高齢者のマイカー運転による悲惨な事故が後を経ちませんね😓
→埼玉 熊谷 小学生 車にはねられ意識不明の重体 84歳容疑者逮捕(NHKニュース)
赤信号を無視し、横断中の児童に車を突っ込む事故とあって、日本中で話題になっています。
被害者、加害者家族双方の気持ちを考えると、気の毒で言葉も出ないです。。
宇都宮市内でも危ないと感じる高齢ドライバーに出会う機会が、明らかに増えているのを実感します。
昨今は、高齢者が運転する車で悲惨な事故が増えていますから、なぜ危険だとわかっているのに、「脱マイカー」をしないのかと疑問に思う方も多いと思います。
しかし、宇都宮市のような地方都市でも郊外エリアは公共交通の便が悪く、容易に「脱マイカー」に舵を切れないのが現実です。
免許を返納してほしいと家族は考えるが・・
この事故で、車を運転していた84歳の男性は「現場の先にある信号が青で、それと見間違えた」という主旨の話をしているようです。
事故当時、青信号の横断歩道を7人の児童が渡っていました。
前方に小学生の集団がいたのに、、なんと!現場にブレーキ痕は残されていませんでした💦
加害者の84歳の男性は、子どもにとって危険な道路の拡張を訴えるなど、交通安全意識の高い人物だったようなので、注意はしていたでしょうが、年齢による注意力と操作の遅れが大きく影響したと推察されます。
加害者は、今年3月に免許証を更新したばかりでしたが、家族からは「免許証を返納してほしい」と言われていたといいます。
しかし、わかってはいるけれど、、免許を手放す決断はなかなかできない事情があるのは公共交通の充実していない地方の現実です😓
「脱マイカー」で不便を感じる割合は過疎地ほど高い!
内閣府が行った、免許を自主返納した高齢者の調査があります。
調査は、都市部や過疎地など地域別に行われました。『自主返納して良かった』と感じている人は以下のようになりました。
都市部:87.5%
地方都市:79.4%
過疎地:67.4%
その他:80.4%
過疎地でも7割位の方が、脱マイカーを行って良かったと感じているようです。
理由としては「自動車の維持費用が掛からなくなった」「家族等にかける心配を軽減することができた」などが挙げられています。
しかし、、一方で『脱マイカーにより不便を感じているか』という質問に対しては?
都市部:25.0%
地方都市:37.5%
過疎地:60.5%
その他:40.7%
公共交通機関が充実している都市部に比べて、過疎地ではなんと半数以上、60%以上の方が不便さを感じています。
宇都宮市でもバス便の悪い郊外は過疎地同様に、6割以上が「脱マイカー」で不便さを痛感することになるのは間違いないでしょう。
国は免許返納後、公共交通機関の利用を推奨しているが・・
内閣府の、自家用車を使用した場合と公共交通機関を使用した場合、どちらが【経済的な負担が多いか?】という調査を見てみると興味深い結果が!
都市部
バス利用:約24万円 負担減少
鉄道利用:約26万円 負担減少
過疎地
バス利用:約101万円 負担増加
鉄道利用:約95万円 負担増加
タクシー利用:約89万円 負担増加
マイカーを利用していた時と比べて、都市部では、公共交通機関を利用すると20万円以上、負担額は減ります。
しかし、、公共交通の不便な過疎地では、どの公共交通機関”を利用しても「脱マイカー」することで経済的な負担はかなり大きくなります!
バスの場合は、100万円以上も負担が増えることになります。
しかも、待ち時間や移動に要する時間も地方ほど増えることになり、金額以上に移動への負担が大きくなります💦
地方で「脱マイカー」が進まないのも当然と言えます。
都市部では、で移動時間が多少増えたところで、金銭的な負担が減ることになるので、「脱マイカー」がスムーズに移行しやすいのはわかりますが、公共交通の不便な地方では、移動に伴う時間負担にプラスして、金銭的な負担がマイカー以上に急増することから、この問題の根深さが浮き彫りになっています。
一定年齢での免許剥奪は非現実
こういった、悲惨な事故のニュースが出るたびに、「一定の年齢になった高齢者から免許を剥奪するべき」といった意見を多く散見します。
しかし、マイカーを取り上げた後にどうやって、その人たちの移動手段を確保するかの議論は深まっていません。
地方ほど、目的地までの移動距離が長いため、歩いたり、自転車や、セニアカーでの移動は現実ではありません。
結果的に、不便な地方では、鉄道かバスかタクシーしか、「脱マイカー」の代替手段になりませんので、移動するのに時間もお金の負担も急増することが避けられず、危険と感じつつも、生きていくために運転を続けざる得ない状況があるのです。
昨今は、鉄道やバスも減便・廃線が相次ぎ、タクシーもなかなか捕まらない地域が増えていて、地方での「脱マイカー」が一層困難になりつつあります。
そのため、当然の帰結として、不便な場所ほど免許を返納しようと考えている人は減り、返納を考える年齢も高くなります。
都道府県別の自主返納率も、マイカーの代替公共交通が充実した都市部ほど高くなっています。
「脱マイカー」から、公共交通の利用を促すためにも、宇都宮市が推し進める、ネットワーク型コンパクトシティ構想を早期に実現する必要が高まっています。
ネットワーク型コンパクトシティが実現に近づくほど、高齢ドライバーの悲惨な交通事故も減らせることにつながります。
公共交通を利用する際の、移動時間と移動料金、双方の負担を軽減できれば、「脱マイカー」への移行もスムーズに進みやすくなります。
多少乗り換えの手間が増えても、輸送力のある基幹公共交通に広域的な移動を担うことで、移動コストは大きく軽減されます。
身近な基幹公共交通との結節点までは、バスやデマンドタクシーで本数を増やし移動時間の負担も減らすことが期待されます。
宇都宮市がLRTでまちの東西を基幹公共交通としてつなぐ目的も、沿線の住民のメリットだけでなく、街の郊外に住む方々が、安く、便利に、街の各拠点に移動できることも視野に入れた、大きな目的だと理解できるはずです。
マイホーム選び、ロケーションは重要!
宇都宮市も新たな基幹公共交通として、LRTが開通し、沿線は建設ラッシュに沸いています。
しかし、沿線は人気に伴い、地価が上昇し、一般的なニューファミリーには高嶺の花となりつつあります。
割安な物件を求めて、公共交通の不便な場所にマイホーム購入する方々も増えています。
過去ログ→【宇都宮市のコンパクトシティへの道は険しい!?】インフレでニューファミリーは誘導外エリアへ移住!?
予算の問題もあるでしょうが、多少手狭で古い家や中古マンション暮らし、車も一家1台でファミリーシェアするような、ライフスタイルを受けいいれば、低予算でも便利な都心部周辺にマイホームを購入することは十分可能です。
若いうちは、将来自分がマイカーに乗れない時代が来るなんて、想像もつかないでしょうが、悲惨な事故の加害者になるかもしれないリスクや、移動できなくなるリスクを考慮することは重要です!
今起こっている、高齢者の危険運転の問題も、運転に不安を感じてきた段階で、積極的に公共交通の便利な場所に引っ越してもらえれば解決も容易なのですが、年を重ねるほど環境の変化を嫌い、移住は難しくなるものです。
また、今後は不便な場所ほど地価下落に拍車がかかり、マイホームが売るに売れない負動産になり、移住できないリスクも高まっていくと予想されます。
宇都宮市でこれからマイホーム購入を検討するなら、宇都宮市が指定する居住誘導区域内の物件を選択しておけば、末永く安心して暮らせる可能性が高いので、是非考慮してください🙌
★荻原功太朗の業務について★
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