年が明け2022年、相続や住所移転時の登記義務化が、いよいよ来年の4月からとなりました。
登記というと何だか身構えてしまいそうですが、単純に言えば車などと同じ「名義変更」のことです。
ただし不動産の場合には名義変更という言葉が存在せず、所有者の名義を移転する法的行為として相続や売買、贈与などによる場合には「所有権移転登記」引っ越しなどにより所有者の住所が変更になった場合には、登記簿に記載されている住所も併せて変更する行為として「変更登記」とよばれます。
不動産はその価値を国が保証している財産ですが、土地・建物に名前を書くことはできません。
例えばあなたの所有地に関係のない第三者が勝手に家を建てても、近所の人にはその人が所有者なのか悪意を持った占有者なのか分かりません。
そのような第三者にたいして対抗要件、つまり土地・建物が「○○町に住んでいる○○が所有ですよ!」と、権利を主張するために必要とされるのが「登記」です。
この登記により利益を得るのは誰でしょか?
そうです登記名義人です。
ですので権利を主張するための登記行為は、わざわざ法律で「義務」にしなくても率先して行うだろうというのがこれまでの考え方でした。
「権利の上に眠る者を保護せず」という法格言がありますが、登記しないことにより不利益を受けるのは当人なのだから、そんなことまで法律は関与しませんというスタンスだったのです。
ところが登記を義務化にしていなかったことにより、所有者不明地が九州本島よりも大きくなってしまい、このまま放置を続ければいずれ北海道と同等の大きさで所有者不明地が生まれる試算となったことから、国が慌てて登記を義務化にしたのです。
さてこの登記義務化ですが、法律の施行まで1年以上あるからと安心してはいけません。
義務化により、登記をしていない場合には10万円の過料がかかされることになりますし、登記の原因が相続の場合には必要な書類を集めるのにも時間がかかります。
ぎりぎりになって慌てないように、早めに準備しておくことが肝心です。
このような話を。あちらかちらでしたりブログに書いたりしていると「相続登記や住所移転登記は自分でできるの?」と質問をうけることがあります。
登記が放置されている原因として、別段、使う予定もない土地だから司法書士などに費用を払ってまで登記をしないという「登記費用を惜しんで」と言う方が、一定数いるようです。
答えは「できます!」
昔と違い、現在はオンライン申請が可能ですから、手書きで書類を書かなくてもネット上で完結できます。
ただし相続などでトラブルがおきていないとことが前提です。
揉めている場合には司法書士などの専門家に相談するのが安全です。
間違っても、共同相続人の同意を得ていないのに書類を偽造して申請することは止めてください。
いうまでもありませんが犯罪行為です。
さて今回のブログでは、あくまでもトラブルが生じていないと言う前提で登記方法について解説しておきましょう。
まず原因を相続とする登記必要書類です。
不動産に関しては以下のような書類が必要です。
●固定資産納税通知書および固定資産評価証明書
●権利証または登記識別情報通知
●登記簿謄本(登記事項証明書)
続いて登記申請に必要な書類です。
●所有権移転登記申請書(法務局のホームページからダウンロードできます)
●被相続人の出生から死亡まですべての戸籍謄本
●被相続人の住民票の除票
●相続人全員の戸籍謄本(遺産分割協議書に名前のある全員分)
●不動産を相続する人の戸籍謄本
●不動産を相続する人の住民票
●遺言(法的な要件を満たしている遺言書がある場合)
●相続関係説明図
●遺産分割協議書
●印鑑登録証明書
基本的に以上のような書類が必要です。
申請書の記入方法などについては、下記からリンクできる宇都宮法務局のホームページで代表的な登記の流れを解説しています。
★荻原功太朗の業務について★
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