【悪徳不動産業者が横行!?簡易査定VS正式査定!】やっぱり査定金額は違うの!?

2022年7月29日金曜日

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不動産に限らず、必要項目を入力するだけで簡単に査定金額を確認できるインターネット簡易査定システムを利用される方が増加しています。


もっとも多いのは「自動車査定」でしょうか。


年式・車種・走行距離を入力するだけで簡単に金額が算出されます。




不動産については、さすがに自動車よりは入力箇所が多いもののサイトによっては「10~60秒で査定完了!」と広告しています。


そのような「簡易査定金額で売れる」と思う方はそれほど多くないと思いますが、取りあえずの相場観として金額を知るには良いかもしれません。



ただし、その金額で売却することが可能かと質問されれば「難しいかも知れません」と答えます。


近隣相場は目安以上のものではないからです。


私が不動産コンサルをしていることから「簡易査定ってどうなの?」と質問されることはよくありますが、「近隣相場を知る、という意味では面白いでしょう」と答えるようにしています。


簡易査定システムを利用されたことのある方もおられると思いますが、入力を求められる基本情報は、近隣相場の情報を抽出するためとしては「理」にかなっています。


物件種別、つまり土地・マンション・戸建のどれかを選択し、ついで当道府県・市町村・町名・延床面積・土地面積・築年数などの情報を入力するよう指定されますから、これらの情報により成約事例等と紐づけ事例を引っ張りだすことができます。


想定売却価格は「〇〇万円~」といった感じで表示されるはずです。



システムによって金額を算出するために利用するデータは違うと思いますが、一般的には過去の不動産売買データと紐づけ近似値を表示するのではないかと思います。


昔で言えば(最近でもありますが)電話で「〇〇町の土地は坪単価どのくらい?」と問い合わせるようなもので、条件がことなれば価格も変わりますから目安としての価格帯を答えるしかないのと一緒です。


「電話でお答えできるほど簡単ではありませんから、詳しい内容を……」とお話しても

「いいから、金額を教えて!」と言われてしまう。


しかたがなく「そうですねぇ坪20~30万円ぐらいで取引されているようですが……」などとお答えしますが、その金額で売り出せるか(売れるかも含めて)といえばそんなことはありません。


そもそも、土地の査定ひとつでも大きさや地型(土地の形状のことです)、間口や奥行きはもちろん土地に対する接道状況や道路の幅員、建ぺい率や容積率に影響を与える用途地域、それ以外にも建築協定の有無やハザードマップによる水害等の危険性、近隣嫌悪施設の有無や生活利便施設や最寄り交通機関までの距離、さらには公示価格や路線価、固定資産税評価額に日当たりなど、これ以外にも多数の調査を実施して初めて査定金額を算出できるのです。




最近は求められた条件を入力するだけで、比較的簡単に査定書を作成できる不動産業者向け「査定書作成システム」なんてのもありますから、査定書の作成もずいぶんラクになりました(ラクになったといっても、手を抜いている訳ではもちろんありません)


ところが専門知識を有している営業マンと経験不足の営業マンでは、同じシステムを利用しても査定額に「差」はでるものです。


そのあたりを少し詳しく説明しておきます。


まず査定額についてお話をすると、一般的な不動産業者による正式査定(訪問査定ともいいます)で提示される金額は「おおむね3ヶ月を目安として販売できる金額」です。


査定額とは「その金額で売れますよ」ということではなく、「売れる可能性の高い金額」ということです。


あたりまえの話ですが、不動産によらず「物」には適正な価格があります。


購入する側とすれば同じ性能やデザインであれば安いほうが良いですよね(特定ブランドのロゴマークが印字されていなければイヤという方は除いて)


不動産も同じです。


流通相場よりも安ければ、それほど時間をかけなくても売れます(事故物件など、特殊な事情が存在するものは除いてですが)


ですが、売り主は「少しでも高く売りたい」というのが人情です。


私達、不動産業者は3ヶ月いないに売れる見込み金額、つまりは査定額を提示してから、売り主様の事情や希望を聞きながら調整し、最終的に売り主様の判断により販売金額を決定します。


あくまでも不動産の仲介業者は、判断するための情報を提示して必要な助言やアドバイスを行い、購入や売却のための「お手伝い」をする仕事なのです。


判断する材料を提示するのですから、そのような情報は正確でなければなりませんし、助言する場合においても明確な根拠が求められます。


先程、「物には適正金額が……」とお話しましたが、明らかに高いのにわざわざ購入する方はいませんよね。


ところが「査定依頼は複数の会社に依頼して比較するのが大切(これは事実です。ただ2~3社までにしたほうが良いと思いますが……)と、5~6社にたいし同時に査定依頼をお願いしたら(一括査定サイトなんかはこれですね)、ほとんどの会社は似通った査定額なのに、なぜだか1社(2~3社のこともあるでしょうが)他社とは違う高値の査定をしてくることがあります。


「どうして他社より高いのですか?」と質問すれば


「当社は圧倒的にこのエリアに強く、しかも広告による認知度も高いので他社様とは違い……」なんて言葉が続くと思います。


ですが、そんな訳ありません!



上場して全国展開しているかどうかなどは、販売金額になんの関係もありません。


確かに全国展開する大手は認知度も高いですから、問い合わせ件数も多いでしょう。


また広告宣伝費等も潤沢ですから、同条件の物件であれば販売スピードが早い可能性は高まるでしょう。


ですがそれは価格が適正であることが前提です。


不動産業界の慣習を漫画にした「正直不動産」がNHKでドラマ化され、注目を浴びましたがその中で出てきた業界の悪しき慣習の一つに「物件の囲いこみ」があります。


どこよりも高い査定金額を提示し、先程、解説したようなトークで「ウチならこの価格でも売れますから安心してください」と言って専属や専任媒介契約を締結します。


媒介契約とは「売ってください・売らせていただきます」を約束した内容の、れっきとした契約です。


契約期間の区切りは締結から3ヶ月間ですから、その間は他者に重ねて依頼することはできません。


相場よりも値段が高いと問い合わもなく、ほとんど動きが出ない状態になります(大体は業者も積極的な販売活動を行いません)そして頃合いを見計らって「頑張っているのですが反響がありません。つきましては販売価格を見直した方が良いと思うのですが……」なんて言われ、結局、相場まで価格を下げる提案をされます。


それなら適正価格で販売を開始して一気に売却した方が余計な時間をかける必要は無かったでしょう。


このような方法が「囲い込み」の代表的な例です。


どうしても段階的に価格を見直さなければならないことや、買主が値引き交渉をしてくることもありますから、必ずしも売出し価格で契約できるものではありませんが、「囲い込み」は売り物件欲しさの業者が行う常套手段です。


もっとも宇都宮市内の業者であからさまにこのような手法を用いる会社の存在は耳にしませんが、首都圏の業者には多いみたいです。


冒頭にあげた簡易査定システムは利用する方にとっては便利ですが、提供している業者側としては問い合わせに繋げるための手段なのですね(悪い意味ではありません)


結局のところ、不動産は地域に根づいて街を知り、正直な商売で社歴を重ねてきた業者が一番、安心できるということではないでしょうか?


★荻原功太朗の業務について★

私、荻原功太朗(宅建士・不動産コンサルティングマスター)は資産家の皆様を対象とした、投資物件の限定情報のご紹介、コンサルティング業務を担当致しております。不動産売買のご相談についても、ご指名頂ければ対応させて頂きます。
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