製され、その旨が境界確定登記官により公告されます。

 これら手続きにより境界確定されると、登記簿及び地図上にも公示されます。

これは行政処分行為ですから、後から所在不明であった利害関係者が異議を唱えても、制度創設以降は民事訴訟による提訴はおこなえず、また行政不服審査法による不服申し立てもできません。

 唯一の方法として行政事件訴訟法の定めによる、取消訴訟等の抗告訴訟をすることができるとしていますが、覆すことは難しいでしょう。

この制度の創設により、隣地所有者が居所不明のために地籍更正登記を諦めていた方には、相応の手間が必要ではあるものの、従来よりも簡易に手続きをおこなうことが期待できます。


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2021年10月27日水曜日

【人が亡くなった事故物件の告知は賃貸オーナーに責任あり!?】人の死に関するガイドラインが示した方向性とは!?

事故物件という言葉はネットニュースでもたまに見かけますから、言葉自体はご存じの方も多いかと思います。


不動産における事故とは、建物の不具合や施工不良、建築中の人身事故などを指す意味合いではなく「人が亡くなった」物件を指します。



不動産取引に長く関わっていると、少なからずこの「事故物件」を取り扱います。


その際に、私たち不動産業者が一番に頭を悩ませるのが「伝えた方が良いか」「どう伝えるか」でした。


買主様や賃借人様の側から見れば、「人が亡くなっている家(部屋)を購入(賃貸)するのは嫌だなぁ」と思われるでしょうし、法的にはこのような心理状態を、「心理的瑕疵」と呼び、「建物購入(賃貸)の意思決定に及ぼす重要な事項」として、宅地建物取引業者による説明を義務としています。


ところが説明を義務とはしていても、説明の範囲や伝達する内容、また事案発生から何年たてば告知をしなくてもよいかなどが何も決められておらず、すべて業者の判断によるとされていました。


ですから事件性のない平穏な臨終を自宅でむかえても、人によっては「それ自体が嫌だ!!」という方もおられる訳ですから、説明しなければならない。


それも近年のことならまだ分かりますが、5年、10年と経過しているから説明しなくてもいいだろうと思っていたら「そんな話は聞いていない。知っていたら契約していなかった!!」と詰め寄られてしまう。


場合によっては訴訟にまで発展してしまいます。


そうなると事故物件には、手を出したがらなくなります。


それもこれも、判断の全てが不動産業者に委ねられていたから。


さすがにそのような状態を放置していれば、事故が発生して販売もできずに増加する空き家問題も増加しますし、高齢の方に部屋を貸す賃貸オーナーもいなくなってしまいます。


そこで、今回のブログで解説する「人の死の告知に関するガイドライン」が、令和3108日に国土交通省により制定されました。

ガイドライン制定前には、国土交通省が「不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会」を組織して、令和22月以降7回に渡り議論を重ねてきました。

最終的には本年56月に実施されたパブリックコメントを踏まえて制定されています。

それでは具体的に何が決まったか?

「事故物件の調査義務は、宅地建物取引業者にない」と、明確に定められたこと。

まず、これが一番の功績です。

皆さんご存じないかと思いますが、もともと法律では不動産業者にたいして事故物件の調査義務は定められていません。

ところがそれを明確に定める指針が存在していないことから、契約後に事故物件であることが発覚したら、先ほど解説したように

「そんな話は聞いていない。知っていたら契約していなかった。訴えてやる!!」となります。

そこで法律では調査が義務とされていないけれど、疑わしい場合にはインターネットで検索したり、近隣で聞いて回ったりなど調査する必要がありました。

ですが、インターネットや近所への聞き込みでも、その情報の信憑性と言えばどんなものでしょうか……

実際に調査しても、面白おかしく事実が改竄されていたり、記憶が曖昧で事実と異なっているものが大半です。

そのような確度の低い噂話のようなものでも、購入者(賃借人)が近所で聞き及べば契約後でも問題になりますから、調べて告知しなければならない。

不動産に関する調査は宅地建物取引業者の重要な仕事ですが、信憑性のない噂話のようなものまで調査するとなると、さすがに負担が過大です。

だから、手を出したくないという悪循環に陥ります。

前置きが長くなりましたが、ガイドラインで決定された事項を解説しましょう。 

  ガイドラインは、取引の対象となる不動産において生じた「人の死に関する事案」を取り扱う。 

  適用は居住用不動産に限定する(オフィスや店舗等は含まれない)

  人に死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、死亡原因や経過期間を問わずこれを告げなければならない。

