【マイホームの太陽光発電搭載義務化で意見が割れる!?】損しないためにも搭載を検討する前に知っておくべき内容とは!?

2022年7月24日日曜日

宇都宮市でマイホームを 不動産ビジネスあれこれ

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東京都の小池都知事が新築住宅に「太陽光発電搭載の義務化」を発表したことにより「載せる・載せない」で意見が対立し、建築業界や有識者も交え議論が交わされています。



不動産の経験が長く太陽光発電の原理や世界的な傾向、メーカーごとのモジュール(太陽光パネルのことです)スペックの違いや買取金額の変動など、少なからず太陽光発電の初期から学んできた人間の意見としては、


「充分に検討してメリットがあると思うなら、載せたほうがいいですよ」というスタンスです。




そのような観点から言えば、義務化は「いかがなもの?」との思いはあります。

(あくまでも個人的な意見ですが・・)


テレビ番組やYou Tubeなどでも度々、「東京都の太陽光発電搭載義務化」にたいしての討論番組が放映されており、タイミングがあえばできる限り観るようにしています。


ゲストや出演者によって参考になる番組もあれば、「小池都知事が嫌い!」というアンチ小池派により、命題であるはずの「なぜ搭載を義務化するのに至ったか」などの議論をおざなりにされ、「いまさら載せてもモトが取れない」といった、番組の構成自体がゆがめられているのではとの印象を受けるものが数多く見受けられます。


「モトが取れる」といった発想で考えれば、太陽光モジュール(パネル)+パワーコンディショナー+モニターの3点セットの料金にプラスして、現在は売電価格も低い(10kw未満:16円/kwh)ですから、自己消費のためには蓄電池も最初から設置した方が良いですし、搭載後のメンテナンス費用や、最終的な撤去費用まで含めて考えなければなりません。


さらに屋根にパネルを載せるのであれば住宅耐震等級も2等級以上(耐震等級は1~3まであり、数字が増えるほど耐震性能が高くなります)は欲しいところです。


残念ながら、太陽光発電システムを販売している会社の多くはシステム料金だけのシミュレーションしかしていません。



それを見れば何となく10年少々で「モトが取れる」と思ってしまいますが、住宅性能の引き上げ分や処分費用などの諸々まで含めれば


「モトが取れる計算にはなりません」


先程、解説したように太陽光搭載を検討する前には、少なくても省エネ基準や耐震等級の引き上げなど住宅性能を優先し、家庭でのエネルギー消費量を削減(断熱性能が上がれば、冷暖房費に必要なエネルギーは低くなります)した状態で、次に「創エネ(太陽光発電など)を考える」を検討するのが正解です。


この点、東京都は性能の引き上げと太陽光搭載の両方を義務付ける内容で検討しているので、正しい方向性だと言えるのですが……。


ただし「義務化」という表現が先行しており、それにたいしての反発があるのでしょう。


擁護(ようご)する訳でもないのですが、東京都は「年間棟数200棟以上の施工している業者に対して義務化」を検討している状態です。


全ての工務店ではなく、いわゆるパワービルダーのみが対象とされているだけで、それほど建築件数の多くはない会社に一律で義務付けを検討しているわけではありません。


ですから太陽光を載せたくない方は、大手業者に依頼しないという選択肢もあるのです。


そのような詳細を理解している方々が議論を戦わせるのが本筋で、そうではない知識人やインフルエンサーなどがむやみに「反対」を唱えるのはいかがなものかと思ってしまいます。


