7月14日、宇都宮西口南地区市街地再開発準備組合が、西口の地権者11名により設立されました。
組合は地上20階、地下1階の複合ビルを、2025年完成を目処として本格的に活動を開始します。
再開発される区域は複合ビルの底地(建物の建築される土地部分)約0.2ヘクタールです。
宇都宮駅西口の再開発について事業計画されたのは遡(さかのぼる)こと42年前です。
その間におこったバブル崩壊など様々な影響により、ずいぶん長らく停滞していましたが、やっと具体的に進むことになります。
先行して工事が進められている東口再開発事業が市民はもとより、全国的に注目を浴びていますから、「この機に乗じて一気に!」進めたいところです。
東口は再開発により県都宇都宮の玄関口としてふさわしい駅前空間に生まれ変わりますが、西口はある意味で出来上がってしまったエリアになっており一気に手を入れることはできません。
出来上がっているといっても、あまり良い意味ではありません。
ご存じのように、デザインや形状も統一されていない派手な看板が目立つエリアとして完成されているからです。
道路使用に関しても状況が良いとは言えず、バスやタクシーがロータリー前で渋滞するのはいつものことですが、歩道も自転車と歩行者が入り交じることが常態化しており、高齢者や子供が安心して歩くことができないのが現状です。
ロータリーには乗り場も多く、目的地への路線を探すのに宇都宮市民でさえ迷うことがありますから観光客ならなおさらでしょう。
また、無秩序に乱立した宣伝看板も駅前の景観を悪くしており、西口の風景は、腹立たしくはありますが某雑誌で「ひどい景観25選」に選出されたことがあるほどです。
自然と都市の融合を目指す宇都宮としても「何とかしなければならない」エリアとされていますし、市民からの評価も手厳しい。
個人的には雑多な「アジアの街」の風景が好きですから、西口の昭和ノスタルジーを感じさせる景観は好きなのですが、各方面からの指摘を聞けば一般受けしづらいことは納得できます。
コンベンション施設である「ウツノミヤ テラス」の会議などに参加した人の流れが、積極的に西口方面へ流れていくことが想像できないからです。
使いやすさと上質さを兼ね備えたランドマークである東口のイメージと、ずいぶんことなる風景だからです。
宇都宮市としても、駅を中心として全方位に人の流れを作りたい。
そんな背景もありましたが、今回、再開発が決定された区域が、LRTの西側延伸計画に影響を与えない位置関係であることから、宇都宮市も昨年の4月に都市計画を決定しました。
今回の組合設立に関しては、下野新聞SOONでも記事にされています。
掲載記事はこちらから
宇都宮西口再開発計画は全体としてA~Eまでが計画されています。
今回、準備組合が手がけるのはE街区です。
写真で見れば、下記のような景観なのですがご存じのように現在9店舗が営業中です。
組合ではすでに店舗に対し移転等も含めた説明を開始しているとのことです。
新たに建築される複合ビルの敷地面積は約1,300㎡とされていますが、地上20階のビルのうち1~3階までが飲食店を中心とした商業フロアとする予定となっています。
4階以上については総戸数101戸の分譲マンションとする予定となっていますから「宇都宮駅徒歩1分のタワーマンション販売開始」なんて広告が、近いうちに見られるのでしょう。
コロナ禍による影響で資材高騰が指摘されていますから、一体、分譲価格はいかほどになるのでしょう。
事業協力会社は旭化成レジデンスとのことですが、「東京圏を中心として販売する」と報道されているのを見ると、高嶺の花といった価格帯になりそうな予感がします。
せめて「少し頑張れば手が届く」ぐらいの価格になればと思うのですが……。
今回の再開発計画は前述したようにE街区だけですが、「この勢いに乗り西口全体まで」と、本格的な議論が進みそうです。
2019年に西口周辺の課題を検討するため宇都宮共和大学・作新学院大学の学生によるプラットホーム研究プロジェクトとして、詳細な現地調査が実施され宇都宮市に調査結果と提案がされています。
この提案書は宇都宮市のホームページでも確認できますが、解消すべき課題のほか、将来的に望まれる「姿」についての提案として報告されており、その中でも興味深いのがJR金沢駅東広場と西広場の成功事例です。
なんと金沢市は2011年のアメリカ旅行雑誌「トラベル&レジャー」web版で企画された「世界で最も美しい駅14選」に、日本で唯一選ばれているからです。
その時の1位はベルギーのアントワープ駅ですが、このレベルになると世界的にも知る人ぞ知る駅です。
このような世界の名だたる駅の中で金沢駅が第6位にランクインしているのですから、宇都宮市も負けてはいられません。
金沢駅の特徴ですが、伝統芸能に使用される「鼓(つづみ)」モチーフとした門が象徴としてデザインされた意匠性が高く評価されています。
また内部についても天井をガラス張りにするなど、和と近代建築のコントラストが高いデザイン評価を受けている理由です。
そのような駅の美しさも特徴ではありますが、注目すべきなのが駅前広場の配置です。
駅を出てからの歩行者動線が一直線です。
その歩行者動線である空間を「出会いと賑わいの創出エリア」としており、バリアフリーはもちろん幅員も広く、歩行路でありながらベンチを両サイドのいたるところに設置するなど、公園的な広場としての要素も併せ持っています。
渋滞防止のため、歩行路の左右にたいしバスターミナルとタクシー、そして一般駐車場を分離して配置しています。
この配置からは歩行者を最優先とするコンセプトが明確で、公共交通機関を利用する人も位置的な関係を把握しやすくなっています。
宇都宮東口駅も駅前利便性を追求しながら人々がくつろげる空間の演出がされていますが、ロータリーの位置的関係から宇都宮駅西口も同様の方向で、配置計画まで含め検討されることでしょう。
現在までのところ、そのような具体的な計画まで聞き及ぶことはできませんが、宇都宮駅全方位が美しさと実用性を兼ね備え、街のブランド力アップに期待したいものです。
駅の再開発が進むとともに、LRTの西側延伸も気になるところですよね。
一時の勢いもコロナ騒動でだいぶ衰えしまいましたが、駅西への延伸ルートは確定しています。
パルコの跡地もそのまま放置され、活気を失っている中心市街地にはLRTはなくてはならないインフラです。
また、東武宇都宮駅とJR宇都宮駅をスムーズにつなぐことで街には計り知れない経済効果があります!
是非、早期の延伸を望みたいところですが、宇都宮市の都心部まちづくりビジョンからでは、桜通り十文字まで区間は目標が2030年とだいぶ先になっています。。
たかだか3Kmの区間でしかも、線路は道路に敷設する区間であることを考えるともっと早い段階での開通を目指していただきたいものです。
中心市街地の活性化起爆剤として、LRTの西側延伸が早期に実現することにも是非期待したいです。
私、荻原功太朗(宅建士・不動産コンサルティングマスター)は資産家の皆様を対象とした、投資物件の限定情報のご紹介、コンサルティング業務を担当致しております。不動産売買のご相談についても、ご指名頂ければ対応させて頂きます。
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