「宇都宮氏」は宇都宮市の書き損じではありません。
鎌倉時代、鎌倉幕府の要職であった宇都宮市の地名ともなった方の名前が「宇都宮氏」なのです。
もっとも宇都宮市は、蝦夷(えぞ)平定のため足を踏み入れた豊城入彦左命(とよきいりひこのみこと)がその開祖といわれており、これを祀ったニ荒山神社の門前町として栄えたと言われています。
当時の宇都宮は池や沼が多く、そのため「池辺郷」と呼ばれていたそうです。
その池辺郷から宇都宮に地名が変わる歴史に、藤原宗円と、その孫である藤原朝綱が関係してくるのです。
下野新聞SOONで、そのような宇都宮の歴史を紐解く企画展「鎌倉殿と宇都宮氏」が、宇都宮市教委主催で行われているとの記事が掲載されていました。
大河では目立ちませんが… 鎌倉幕府を支えた宇都宮氏の歴史 掲載記事はこちらからは
記事のタイトルで「大河では目立ちませんが……」とされているのは残念ですが、これは現在、放映中である人気俳優 小栗旬さん主演のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で主要な御家人の13人に含まれていないからです。
ご覧になっている方も多いと思いますが「鎌倉殿の13人」は、田村正和(故人)さんが演じた人気ドラマ「古畑任三郎」や「王様のレストラン」のほか、映画では「ラジオの時間」や「THE有頂天ホテル」などの脚本・演出・監督・俳優などマルチな才能で有名な三谷幸喜さんです。
面白くないはずありません。
主人公は小栗さん演じる鎌倉幕府ニ代執権の北条義時。
時は鎌倉、源平合戦の華やかし頃。
鎌倉幕府誕生をきっかけとした、権力の座を巡る権謀術数(けんぼうじゅつすう_策略を巡らせ人を欺き、たくらむこと)を駆使して暗躍する、ニ代将軍頼朝の13人の家臣たちにスポットをあて物語がつくられています。
劇中では大泉洋さん演じる源頼朝の影響を受け、時に冷酷そして大胆に、試練を乗り越え成長する北条義時の姿(最終的に北条義時が最高権力者にまで上り詰めます)が描かれています。
宇都宮氏は劇中の13人には入っていませんが、もともと執権北条氏とつながりは深く、源頼朝(みなもとのよりとも)との縁もあった幕府を支えた主要な家臣の1人です。
冒頭で解説したように宇都宮市と縁が深いのは藤原家です。
近江国(現在の滋賀県)石山寺(諸説あり)の座主だった藤原宗円が、前九年の役で源頼義が苦戦を伝えられた時に、奥州(現在の岩手・福島・宮城・青森と秋田県の一部)まで不動明王座像を抱えて祈願に出向き、それにより戦を勝利に導いたとして功績が認められ池辺郷(宇都宮)の地を与えられました。
その後、藤原宗円は下野国一宮(現在は宇都宮市馬場通り1丁目1-1)の、宇都宮初詣スポットとしても有名な宇都宮ニ荒山神社の社務職(神社の社務を統括する最高責任者)となります。
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