『国連が定めた「国際平和デー」の9月21日、陽西町の県護国神社(宇都宮市陽西町1-37)で平和を祈る揮毫(きごう)が行われ、作新学院高の書道部と上戸祭町、書家小野崎啓太(おのざきけいた)さん(34)が世界の平穏や新型コロナウイルスの収束を祈った。
和の精神を国内外に発信している「和プロジェクト TAISHI」(名古屋市)の取り組みの一環。
全国の護国神社や広島市の平和記念公園などでも行われた』との記事を見て宇都宮の取り組みに対して、胸を張る思いです。
以前のブログで、宇都宮市は持続可能な社会づくりは(SDGs)の取り組みに対して全国第3位の評価を受けているとご紹介しました。
不動産の仕事を通じて、常々と思うのは「どこに住むか」の大切さです。
もちろん「間取り」や「建物の種別」も大切ですが、箱だけが良くてもエリアが不満足では「幸福度」も半減します。
そこで「幸福度」に関する面白いデータをご紹介します。
国連が調査した国別の「幸福度」ランキングです。
この国際的調査は世界の156か国が対象となり2012年から毎年行われていますが、WHO-HPQ日本語版と同様にキャントリルラダーCantril ladderと呼ばれる11件法を用いて主観的な幸福度を調査するとともに、1) 一人当たり国内総生産(GDP)、2) 社会保障制度などの社会的支援、3) 健康寿命、4) 人生の自由度、5)他者への寛容さ、6) 国への信頼度 の6項目を加味して順位付けし、世界ランキングを公表しているものです。
英語表記ですので念のために解説を加えると
- フィンランド
- デンマーク
- スイス
- アイスランド
- ノルウェー
北欧圏が上位を占めています。
これは本年度の調査結果だけでは無く、過去データを見ても、常に北欧圏が上位を占める結果です。
ちなみに日本は、一昨年(2018年)が54位、昨年(2019年)が58位だったのが、今年(2020年)は62位に後退していて、2017年の51位から3年連続順位を下げています。
様々なシンクタンクにより、この順位に変動についての検証が行われていますが、本年度の下げはコロナの影響が大きいのではないかと考えられています。
外出自粛や在宅勤務推奨による「長期のお家時間」が幸福度を下げている。
参考になるのが他の国際的な調査として、国の豊かさを示す「レガタム繁栄指数」Legatum prosperity index (英国のシンクタンクが安全と安全保障、個人の自由、権力のガバナンス、社会関係資本、投資環境、企業環境、市場へのアクセスとインフラ、経済体制の質、住環境、健康、教育、自然環境といった下図にある12個の下位尺度から算出)についてのデータです。
「繁栄指数」と呼ばれる項目で、日本が167か国中で19位になっている指数の構成要件のうち「社会関係資本」social capitalと呼ばれる尺度(家族との関係、社会的ネットワーク、対人的な信頼感、組織への信頼感、社会参加という5要素から算出)
が、日本は「167か国中で132位」であると言う事実です。
この「社会関係資本」はソーシャルキャピタルとも呼ばれ「家族以外のネットワーク(社会的なつながり)」を意味しています。
具体的には、ボランティアや地域活動への参加、地域社会など「人との信頼関係や結びつき」を示す概念が、著しく低いのです。
他の指数である健康度(167か国中2位)や教育(167か国中7位)が世界的に見てもトップクラスであるにもかかわらず、この社会関係資本の劣悪さが足を引っ張って総合順位19位と言う結果になっています。
コロナによるパンデミック、そして外出の自粛。
引きこもりがちな生活において、本来は快適なはずの「お家時間」の増加や、地域コミュニティーとのかかわり方が、人間の幸福度に大きく関わっていることを裏付けるデータ。
日本全体で、この地域社会など「人との信頼関係や結びつき」が活性化して幸福度があがるのが一番ですが、色々と難しいようです。
そこで、冒頭でご紹介したように地域のコミュニティー、例えば宇都宮市による独自の取り組みです。
地域活性化のために取り組む「宇都宮市」は、その取り組み方も含めて「住む」幸福度が高くなり「どこに住めば幸福か」と言った疑問に対しての一つの回答を示唆してくれます。
先述した「幸福度ランキング」で常に上位に入るデンマークを題材に、検証した文献がありましたので目を通しました。
デンマークには、Hygge(ヒュッゲ)という暮らし方・ライフスタイルを表現する言葉があります。直訳が困難な表現なのですが、あえて訳すると「心地よさ」となるようです。
では、何に対する「心地よさ」なのかを、調べるとこの場合には「住まい」でした。
もちろん、その前提には地域コミュニティーの充実があります。
「幸福度」上位国は「地域」の次に「住まい」がきて、その二つがそろうことにより、幸福度が上がると言う傾向のようです。
住まいの満足度はその国の幸福度に大きな影響を与えています。住宅の満足度は人生の満足度との相関関係にあるのです。
つまり私たちができることは、単に住宅を提供するだけではなくてお客様が主体的に住まいに関与できる土壌造りも大切であるということ。
そのひとつにインテリアがあるようです。
つまり「住環境」⇒「住宅」⇒「室内装飾」の順です。
現在は、様々な方面から快適な住環境づくりが検証されています。
不動産業界とインテリア業界のコラボレーションもそのひとつの現れだと思います。
その流れは偶然ではなく、中古不動産業とクロスオーバーさせて生まれるリノベーションからも、その動きが起こり始めています。
住環境から住宅そしてインテリア。
一連の流れが、「幸福度」を引き上げると言う事実。
面白いことに「デンマーク」における調査では「所得」が幸福度に与える影響が少ないのです。
日本では、年収の差がそのまま住まいの満足度に反映しています。
ところが、デンマークでは年収によってでは、住まいの満足度に大きな差はありません。
低年収である人々に国が家賃補助を行い、一定の住まいに暮らせる土壌があるからです。
幸いなことに私たちの住む宇都宮市は、行政が主体として「地域のコミュニティーの活性化」を積極的に行いながらも、日本の一部地域のように外資による価格高騰に踊らさられずに、安定した不動産供給が行われています。
私たちはこれからも「宇都宮」を中心にお客様の「幸福度」の引き上げに貢献していきたいと考えています。
★荻原功太朗の業務について★
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