〜証拠集め・特別控除・専門家相談、3つがポイント!〜
今年、2025年に日本の人口の5人に1人が75歳以上となり、後期高齢者が大幅に増えることで、社会に大きな影響が出始めています。
人口ボリュームのある、団塊の世代の皆さんが後期高齢者に突入し、これから宇都宮市内では、空き家の急増が予想されています。
いずれ実家の相続を受ける子ども世帯は、両親が亡くなって実家を相続してから売却するケース以外にも、亡くなる前でも老人ホーム等での生活を始め、長年にわたり空き家にしていたり、実家の扱いをどうするかは悩ましい問題です。
これから空き家が急増していくなか、財産の保全を考えると、難しい判断が迫られます。
そんな状況のなか、実家の売却や相続に関する相談が増えてきました。
よくある質問が質問が、「親の家を売るとき、昔の購入金額がわからないけど税金はどうなるの?」というものです。
今回は宇都宮市内の不動産市況の影響も踏まえ、この点をわかりやすく解説いたします。
実家売却時によくある悩み
親から相続した実家を売却する際の最大の悩みの一つが「購入時の金額がわからない」という問題です。
特に昭和の時代(40〜50年前)に購入された宇都宮市内の住宅では、契約書や領収書などの重要書類が長年の間に紛失していることがほとんどです。
なぜこれが問題なのか?
それは売却時の税金(譲渡所得税)を計算するには「いくらで買ったか」という情報が必要だからです。
購入金額がわからないと、本来なら節税できるはずの金額が把握できず、余計な税金を払ってしまう可能性があります。
特に宇都宮市西部の住宅地は昭和50年代に数多く開発されました。
これらの物件は親世代が購入してから価格変動を大きく経験しています。
バブル期(1990年前後)には高騰し、その後は下落しました。
このような価格変動を経た物件こそ、実際の購入金額を証明することで税金面で有利になるケースが多いのです。
実家の税金計算、基本をやさしく解説
不動産を売ったときの税金(譲渡所得税)は、次のように計算します。
売った金額 - (買った金額 + 売却にかかった費用) = もうけ(売却益)
このもうけに税率をかけて税金が決まります。
5年超所有していれば約20%、5年以下なら約40%の税率です。
問題は「買った金額」がわからない場合です。
この場合、税法では「売った金額の5%」を買った金額とみなす「みなし取得費」という制度があります。
例えば5000万円で売れば、買った金額は250万円とみなされます。
しかし、実際の購入金額はこれより高かった可能性が高く、「みなし取得費」では税負担が過大になりがちです。
昔の購入金額を調べる簡単な方法
「みなし取得費」だけに頼らず、実際の購入金額を証明する方法はいくつかあります。
- 法務局で登記簿謄本を取得し、抵当権設定額(住宅ローンの金額)を確認する
- 古い通帳から頭金の引き出し記録を探す
- 固定資産税の古い納税通知書を探す
- 親族に昔の住宅価格について聞いてみる
- 同じ時期に同じ分譲地で購入した知人の記録を参考にする
- 当時の分譲パンフレットやチラシを探してみる
これらの資料を組み合わせることで、より有利な「取得費」を証明できる可能性があります!
相続した空き家の3000万円特別控除とは
親から相続した家を売るときに使える「3000万円特別控除」という制度があり、売却益から3000万円まで差し引ける特別な制度となっています。
しかし、利用するには条件があります。
気になる条件は?
- 親が一人で住んでいた家であること
- 1981年5月以前に建てられた家であること
- 親が亡くなってから3年以内、かつ2027年末までに売ること
- 売却価格が1億円以下であること
- 一定の耐震基準を満たす必要があること(※住宅を取り壊さずに売る場合、リフォームや取り壊しも選択肢)
これで古い家でも売りやすくなっています。
宇都宮市の地域による不動産価値の違いと相続税への影響
宇都宮市内の相続した実家を売却する際には、同じ宇都宮市内でも、地域によって不動産価値の変化が大きく違うことを理解する必要があります。
地域特性は売却価格だけでなく、譲渡所得税の計算にも大きく影響します。
JR宇都宮駅や東武宇都宮駅周辺の物件は商業施設や公共機関が充実し、交通の利便性も高いため比較的価格が安定しています。
親世代が昭和40〜50年代に購入した駅周辺の物件は、当時から価値が維持されているケースが多く、「みなし取得費」より実際の購入金額の方が税金計算で有利になることが多いです。
一方、郊外の住宅地では状況が異なります。
特に、昭和期に大規模に開発された住宅団地は、親世代が購入してから40〜50年が経過し、建物の老朽化や住民の高齢化により相続後に空き家になるケースが増えています。
こうした物件は相続空き家の3000万円特別控除の適用を検討する価値があります。
LRTが開通したとはいえ、まだまだ車社会の宇都宮では、インターチェンジ周辺や大型商業施設に近い郊外の住宅地(インターパーク周辺、ベルモール周辺など)の相続物件は比較的売却しやすい傾向にあります。
しかし、そういった物件のなかでも、市街化調整区域内の相続物件は建築規制が厳しく、売却が難しいケースもあるため、売却前に確認が必要です。
将来性という観点では、LRT(ライトレール)沿線と西側の延伸予定のエリアは、今後も都市計画が順調に予定通りに進めば、価値上昇が期待できます。
すぐに売却せず、LRT開通後のタイミングを見計らうことで、相続した実家の価値を最大化できる可能性もあります。
まとめ:早めの準備と専門家への相談がカギ
親の家を売るときの税金対策には、昔の購入金額を示す証拠集めが大切です。
みなし取得費(売却価格の5%)だけに頼らず、様々な資料から実際の購入金額を証明できれば、税金を減らせる可能性があります。
また、相続した空き家の特別控除など、使える制度もあるので、専門家である税理士の先生や会計士の先生に相談することをおすすめします。
人口ボリュームのある団塊の世代が後期高齢者入りし始めた今年あたりから、宇都宮市内でも空き家が急増していくことは、ほぼ確実な情勢です。
相続前でも、資産保全を考えると、空き家が急増しそうなエリアに実家がある場合、早めの売却が有利なのは間違いありません!
同じ宇都宮市内でも、立地により状況は様々ですので、不動産の売却にまつわることでしたら、弊社までお気軽にご相談ください。
皆さまの、ご参考になれば幸いです🙌
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