この3つを前提として、告げなくてよいケースが明確になりました。


自然死・日常生活の中における不慮の死は告知義務がないとされました。

また賃貸取引限定ではありますが、事案発生から概ね3年で告知義務が不要とされました。

さきほど不動産業者には事故物件にたいしての調査義務がないと説明しましたが、それでは私たち不動産業者がどのようにして事実関係を知るのかいうと、売主や賃貸オーナーの「告知書」によるものとされました。

この場合の告知書とは、今後は様々な書式が出てくる可能性もありますが、ガイドラインでは「物件状況報告書」で告知すれば良いとされています。

物件状況報告書とは、取引物件の状況を売主(賃貸オーナー)が不具合や劣化状況について報告するための書類です。


報告書の中に「影響を及ぼす過去に起きた事件・事故等」などの記載欄がありますが、この書類で報告された内容を説明するだけです。

「え、じゃあ嘘をつかれたらどうなるの?」と思うかもしれませんが、この書類を記載してもらう際に私たちは

「事案の存在について故意に告知しなかった場合には、民事上の責任を問われる可能性があります」と、一言添えます。

一番、事案の内容を知っている売主(賃貸オーナー)に報告してもらい、私たちはそれを買主(賃借人)に説明する。

これで調査義務と、説明責任を果たしたことになります。

この明確に制定された「人の死に関するガイドライン」により、今後、物件取引が活性化されることに期待が持たれています。

「え、私は霊感が強いから法律の定めとは関係なく事故物件は嫌だ?」

困りしたねぇ……

このブログを読まれている方だけに、コッソリとお教えします。

ガイドラインでは「契約当事者が把握しておくべき特段の事情があると認識する場合には、告げる必要がある」とされており、事案からの経過年数や死因によらず説明しなければならないとされています。

つまり「私は事故物件に棲むのは絶対に嫌だから、この物件にそういった過去にありませんでしたか?」と、質問することです。

この場合には、たとえ自然死で告知不要とされていても「特段の事情」と解されますから、不動産業者には説明する義務があると考えられます。

もっとも、お客様の真意をどのように受け止めるかは、業者次第ではありますが……。


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2021年10月22日金曜日

【驚くべき所有者不明の土地面積とは!?】あなたの財産が勝手に取られるかもしれない不動産登記問題とは!?

ブログでも何度か解説していますが、2024年の登記義務化に向けて、政府は着々と外堀を埋める準備を進めています。

不動産登記の義務化は、現在においても増え続けている放置空き家も含めた「所有者不明土地」の問題を解消することが目的です。

ブログを書くにあたり、この所有者不明地が、どれくらいあるか調べてみました。

一般財団法人_国土計画協会内に設けられた「所有者不明土地問題研究会」による、2017年12月の最終報告書によると、約410万ヘクタールでした。

410万ヘクタールと言われても、ピンとはきませんよね。

ちなみに九州本島の面積が約367万ヘクタールです。

つまり……九州本島よりも大きな面積の土地所有者が不明なんです。

さらに……

このまま放置を続けると

なんと2040年には720万ヘクタール、つまり

「北海道本島に近い面積が所有者不明地になる!!」と報告書で試算結果を公表しています。

悠久の自然に囲まれた、でっかいど~北海道ですよ。

それとほぼ同じ面積が所有者不明になるとは……


さて、本題に入ります。

日本に存在する土地や建物の全てには、国有地や市有地なども含め、必ず所有者が存在します。

つまり誰の持ち物でもない土地や建物は存在しない訳ですが、土地や建物に名前を書く訳にはいきませんから、公に所有者を分かるようにしてあげないと勝手に空き家に住み着いて「ここは、俺の家だ!!(これを第三者占有といいます)」なんて人が出てきてしまうのです。

国は不動産を重要な財産であるとしてその価値を保証していますが、それが登記であり、その登記を管理しているのが法務局です。

ですから全ての不動産には地番(建物の場合は家屋番号)が割り振られ、登記簿が存在しています。

あまり登記簿に馴染みのない方もおられると思いますから、簡単に説明しておきます。

基本的に登記簿は表題部・権利部(甲区)・権利部(乙区)で構成されています。

表題部には所在地(地番)が記載されています。

つまり場所ですね。

そして、権利部(甲区)には、所有者の住所と名前が記載されています。

権利部(乙区)には所有権以外の権利、分かりやすく説明すると、住宅を購入するときには大半の方が住宅ローンを組まれるますが、銀行はその不動産に「お金を貸していますよ」ということを誰が登記簿を見ても分かるように記載します(この場合は抵当権といいます)