冒頭で「充分に検討してメリットがあると思うなら、載せたほうがよい」と、個人としての考え方を書きました。


相談があれば売電金額や助成金などの現状も含めて、


1.地球温暖化は疑いようがないほど進んでいること。


2.電気料金をはじめとするエネルギー使用料金の価格は、今後も高騰を続ける可能性が高いこと。


その防衛策として「自己消費のために創エネ(太陽光発電を始めとして自らエネルギーをつくること)にはメリットがあります」というスタンスでお客様にも説明しています。



ただし載せる・載せないはあくまでも個人の判断です。


モトが取れる計算にはなりませんから。


その点で東京都の場合「義務化」としたことに反発の根底にあるのでしょうか。


擁護する訳ではないのですが東京都の設置義務化は「年間棟数200棟以上の業者に対して義務化」と、いわゆるパワービルダーが対象とされているだけで、年間10棟など、それほど建築件数の多くはない会社に一律で設置を義務付けするとはされていません。


太陽光を載せたくない方は、そもそもその業者を選ばないという選択肢もある訳です。


ですが番組によっては、消費者に「一律義務化だ!」と誤解されるニュアンスで報道されています。


「エコハウスのウソ」などを執筆され、太陽光発電なども含め先進的な研究をおこなっている東京大学・大学院工学研究科建築学専攻建築研究学講座を主催される前准教授は、執筆以外に国土交通省による再生可能エネルギープロジェクトに参画されるほか、全国各地でセミナーを実施するなど業界の有名人であり個人的にも存じ上げています。


東京都の太陽光発電設置義務化に関し「太陽光発電についての一考察」という題名で、下記リンク先にコラムを書かれています。


住宅・建築物の脱炭素サイトはこちらから


なんでもコラムを読まれた方から、1000件以上の否定的コメントが寄せられたのだとか。


それ以外にもアメーバTVのアベプラ「ひろゆきと考える、太陽光発電って実際どうなの?」という番組では、ひろゆきの他、ゲストが招かれ連続猛暑日による電力逼迫を背景として、太陽光発電義務化は「得する・それとも損する?」といった内容で議論されていました。


番組の冒頭でひろゆき氏は「国からの補助金がなければ赤字が確定する太陽光発電を、なぜ載せなければならないんですか。そんな分かりきった議論をまだやっているの?」と手厳しいものでした。


確かに補助金ありきで「モトをとる」という考えあれば、おっしゃるとおり。


番組では掃除やメンテナンスについても活発に意見が飛び交っていました。


たとえば


「屋根に上がって清掃ができないよね」


「表面が汚れて発電効率が下がりますよね」


「台風なんかでパネルが飛んで、近所に迷惑をかけたら補償はどうなるの?」


などなど……。


番組では何となくウヤムヤになっていたようなので、私が解説しておきます。


まずパネルの清掃ですが、基本的には不要です。


屋根の上で断続的に雨にあたるのでほこりも洗浄されているからです。


もちろん雨だけで頑固にこびりついた表面の汚れまで落ちないでしょうが、メーカによるシミュレーションや実際に搭載したパネルを測定した結果によれば、出力低下は25年間で9.6%程度のようです。


年0.38%程度の低下率ですから、この程度であれば無視してもよいレベルです。


次に台風などでパネルが飛んで被害が生じた場合。


パネルに限らず屋根瓦などが飛んだ場合や塀が倒壊した場合も同じですが、責任は所有者にあります。


台風などは自然災害に分類されますので、そのような場合、不可抗力であるとして住宅総合保険などの損害賠償とされない可能性があります。


ただし損害賠償が発生した場合には「日常生活賠償特約」や「個人賠償責任保険」などの特約があれば、保険適用ができる可能性があります。


太陽光パネルを搭載する場合には、住宅総合保険の特約内容も含めて検討しておくのが良いでしょう。


結局のところ住宅性能や耐震性、売電・買電の金額やメンテナンスそして撤去費用など様々なことを検討して、そのうえで「搭載するかどうか」を考える必要があるのでしょう。



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私、荻原功太朗(宅建士・不動産コンサルティングマスター)は資産家の皆様を対象とした、投資物件の限定情報のご紹介、コンサルティング業務を担当致しております。不動産売買のご相談についても、ご指名頂ければ対応させて頂きます。
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