今年は梅雨明け宣言の前から、夏の到来を待たず連日、日本各地での「連続猛暑日」報道が目に付きます。
気象庁の定義によれば35℃以上の日を「猛暑日」、30℃以上の日を「真夏日」と呼ぶらしいのですが「夏本番はこれからだというのに一体……」と思ってしまいます。
コロナ禍が収まらぬ現在、照りつく太陽の下をマスクをつけて歩くのは呼吸困難にもなりますし、ともかく「煩わしい」ものです。
何よりも炎天下のマスクは、熱中症のリスクが高まります。
経験のある方も多い熱中症ですが、重度の場合には「死」に至ることもあるのですから軽くは考えてはいけません。
医療機関によれば熱中症の症状にはⅠ(軽度)・Ⅱ(中等度)・Ⅲ(重症)の3段階あるらしく、症状は以下のとおりです。
●Ⅰ(軽度)
めまい
立ちくらみ
こむら返り(筋肉のけいれん)
手足のしびれ
気分不快
●Ⅱ(中等度)
頭痛
吐き気や嘔吐
体のだるさ
力が入らない
●Ⅲ(重症)
高体温
意識がない
全身の痙攣(けいれん)
呼びかけに応じない
まっすぐに歩けない
当然、ステージが上がるにつれ不測の事態が起こりうる可能性が高まります。
このような熱中症を防止するにはこまめな水分補給と体を冷す(日影などで体を休める)ことです。
とはいえ東京都心部での連続猛暑日が6月の観測史上最長記録を更新するなど、つい最近では2020年に高梨市が23日連続の猛暑日により、それまで大分県日田市が持っていた連続記録を更新しています。
このような連続猛暑が全国各地で観測されるのは、地球温暖化の影響なのだろうかと思い気象庁のデータから最高気温についての傾向を調べてみました。
過去歴代10位以内の記録に、お気づきになるとおり2018年以降が7件もランクインしています。
過去からの観測史上ですから、近年の情報だけではありません。
スポーツの世界記録更新とは違い、2018年以降で7割がランクインなんて記録は喜ばしくありません。
このようなデータをみるだけで、地球温暖化による影響が連続猛暑と無関係であると考えにくい状況です。
政府は広報を通じ「会話のない屋外でのマスク着用は不要」としていますが、周りに誰もいなければ良いのですが、他人が近くにいればマスクを外すのもはばかれます。
外していれば「なんでこの人、マスクを着用していないの?」なんてジロリと睨(にら)まれたりします(つい先日も、妙齢のマダムに睨まれました……)
屋外であっても、心情的に外して歩けないのが現状です。
とはいえ「暑い!」
熱中症の危険性については先ほど解説しましたが、屋外ばかりではなく室内での「熱中症」も危険です。
周りの目よりも命の危険のある熱中症を防ぐためマスク着用はそろそろ見直すべきでしょう。
特に小さなお子さんは自分で症状の自覚を報告できないことも多いので注意が必要です。
日影である室内で「なぜ熱中症に?」と思われるかもしれませんが、総務省消防庁によれば2017年以降、熱中症の発生場所は「3~4割が敷地内を含む住居で発生」しているから驚きです。
室内の熱中症においては温度もさることながら湿度にも注意が必要とのこと。
湿度が高いと熱中症リスクが高まるといわれているからです。
室内における熱中症の予防には遮光性の高いカーテンやシェードで日射を防止して、エアコンや扇風機を併用(へいよう)しながら快適な温度と湿度を保ち、こまめに水分補給することが有効です。
とはいえ、省エネタイプが主流であるとはいえエアコンの電気代が気になります。
さらに電力が逼迫(ひっぱく)した場合には、経済産業省から「電力需給逼迫注意報」が発令されるから余計にです。
逼迫注意報は、電力の需要に対する供給力の余力である「予備率」が5%を切る見通しとなった場合に発令されます。
この暑さで停電にでもなったら生死を分ける危険な状況をまねきます。
火力発電所頼りの電気は燃料高騰により値上がり傾向が続いていますが、あわせて猛暑日の影響に度々、発令される「逼迫注意報」。
年々、上昇する「外気温」。
なんとも八方塞がりです。
これからのことを考えれば「健康」と「お金」、そして地球温暖化防止のために自己防衛が欠かせないともいえるでしょう。
