大手不動産ポータルサイトの一角である「アットホーム」は、不動産情報サイトとして全国的に知られ、中でも賃貸情報サイトで掲載されている不動産会社の数としては全国1とも言われており、TVコマーシャルも行われていることから聞き覚えのある方も多いでしょう。
アットホームは定期的に様々なアンケートや集計結果などをプレスリリースしており、私達、不動産業者も参考になるデータであることから私自身、注目をしているのですがつい先日、全国のアットホーム加盟店を対象に実施した調査結果をもとに、
『不動産のプロが選ぶ!「2022年上半期 問合せが多かった条件・設備~賃貸編~」ランキング』が発表されました。
もともとの記事は下記のリンク先から確認できますが、アンケート結果について私が個人的に解説をしていきたいと思います。
詳細はこちら→不動産のプロが選ぶ!「2022年上半期 問合せが多かった条件・設備~賃貸編~」ランキング
まずは設備等についてですが
第1位に選ばれたのが、単身・ファミリータイプも含め「インターネット接続無料」です!
コロナ禍により一気に広がりを見せたテレワークですが、日頃の生活においてもインターネットはなくてはならない必需品となりました。
最初から回線が引き込まれ、さらに使用料無料であることが賃貸住宅を選ぶ優先順位になっているのですね。
第2位は「駐車場」です。
ファミリータイプなら分かりますが、最近の傾向として若い方は「車」を所有する意識が低いと聞いていたのですが、エリアによっては公共交通機関の利便性もよくないケースがあるからでしょうか?、単身タイプでも駐車場付きを望まれるようです。
もっとも宇都宮市のように、これからLRTが運行され公共交通機関の利便性がさらによくなるような地域では、今後は必ずしも必須条件にならないようなエリアも出てくるでしょうが、まだまだ地方ではマイカーはマストなアイテムの一つです。
第3位は「オートロック」でした。
セキュリティーに関しての要望は、持ち家でも年々上昇していますから納得できる条件です。
それ以降は表の通りですが、第4位に「モニター付インターフォン」が選ばれるなどセキュリティーに関しての要望が増加していることが見受けられる一方で、防犯カメラはなぜだか第10位でした。
洗面所独立や追い焚き機能などは昔、上位だったと思うのですが最近ではそうでもないのですね。
続いて、賃貸を探しているお客様からの要望などについてのランキングです。
「家賃を下げたい」が第1位でした。
昨今の物価高騰を考えればうなずけるのですが、立地がよく築浅の物件は総じて家賃が上昇していますから、家賃を下げるとなれば現在、居住している物件よりも条件を下げるしかありません。
なかなかに苦しい要望ですね。
続いて第2位は「今よりも部屋数を増やしたい」でした。
これはテレワークの普及により、小さくてもよいから専用の部屋が欲しいという要望が購入を検討する場合にもよくあげられますから、そのような関係と無縁ではないような気がします。
おウチ時間の快適性を望む傾向が多くなったのは、ある意味で良いことなのでしょう。
第3位は「転勤のため」ですが、これは必然に迫られてのことですので特段、コメントはしません。
それ以降は表のとおりなのですが、設備の豪華さ(第10位)よりも「防音性を上げたい」という要望が第8位にランクインされているのは興味深いことです。
表の中の但し書きで(木造からRC造にしたい等)と記載されていますが、確かに隣との「音」に関して言えば一般的な木造よりもRC造の方が遮音性も高いのせうが上下階に関して言えば、必ずしもそうではありません。
実際にマンション等の騒音トラブルなどを見ると、隣よりも上下階の「音」による問題が多いような気がします。
よほど隣との界壁(隣家と接する壁のことです)が薄い場合を除いては、TVのボリュームを下げたり、話す声のトーンを下げるなどで漏れる「音」を減少させることはできすのですが、居室内を普通に歩いているだけで階下に「音」が響く建物なんかも実際にあるのです。
部屋の中で歩かないなんてのは無理な話ですから、この上下間の「音」の問題は頭の痛い話です。
総体的に賃貸住宅よりも分譲のほうがスラブ厚(床の厚みのことです)が厚いと言われていますが、床スラブを厚くするにはコンクリートの量などが増加して建築費が増加しますから、やはり賃貸と分譲では「差」がつきやすい部分です。
賃貸の場合には投下した建築費をできる限り早く家賃で回収したいですから、必然的に建築費を下げたいものです。
そうすれば建物の性能としては分譲タイプのほうが高くなるのも道理です。
階下に聞こえる音としては「ドスン」と響く重量衝撃音と、スプーンなどを落とした時の「コーン」という軽量衝撃音がありますが、前者はLL等級、後者はLH等級として床衝撃音に関して表示されます。
もっとも床の防音性能を表す建物性能やフローリングは、Lで表されます。
Lに対応する数字が低いほど防音性能が高いことになります。
あくまでも目安ですが比較的に新しい分譲マンションの場合でL45~50前後の等級で、一戸建ての場合にはL50~55等級といったところでしょうか。
軽量鉄骨などの賃貸や木造アパート等の場合、L55等級以上が普通でL60を超えているものも数多くあります。
防音性能を高めるための工事は、幾つかの方法がありますが分譲などの場合を除き賃借人がそのような工事を実施することはできません。
ですから現状の性能で、いかに階下に「音」が響かないようにするか考える必要があります。
もっとも費用をかけず効果を期待したいのであれば毛足の長い絨毯(じゅうたん)を敷くとよいのですが、夏は見ているだけで「暑苦しく」、また毛足に絡みついたホコリなどを取り除くのが手間であることからあまり人気はありません。
そこで防音性の高いマットなどを敷くことをオススメします。
このような商品はホームセンターなどでも様々な種類があり、価格もバラツキがありますが費用を抑えたいのであればジョイントマットでも代用は可能です。
滑り止め防止のシートの上に必要な枚数のジョイントマットを組み合わせ、見た目を整えるためお手持ちの薄手絨毯などで目隠しします。
踏んだ感触は「フワフワ」して何とも頼りない感じもしますが、この柔らかさが「音」を吸収してくれていると思えば我慢もできるでしょう。
もちろん目隠しのために敷くのは絨毯に限らず、床用のCF(クッション・フロア)シートなどでも大丈夫です。
通販では1巻あたりでサイズは幅1.82m×長さ10mの単位で下記のような値段帯を中心に販売されていますが、ホームセンターなどでは必要な長さだけカットして売ってくれます。
下に敷くジョイントマットはポリエチレンやコルクなそ素材により金額も変わりますが、色目などを気にしないのであれば6帖一部屋分でも¥5,000円~で手に入れることが出来るでしょう。
リサイクルショップならさらに半額以下で販売されている場合もありますから、コマメに覗いてみるのも良いでしょう。
今回は不動産のプロ、つまり不動産業者の社員による目線でのアンケートですから実際の要望とは合致していない部分もあるかもしれませんが、こだわる部分について妥協する必要はないと思いますが、ちょつとした工夫で補える部分についてはアイディア次第で何とかなるものです。
賃貸住宅を選ぶ際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
★荻原功太朗の業務について★
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