【住んで・訪れて・働いて・学んで・良しの宇都宮市の都市構想】都市の魅力を稼ぐ力に!?

2021年2月26日金曜日

宇都宮市でマイホームを 宇都宮市の賃貸ネタ 宇都宮市の不動産と街の動向

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2月11日の下野新聞に、「国際会議や企業の報酬・研修旅行といったビジネスイベント「MICE」(マイス)をテーマとしたシンポジウムが9日、宇都宮共和大宇都宮シティキャンパスで開かれ、市内外の企業や団体の関係者らがMICE誘致に向けた取り組みについて考えた」との記事が掲載されていました。


これは宇都宮東口再開発の目玉の一つでもあるMICE拠点、コンベンション施設整備が進んでいることを踏まえた取り組みの一環です。


シンポジウムの演者としてJTB総合研究所の山下真輝さんと、DMC沖縄代表の徳田博之さんが講演しました。


お二人の経歴について下野新聞では詳しく掲載されていませんでしたので、このブログでご紹介します。


JTB総合研究所の山下真輝さんは、地域活性化・旅行者・消費活動・ワケーション・スポーツツーリズムを専門分野として、観光による地域活性化のための計画・戦略の策定、人材育成、旅行商品開発を専門とする。近年はスポーツツーリズム、アドベンチャーツーリズム分野の調査研究も手掛ける。内閣府地域活性化伝道師として全国の観光振興政策を支援している方です。


DMC沖縄代表の徳田博之さんは沖縄の那覇市で活動しておられる事業家で、事業としてデスティネーション・マネージメント事業・ファシリティー・マネージメント事業・プロモーション事業・ISO事業などを手掛けています。


具体的には、沖縄でのビーチオリンピックの開催・テーマパーティーなどを企画・運営しています。


講演の中で山下さんは、産官学民が連携する必要性を挙げられていました。


具体的な指摘として「目指すのは住んで・訪れて・働いて・学んで良しのまちづくり。MICE振興にもつながる」とコメントしました。


また、地域と協働して魅力づくりをけん引する観光地域づくり法人(DMO)の必要性にも触れ「日光や那須といった周辺の自治体との相乗効果もMICEを推進する。その司令塔となるDMOも必要」とコメントされていました。


あまり聞きなれないDMOと言う言葉ですが、定義については国土交通省観光庁のホームページで詳しく記載されています。


Destination Manegment Marketing Organizationこれら英語の頭文字をまとめた表現とされています。


直訳すると「旅先管理マーケティング組織」とでもなるのでしょうが、日本版DMOは「観光地域づくり法人」として日本語表記が統一されています。


観光地域づくり法人は、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人です。


このため、観光地域づくり法人が必ず実施する基礎的な役割・機能(観光地域マーケティング・マネジメント)としては、


(1)
 観光地域づくり法人を中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成


(2)
 各種データ等の継続的な収集・分析、データに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略(ブランディング)の策定、KPIの設定・PDCAサイクルの確立


(3)
 関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整・仕組みづくり、プロモーション


が挙げられます。


また、地域の官民の関係者との効果的な役割分担をした上で、例えば、着地型旅行商品の造成・販売やランドオペレーター業務の実施など地域の実情に応じて、観光地域づくり法人が観光地域づくりの一主体として個別事業を実施するといったことも検討されます。


このDMOは条件を満たした団体や企業の登録制とされています。



国土交通省によると、DMO登録数は全国で174団体・候補登録数は119団体となっています。


また多角的な地方の魅力を発信しようと言う試みは、観光庁だけではありません。


スポーツ庁、文化庁も、観光庁と協力してスポーツや文化芸術資源の融合により、新たに生まれる地域の魅力を国内外に発信しようという試みを行っています。


例えばスポーツ庁を中心に訪日外国人旅行者の増加や国内観光の活性化を図るための政策連携の取組として「スポーツ文化ツーリズム」を推進しています。
 

スポーツ文化ツーリズムの優れた取組を評価し普及を図るべく、昨年に引き続き「スポーツ文化ツーリズムアワード2020」の公募を実施し、48件の応募の中から、計13件の受賞団体を決定しました。


受賞された13団体は以下の通りとなっています。


〈スポーツ文化ツーリズム賞 2件〉
おわせ海・山ツーデーウォーク実行委員会・尾鷲市
熊野古道伊勢路と尾鷲市の歴史文化を守り活用する「おわせ海・山ツーデーウォーク」 
富士山ネイチャーツアーズ
富士下山 ~富士山の知られざる魅力に出会う自然旅行~

〈スポーツツーリズム賞 2件〉
有限会社エクストレモ
あるがままの自然を活用したアウトドアスポーツアドベンチャーレースを全国で展開
FIBA 3x3 World Tour Utsunomiya Masters
実行委員会
FIBA 3x3 World Tour Utsunomiya Final 2019
の開催

〈文化ツーリズム賞 2件〉
一般社団法人北前船交流拡大機構
日本遺産北前船を通じた各地の文化資源活用と観光振興
松山市
重要文化財の保存修理工事を観光資源化「道後温泉本館×火の鳥 道後REBORNプロジェクト」

〈武道ツーリズム賞 2件〉
Ageshio Japan
株式会社
世界でただ一つ!空手発祥地沖縄の空手ツーリズム事業
むらやま武道ツーリズム推進協議会
居合道発祥の地でサムライ体験 山形県村山市

〈日本遺産ツーリズム賞 2件〉
和歌山県和歌山市
和歌山ジャズマラソン
出羽三山シンフォニー実行委員会
出羽三山の精神文化と山形交響楽団のコラボレーションによるコンサート『出羽三山シンフォニー』

〈食文化ツーリズム賞 3件〉
TOYOURA
世界ホタテ釣り協会
TOYOURA
世界ホタテ釣り選手権大会 The world scallop fishing Championships
日本酒蔵ツーリズム推進協議会
「晴レの酒、花の宴。」 日本酒蔵ツーリズム推進事業
一般社団法人 しもきたTABIあしすと
ジオ・ガストロノミー・ツーリズム


タイトルだけを見ても、受賞した地域の企業や団体は、地域産業や気候特性などを上手く取り入れてイベント開催していることが分かります。


DMOに関して栃木県は、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県の広域連合である(一社)関東観光広域連携事業推進協議会に加盟しています。


また地域連合DMOとして(公社)栃木県観光物産協会がDMO登録されています。


地域DMOとしては、日光市の(一社)DMO日光と大田原市の(株)大田原ツーリズムのみとなっています。


残念ながら宇都宮市では候補DMOの名簿にも企業名は上がっておらず「住んで・訪れて・働いて・学んで良し」の実現に向けて、民間としても積極的な情報発信の方法を検討しなければならないとされています。


そのような情報・魅力発信のエリアとしても期待される取り組みとして、213日に都市公園整備構想を掲げている次世代型路面電車(LRT)沿線の平出町トランジットセンター(TC)ゾーンについて、参画意向のある事業者に対して行った「対話型市場調査」の結果が公表されました。


トランジットセンター(TC)とは、マイカーとLRTの結節点であり、ゾーンはその周辺地域のエリアを指します。


市場調査ではこのゾーン活用について民間事業者が設置・運営する収益施設として農産物直売所をはじめカフェ・レストラン、マルシェ、フットサルコート、グランピング施設、コワーキングスペース、コンビニ、カーシェアリング、駐車場などが提案されています。


MICE拠点であるコンベンション施設が竣工を控えるいまだからこそ、宇都宮市の魅力を「稼ぐ力」に変え、宇都宮の誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりについて、このブログでも情報を発信していきたいと考えています。



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