乙区に記載される権利には、抵当権以外にも賃借権や質権、根抵当権など様々な種類が存在しますが、長くなるので割愛します。

話を戻しますが、登記簿は誰もが自由に、どの場所でも所有者の許可なく法務局で申請し取得することができますが、これも国が不動産を保証する意味で、場所や大きさ、所有者やその不動産を担保にお金を借りているかどうかを分かるようにするためです。

ですから、登記簿に記載されている内容は正しくなければならない。

当然ですよね、そうでなければ登記の意味がなくなります。

ところが……

この甲区(所有権)に記載されているはずの所有者が正しくない。

その数はなんと、622,608筆中(不動産の数は「筆」と表現します)125,144筆、つまり約20.1%になります。


つまり5件に1件が、所有者不明なんですね。

「所有者不明?」でも、「所有権のところに名前が記載されているじゃないか」と、お思いになるでしょう。

確かに名前が書いてあるのですが、その住所に訪ねていっても住んでいない。

郵便物を送付しても、宛先不明で返送されてくる。

登記簿に記載されている方が、すでにお亡くなりになっている。

なぜこんなことになっているのでしょう?

放置すれば2040年には全国津々浦々の合計面積が北海道と同等の大きさで所有者不明となり、治安悪化や国土荒廃、土地取引の停滞等が起きてしまうのにです。

その理由が、所有権の登記が義務ではなかったからです。

 法格言に「権利の上に眠る者を保護せず」なんて言葉もありますが、これは「所有権を登記しておかなければ、悪い人に不動産を乗っ取られても自業自得だからね。国は、そのような人は保護しませんよ」と言うほどの意味です。

多少難しい表現になりますが、登記をしなければ所有権を主張できませんから、第三者にたいする対抗要件を具備しません。

 ですから、万が一他人に占有されても対抗要件をもたないなどの不利益はあっても、メリットがありません。

 なのに、なぜ移転されていない所有者不明地がこれだけの面積に及ぶのか?

 それは所有者不明地の多くは、「相続未登記の連鎖がネズミ算的に拡大した結果」だからです。

相続未登記の理由には、「面倒くさいから」「知らなったから」なんて理由も一部では存在しているようですが、多くは相続で揉めているからです。

「相続」で揉めることを、士業の間では「争続(あらそいぞく)」なんて言葉で表現しますが、相続が争続化する原因のほとんどが、相続対策を生前から行っていないことです。

特に、相続財産が現金や有価証券など按分しやすいものではなく、不動産に偏っている場合には争続化しやすいと言われています。

専門家の間では「現金と不動産のバランスが悪い」と表現します。

一筆の不動産を複数の人で所有する場合には共有持ち分となり「法務甲太郎_持ち分5分の1」などと権利部(甲区)に記載されますが、あくまでも不動産全体の中において持ち分を所有しているに過ぎず、「ここからここまでは私の敷地だからね!!」なんてことは言えません。

だからモメるのです。

「現金」を相続してるのであれば、取り分で揉めることはあっても、1円単位まで分けることができるので比較的に問題があっても解決しやすいのですが、不動産の場合には現金化(売却)するにも共同持ち分全員の同意が必要です(実際は持ち分だけでも売買できますが、争続化している持ち分を購入する人はいないでしょう)

つまり争族化していると、誰かが反対していると売却ができません。

さらに相続人が亡くなった場合には、浮いたいた相続持ち分が相続されて細分化されます。

そうなると、解答のない算数の問題みたいに迷宮化して手が付けられなくなります。

不動産において所有者が誰が誰やら分からないぐらいにもつれた状態、つまり「相続未登記の連鎖がネズミ算的に拡大した結果」です。

とはいえ、登記義務化はカントダウンに入りました。


登記は義務化され、従わなければ過料が欠かせられます。

政府も漏れ落ちが無いように外堀を固めています。

もつれた糸を解くには時間が必要です。

急いで、準備が必要です。

相続関連法に詳しい不動産業者に相談すること、まずはそこから動き出しましょう。


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2021年10月18日月曜日

【変化を遂げる街並み_宇都宮駅東口開発事業】高度医療施設の全容が明らかに!?

下野新聞SOONに、宇都宮駅東口整備第1弾と称して「宇都宮脳脊髄センター・シンフォニー病院」が12月1日に開業するとの記事が掲載されていました。


高度専門病院 12月開業 脳卒中など対応 宇都宮駅東口整備第1弾(下野新聞)


高度専門診療科目に該当する、脳卒中などの脳神経系疾患に対応するとのことです。



私の知り合いの医療関係者から聞いた話によりますと、日本だけでなく世界のセレブを相手にするような高度医療を提供する病院のようです!