そのような背景もあるのでしょう、2022年の通常国会で2025年からの「住宅省エネ基準義務化」が決定しました。
省エネ基準と聞けば、何やらムズカシイ感じもしますがなんてことはありません。
外皮性能、つまり住宅やビルなどの断熱性能を一定水準まで引き上げること、そしてお風呂・給湯器・キッチンや照明などには省エネタイプの設備を採用するだけです。
これらの各種性能は数値化されて評価され、「省エネ法」の基準に適合していない住宅は「建築を認めません!」となります。
たとえば要件のうちの外皮性能、つまり断熱性能が良くなれば外気温の影響を受けづらい住宅になります。
高断熱という言葉を聞くと冬季の暖房を思い浮かべてしまいますが、外気温の影響を受けにくいということは「冬暖かく夏は涼しい」ということです。
そもそも外気の影響を受けにくいのですから、電気消費量の少ない運転で冷暖房を使用すれば室内を快適温度に保つことができますし、そもそも冷暖房機器などの設備も高効率タイプ、つまり省エネ型の商品が採用されます。
省エネ基準は2025年以降の新築にたいして義務化されますが、住宅性能も上がって使用する電気代などは下がるのですからとても良いことです。
ですが困ったことが一つ。
「建築価格が上がる」ということです。
正確には大手ハウスメーカーや地場工務店やビルダーのうち、早くからZEH(ゼッチ)などを標準化しているところはすでに省エネ基準に達していますから、これまでどおりの価格(今後の部材値上げなどによる影響は別として)で提供されますが、「ローコスト系」つまり、性能はそこそこだけどお値段控えめな住宅は軒並み値上げになるでしょう。
安くて良いは理想ですが、だいたいは「性能=価格」が理屈です。
性能はそこそこだけれど、ともかく価格の低い建売住宅などの「ローコスト系」は使用する建築資材や設備機器も一定以上の性能のものに見直しをかけなければなりませんから、価格も上がるということです(つまりローコストを達成するため、部材もそこそこの物を多様していたのですね)
猛暑日が連続しているのは地球温暖化が原因であるというのが定説ですが、それを防止するためには二酸化炭素排出量を抑えなければならず、日本だけではなく世界各国が目標を定めて努力しています。
省エネ基準の義務化は定められた目標を達成するためなのですが、2025年から一定性能の住宅が標準となり、先ほど説明したように住宅性能がそこそこの「ローコスト系」は建築できなくなります。
そこで考えどころです。
2025年まで、つまり今後2年間は「ローコスト系」も建築できるのですから、それまでに注文住宅を建築してしまう(あるいはローコスト系の建売住宅を購入する)というのも一つの考です。
ですが少し考えてみましょう。
2025年以降は省エネ基準に適合している住宅が「普通の家」になりますから、それに達してい住宅は、表現は悪いかもしれませんが「それ以下の家」になります。
この差が中古住宅として販売する時の「査定価格」や銀行の担保評価、そして税制の優遇に影響します。
すでに税金面では住宅性能により優遇に「差」がつけられています。
不動産のプロとしての助言ですが、2025年までに新築注文住宅を建築する場合には「省エネ基準適合」で建てることをオススメします。
不動産業者を管轄する国土交通省から具体的な通達は発せられていませんが、個人的には中古住宅の販売資料に省エネ基準「適合・不適合」の記載が義務化される可能性は高いと思っています。
つまり中古住宅の購入を検討する方の判断基準に、省エネ基準に適合しているかどうかがこれまで以上に重視されるということです。
住宅は「快適に住む」ということが大切ですが、もう一つ「資産性」も考えておかなければなりません。
何かあったときに換金できるというのが、不動産を所有する一つの目的でもあるのです。
私、荻原功太朗(宅建士・不動産コンサルティングマスター)は資産家の皆様を対象とした、投資物件の限定情報のご紹介、コンサルティング業務を担当致しております。不動産売買のご相談についても、ご指名頂ければ対応させて頂きます。
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