【住宅高騰の悲しい現実・・😢】話題の50年払い住宅ローンは退職金で返さず〇〇で返す!?

2023年8月20日日曜日

t f B! P L

日本に限らず、世界中でインフレが加速し、それに伴い、不動産価格も上昇しています。


もともとバブル気味だった中国などの一部の国では価格下落も起こっていますが、」それほど値上がりをみせていなかった日本では、コロナ禍が終わって以降、首都圏を中心に急速に不動産価格が高騰し始めています。


前回お伝えしたように、もはや東京23区内の新築マンションは一般サラリーマンが購入できる価格の限界を超えています。


そんな状況のなか、話題になってきたのが、、


住宅ローンの50年払い!


時世への対応が早いネットバンクが大体的に低金利50年ローンの取り扱いをPRし始めています。


→住信SBI、住宅ローン最長50年に 住宅価格高騰に対応(日本経済新聞)



高騰する住宅価格に対応するための苦肉の策となりますが、果たしてどうなのでしょうか?



今回は50年払い住宅ローンを考察します。



このローン商品が出てきた事自体は『住宅高騰対策』としての側面が大きいです。

『住宅高騰対策』として支払期間を伸ばすことは妥当な方法なのでしょうか?


今までは多くの金融機関が、住宅ローンの返済期間を最長35年、完済時の年齢を最大80歳としていました。


そのため60歳や65歳で定年退職を迎えたあとも、住宅ローンの返済を継続する人は少なくありません。


国土交通省の調査によると、住宅を購入した世帯主の年齢と、住宅ローンの返済期間の平均値は以下の通りです。



世帯主の平均年齢と返済期間の平均を足し合わせると、完済時の年齢は約73〜78歳となります。

現状の35年ローンですら、定年退職後も住宅ローンの返済を続ける人は、少なくないといえる状況です。

ここから更に支払期間を15年プラス延長させると考えると、かなり若いうちにローンを組まないと50年ローンは現実的ではないですね。

実は以前のバブル期にも50年ローン商品が有りました!

が、しかし、、

親子リレーローンという形式で返済期間50年タイプでしたが、利用は進みませんでした。

理由はまだ若い子世代に長期返済のローンを組ませることを躊躇した親世代が多かったからです。

先程示した、国交省のデータでも完済時の平均年齢は定年退職後になっていて、老後の返済負担を軽減するために、退職金で住宅ローンを繰り上げ返済する方も多いのが現状です。

しかし、、50年ローンともなると残債が退職金だけで完済できないケースも出てきてしまうでしょう。

それも当然で、毎月の支払い負担が減る分、トータルの支払金額が増えてしまうからです。

固定金利のフラット50、フラット35の例で比較してみましょう。

【シミュレーション例】
・借入額:4000万円
・返済方法:元利均等方式
・ボーナス払い:なし

フラット50にすることで月々の返済額が減らせますが、同じ借入額でも総返済額はフラット35の場合よりも1000万円以上も多くなってしまいます。

結果的に、4000万円のマイホームを、5000万円で買う(35年ローン)、6000万円で買う(50年ローン)となるのが現実です。

やっぱりローンを組まずに購入できるお金持ちは強いですね。

長期の時間軸でみれば同じマイホームに、2000万円も多く支払っていたら先にお金を持っている人たちにいつまでたっても追いつけませんし、格差は広がる一方です。


また住宅ローンで一般的な元利均等返済では、ローン残高が多い返済当初は利息の支払いが多く、返済額に占める元金は少なくなります。

そのため、ローン残高が減りにくいというデメリットがあり、35年支払いを続けてもまだ残債が相当残ることになります。

退職金で一括返済できないケースも想定され、そうなると、、

住宅ローンの王道は「退職金で返す」から「死亡保険で返す」に移っていきそうです。


バブル期に親子ローンの利用が進まなかった背景を考えると、話題の50年住宅ローンが広く普及するとは考えにくいです。


また、昨今の住宅ローンは変動金利が主流となってますが、どう考えても50年低金利が続くことにかけるのはリスクが大き過ぎます!


せっかく長期間まじめに返済していても、金利上昇で家計が破綻してしまっては結局、銀行だけを儲けさせることになりかねません。


また、家の耐用年数が50年未満なのに、対応年数超えのローンはいかがなものかと思います。


長期優良住宅でも、定期的なメンテナンスは必須です。


そのため、住宅ローン以外のマイホームの維持費も相当必要になります。


と、デメリットばかりで私個人としてはまったくおすすめできないのですが、唯一、50年ローンでの勝ちパターンもないわけではありません。


50年住宅ローンのハッピーエンドはあるのか?


このままインフレが止まらない状況になると確信があるのなら、50年住宅ローンも悪くない選択となります。


インフレが更に続くなら、今の価格よりどんどん住宅価格が高くなり、途中で売却しても利ざやが残るか、ローンを完済できるからです。


またインフレが続くだけでなく、日本全体の賃金が大幅に上昇していく必要があります。


ただ単に国民全体の賃金が上がるだけではダメで、物価上昇に負けない程度の実質賃金の上昇が必要です。



実質賃金が上昇しないと、そもそも生活が困窮してしまい、ローン破産リスクも激増します。


だから、バランスよく賃金と物価の上昇が続くことがハッピーエンドの前提になるでしょう。


そう考えると、長期にローンリスクを負うことのメリットはどうしても見いだせないです。


そもそもいくら長期優良住宅が普及したところでい、日本の住宅は使い捨て感覚が一般的で、50年持たせるなら相当メンテナンスコストが必要でしょう。


マイホーム購入に長期ローンや変動金利を利用することは、博打要素が大きくなりますから、余裕を持った計画を立てることが重要でしょう。


私個人としては、見栄をはらずに身の丈にあったマイホームで、固定金利、できるだけ繰り上げ返済して、心理的負担を減らしていくほうが、身体的にも健康効果があると思うので、そちらをオススメしています。


★荻原功太朗の業務について★

私、荻原功太朗(宅建士・不動産コンサルティングマスター)は資産家の皆様を対象とした、投資物件の限定情報のご紹介、コンサルティング業務を担当致しております。不動産売買のご相談についても、ご指名頂ければ対応させて頂きます。
【私個人へのコンサルティング依頼はすべて有料とさせて頂いております。】

栃木県内の不動産売買のことならお気軽にご相談下さい。
(無料相談はサンプランにて受付ております!)
詳細はこちらにお電話ください→【028-908-0880】

↓ 株式会社サンプラン ↓
↓ 不動産最新情報 ↓


このブログを検索

自己紹介

自分の写真
宅建士・不動産コンサルティングマスター。株式会社サンプランの荻原功太朗が運営。日々の不動産業務や宇都宮市の動向に関するブログ。

人気の投稿

QooQ