隣接する街区での高級ホテルの開発がコロナの影響もあり、見通しが立たないことは残念です。。(T_T)


この高級ホテルについて誤解している方も多く、ネット上などでは『宇都宮市に高級ホテルはいらない。』などの声もありましたが、、そもそも勘違いです。


一般の方向けというより、むしろこちらの病院に宿泊するセレブな外国人を含む患者さんや家族を受け入れるための利用をかなり想定した施設のようです。


高級ホテルがないと海外や遠方からの患者さんの宿泊先が一般のビジネス&シティホテルのみとなり、セレブ患者へのアプローチが弱くなり、病院の価値もフルに発揮できなくなります。


いずれにしても、高度医療施設の開業が目前なので、早くホテルの着手も粛々と進んで欲しいものです。



個人的な話で恐縮ですが私は小説を読むのが趣味で、医療系の小説も好んで読みます。



テレビドラマなどで何度も映像化された名作、山崎豊子さんの書かれた浪速大学における教授戦も絡め、野望に燃える外科医・財前五郎と医療にたいして純朴な里美修二の、二人の医師を対照的に描いた名作「白い巨塔」はもちろんのこと。


大鐘稔彦さんの書かれた、優秀な外科医である当間鉄彦を主人公として小説(映画化もされましたが)「孤高のメス」の一連のシリーズも楽しく読ませていただきました。


最近の医療系小説では「チーム・バチスタの栄光」などを書かれた、海堂尊さんの一連の小説も好んで読んでいます。


ご存じの方も多いと思いますが、作者である海堂尊さんは現役の医師です(孤高のメスを書かれた大鐘稔彦さんも同様ですが)


現役の医師だからでしょうか、海堂尊さんの小説では主人公が「医療崩壊」というセリフを頻繁に使います。



とくに財政破城した北海道の夕張市をモチーフにしたであろう、極北市という架空の町の市民病院を舞台にした小説極北ラプソディー」では、病院再建請負人として院長に赴任してきた主人公_世良雅志に何度も「医療が崩壊したら町が滅ぶ」という趣旨のセリフを言わせています。


長寿社会といわれる昨今、確かに医療は私たちにとって身近になければ困る存在であり、ましてや専門性の高い高度医療機関はなおさらです。


そのような意味合いから、宇都宮東口再開発地域に高度医療施設が開業されるのは、大変、喜ばしいことです。


ところで……


皆さんは、脳神経系疾患とはどのような病気や症状を扱うのかご存じでしょうか?


自慢にもなりませんが、医療系小説が好きだと明言しておきながら、私は知りませんでした。


そこで、せっかくの機会なので調べてみました。


脳神経系疾患(内科)の主な疾患とは


●脳出血

●脳梗塞

●中枢神経系感染症(細菌・真菌・寄生虫・ウィルス感染症病理)

●神経細胞性腫瘍

●骨膜腫

●脳・脊髄の発生異常

●アルツハイマー

●パーキンソン病(PD)

●筋萎縮性側索硬化症(ALS)

●レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)

●大脳皮質基底核変性症

●進行性核上性麻痺 

●大脳皮質基底核変性症 

●重症無力症

●ギランバレー症候群


まだまだありますが、聞いたことがある病名や初めて聞くもの。


病名からおおよその症状が推察できるものと、そうではないものなど多数です。


あらためて一言で脳神経系といっても、様々な症状や治療法が存在するのだと思いました(当然なのでしょうが)


いうまでもなく私は不動産屋で、医療の専門家ではありませんので宇都宮脳脊髄センター・シンフォニー病院が、どのような専門診療を手掛けるのかまでは分かりませんが、少なからず加齢とともに罹患率の高まるアルツハイマー型認知症などでお世話になる可能性があります。


そのような存在が、身近にあるとやはり心強いのには間違いありません。


下野新聞記事中でも、宇都宮市駅東口整備事業室のコメントとして

「高次機能を持った病院ができることで、都市拠点としての機能が充実する。地区の知名度が高まり、人を引き付けるエリアになれば」との言葉を掲載していました。


確かにそうです。


東口整備事業では、国際的なシンポジウムにも対応できるセレモニーホールを始め、宿泊施設としてのホテルやそれに伴う飲食施設などが相次いで開業されますが、人々の健康を担う医療施設もまた、スマートコンパクトシティ構想には欠かせない存在です。


LRTの運行により都市部と、宇都宮市が誇る石文化や風光明媚な自然が結ばれることにより、私たちの暮らしがより豊かになっていくことでしょう。


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