県別の魅力度ランキングは散々な結果でしたが、その辺りの詳細は去年書いたので今回は別の切り口から考えてみます。
→【都道府県魅力度ランキングで栃木県が43位!?】北関東3県が安定の下位を維持(T_T)だが!実際は!?
「生活ガイド・com」と言う、地域応援サイトで毎年「全国住みたい街ランキング」を発表しています。
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2020年版ランキングが最近発表されました。
ランキングの結果については、主観的な評価が結果に反映されるためあまり参考にもならないのですが、市の詳細情報に紐づいている統計データや国勢調査結果・住民基本台帳や行財政における「歳入・歳出額」などの、実データから導き出した数字には興味深いものがあります。
↓宇都宮市のデータ↓
国勢調査や行政の統計調査などについて「栃木県宇都宮市」の結果を見てみましょう。
なんと宇都宮市は将来負担比率で815市中で全国1位となっています!
「歳入」や「歳出」など、項目ごとにランキング方式で掲載されていますので、非常に分かりやすいのです。
解説をしておきますと「将来負担比率」とは「総務省」が健全化法に基づいて取りまとめをおこなうために、各市町村に対して財政状況を健全化判断比率会計によって算出し、監査委員の審査を付したうえで議会に報告し、公表することを義務付けているものです。
健全化法では、例えば公立病院や下水道などの公営企業の赤字、地方公社や第三セクターの負債についても明らかにし、地方公共団体の財政の全体像を浮き彫りにします。
健全化判断比率として報告が求められている比率は下記の5種類です。
- 実質赤字比率
地方公共団体の最も主要な会計である「一般会計」等に生じている赤字の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。
- 連結実質赤字比率
公立病院や下水道など公営企業を含む「地方公共団体の全会計」に生じている赤字の大きさを、財政規模に対する割合で表したものです。
- 実質公債費率
地方公共団体の借入金(地方債)の返済額(公債費)の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。
- 資金不足比率
資金不足比率は、公立病院や下水道などの公営企業の資金不足を、公営企業の事業規模である料金収入の規模と比較して指標化し、経営状態の悪化の度合いを示すものです。公営企業は必要な費用を自身の料金収入によって賄わなければなりませんので(独立採算の原則)、公営企業会計の赤字や借金が大きくなって一般会計に大きな影響を及ぼさないよう、個々の収支(企業の経営状況)を事前にチェックしています。
最後に、栃木県が「1位」であった将来負担比率へと続きます。
- 将来負担比率
地方公共団体の借入金(地方債)など現在抱えている負債の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。
比率は下記_図によって算出されます。
多少、分かりづらいので家計に例えてみましょう。
【生計をともにする世帯で、会社員である親世帯がアパート経営をしており、その建設費用を返済し、子供世帯が自動車ローンを返済している場合】
借入金の今後の「返済見込額」が、貯金や将来の家賃収入見込額に対してどの位の割合なのかを見るために計算を行います。
上記の内容を計算式に当てはめて簡単に説明すると
{(アパート建設費返済額残高+自動車ローン返済額残高)-(預貯金残高+将来の家賃収入見込額)}÷親の年収×100
親の年収が500万円で、アパート建設費の返済額残高が2,000万円、自動車ローンの返済額残高が300万円、預貯金残高が100万円、将来の家賃収入見込額が2,100万円の場合には将来負担比率の計算は
{(2,000万円+300万円)-(100万円+2,100万円)}÷500万円×100=20.00%
となります。
つまり健全化判断比率のうち「将来負担比率」とは、既に将来支払うことが決まっている金額などを含めた事実上の総負債額が 1年間の収入総額に対しどのくらいの割合かを示したもので、数字が小さいほど、 将来の負担が少ないということです。
「将来負担比率」が1位ということは、現状での歳入歳出のバランスが取れていて、将来的に予想される負担が現状で0%、つまり「まったく無い」と言うことです。
なんと、宇都宮市は将来負担比率が全国1位で0%となっています!
この「将来負担比率」が高いと、財政破錠度が高い市町村であることはご理解いただけると思います。
2020年度の「将来負担比率」をワーストで見ますと
1位 北海道夕張市 将来負担比率_632.1%
2位 福岡県大任町 将来負担比率_357.8%
3位 京都府宮津氏 将来負担比率_247.0%
と、なっており比率の数字だけを見ても「宇都宮市」と比較して財政状況がどのようなものであるか理解しやすいと思います。
ワースト1位の「夕張市」で振り返ると、当時の市長である後藤健二氏が2006年に総務省に対して財政再建団体として申請を行いましたが、それから14年が経過しても再建への道筋は未だ遠いようです。
ご存じの方も多いと思いますが、夕張市の破綻にはその理由が様々に報道されました。
有力産業であった「夕張炭鉱」の「炭鉱閉山対策費」583億円を回収するため「炭鉱から観光へ」のシフト・チェンジを標榜し、政策として1.テーマパーク2.新設スキー場の開設3.映画祭イベントが行われました。
結果的には観光・リクリエーション投資における放漫経営が累積赤字を増加させ、更にマスコミで報道された、マウントレイスキー場の土地買収を開発公社に行わせて、その金額を市が肩代わりすると言う「ヤミ起債的行為」に発展していきます。
市政破城は住民の福祉サービスなどに多大な影響を及ぼします。
その点において「歳入額」に対して「歳出額」を抑え、効率的に市政運営に反映させている宇都宮市は、その姿勢をホームページからも見て取ることが出来ます。
私たちは不動産調査のために他市のホームページをよく見るのですが、綺麗にまとめられてはいても、どうも無機質な感じがしてなりません。
例えば「宇都宮公式webサイト」で展開されているような
このように親しみやすく市政情報の窓口を広げたサイトは、まず見受けられません。
これも健全に、市政運営が行われ市民に寄り添う意識があるからこそ出来ることだと思います。
「今後とも持続的に発展し続けることのできるまち」を理念として市政運営されており、100年先も続く交通未来都市としての先駆けである「LRT」工事も着々と進んでいます。
私たちも「皆様に快適な住まいを提供する」と言う不動産事業を通じて「宇都宮プライド」を胸に今後とも活動してまいります。
★荻原功太朗の業務について★
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