コロナ渦以降、お家時間の増加により一気にブームが加速した「感」のあるアウトドアブームですが、それによりキャンピングカーとすれ違う機会が多くなったような気がします。
キッチンやトイレ、シャワーにベッドなど不自由なく生活できる大型のものから、水回り等をなくし、ベッドと最低限の家電を備えたワンボックスカーを改造した小型タイプまで、キャンピングカーには値段もさることながら様々なタイプが存在しています。
すれ違う際、車のナンバーを見ると北は北海道から南は沖縄まで、様々なところから宇都宮に旅してこられたことが分かります。
車両価格はけして安いとはいえませんが、移動しながら各地を旅行して歩く生活にある種の「憧れ」を感じてしまうのは私だけではないでしょう。
ところでキャンピングカーと混同されることも多いトレーラーハウスについてはどれくらいご存じでしょうか?
アメリカ映画などで良く見かけるトレーラーハウスですが、日本では事務所や季節販売のアイスクリームショップなど簡易店舗として利用されているケースをまれに見かける程度で、そこに居住しているケースを見かけることは多くありません。
そもそもトレーラーハウスは家なのでしょうか、それとも車なのでしょうか?
キャンピングカーとの違いは一体、何なのでしょうか?
まず家か車かについては「どちらにもなる」という説明になります。
何と「あやふやな……」と思われるでしょうが、理由は後ほど詳しくご説明いたします。
その前に、キャンピングカーとの違いについて説明しておきましょう。
キャンピングカーはベース車が小型バンやワンボックスカー、トラックの改造であろうがあくまでも自走できる車と一体になった車両です。
それにたいしてトレーラーハウスは自走する機能を持ちません。
車輪のついたシャーシの上に、2×4構造で造られた建物が載せられているのが一般的です。
自走できませんので移動には牽引車が必要となりますが、重量が750kgを超えると牽引免許が必要になります。
用途により様々なタイプが存在するトレーラーハウスですが、750kg未満となれば小型車以下の重量ですから、それなりに生活する設備を備えたトレーラーハウスの場合、牽引免許を所持していなければ、キャンピングカーの用に日本各地を自由に旅して周ることはできません。
ですがシャーシの上に載せられているとは言っても、立派な小型の「家」ですから、快適性についていえばキャンピングカーよりトレーラーハウスに軍配があがるでしょう。
キャンピングカーは車両込の価格であるから当然なのですが、居住面積や設備で比較しても割安です。
グレードや大きさにより様々なタイプが存在するトレーラーハウスですが、新築で¥500~1,000万円前後で販売されています。
中古販売も多く、その場合には新築の半額程度で取引されていることが多いようです。
ちなみにキャンピングカーはキッチン・トイレ等に使用する水は、設置されたタンクから供給されますが、トレーラーハウスは給水・排水・電気などを引き込むため簡易に接続できるアダプター等が組み込まれており、設置場所にライフラインが整備されている前提において、一般住宅と変わりなく生活することができます。
ガスについてはプロパンに限定されてしまいますが、それでもカセット・コンロや簡易電気調理器具と比較すれば本格的な料理にも対応できます。
さて話を戻しますが、トレーラーハウスが「家」か「車」かについて説明します。
建築基準法では土地に固定されている建築物を「建物」とみなします。
ですから家の機能を充分に備えていても、車輪のついたシャーシのまま固定されている状態においては「家」ではありません。
車両となります。
車両ですから建物としての固定資産税はかからない訳です。
ただし基礎工事を実施し、シャーシから降ろしてそこに固定すれば「家」となります。
当然に建物についての固定資産税が必要となるのですが、その変わり、固定した土地が自己所有地である場合には居住用宅地として固定資産税評価が軽減されます。
つまり土地の固定資産税が安くなるのですね。
シャーシに載っている状態ではこの軽減税率は適用されず、土地の固定資産税が高くなります。
どちらが良いかについては、土地の固定資産評価や移動の頻度なども含めて検討する必要はありますが、電気やガス等の接続に関してはどちらも問題なく行えます。
ちなみに住民登録についてですが、一定期間その場所で居住するという前提は必要ですが、どちらの状態でも登録は受け付けられます。
JR駅周辺を中心に土地価格が上昇している宇都宮ですが、少し郊外にいけば100~200万円前後の土地も多く、水道などのインフラ整備された土地が思わぬ価格で売り出されていることもあります。
駅までの距離や買い物などは不便かもしれませんが、中古のトレーラーハウスとこのような比較的安価な土地の組み合わせで、総体的な金額は抑えられるでしょう。
多少不便でも風光明媚な場所で「狭いながらも楽しい我が家」として暮らすのも良し、またそのような場所で隠れ家的な別荘を所有するのもまた心躍る行為ではないでしょうか?
郊外の土地は固定資産評価も低く、居住用の軽減税率が適用にならなくてもそれほど高額な固定資産税を負担するもともありませんから、いつもで移動できるようシャーシに載せたままでも良いでしょう。
アメリカ映画などでよく見るトレーラーハウスですが、日本においては簡易店舗や事務所などに利用されるのが一般的で、居住用としてはまだまだといったところです。
ですから中古などは値段も手頃ですし、内外装ともに良好な「掘り出し物件」が見つけやすいという利点もあります。
トレーラーハウスの中古物件は、インターネットで検索するとそれなりの数が確認できますので、興味があれば一度、調べてみてはいかがでしょうか。
★荻原功太朗の業務について★
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。