【宇都宮市で増え続ける外国人居住者と空き家!】街の国際化と空き家問題の交差点で何が起こるのか?

2025年3月12日水曜日

宇都宮市の不動産と街の動向 不動産ビジネスあれこれ 不動産投資・大家さんネタ 不動産売却

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近年、日本社会における「ニッポン華僑」の存在感が急速に高まっています。

日本経済新聞の調査シリーズによれば、2026年には在留中国人が100万人を突破する見通しです。

→ニッポン華僑100万人時代(日本経済新聞)

この変化の波は東京や大阪だけでなく、宇都宮市にも押し寄せつつあります。

弊社にも変化の波が訪れており、海外から片言の日本語で直接物件の問い合わせを受けるケースが増えています。

今、宇都宮市では外国人居住者の増加と空き家の増加という二つの大きな変化が同時進行しています。

これらは一見別々の問題のようですが、実は密接に関連しており、今後の地域社会に大きな変化をもたらす可能性があります。

外国人居住者の増加は空き家問題の解決策となり得るのか、それともさらなる課題を生み出すのか。

日本人の人口減少が進むなか、街の国際化は、都市経済の活気を持続させる一方、文化の違いよるさまざまな軋轢も生じさせます。

今回は、これらの交わりがもたらす影響について考えてみます。


宇都宮市の空き家問題の実態

宇都宮市の「空き家等対策計画」によると、市内の空き家率は平成30年時点で16.9%に達し、全国平均の13.6%を上回っています。

特に戸建ての空き家は令和2年時点で5,587戸あり、令和8年(2026年)には7,099戸まで増加すると予測されています。

空き家問題の背景には、少子高齢化による単身高齢世帯の増加や住宅ストックの余剰などの社会的情勢があります。

これに対して市では「発生抑制」「管理不全解消」「活用促進」の3つの対策方針に基づいた総合的な取り組みを進めています。


宇都宮市で増え続ける外国人

宇都宮市における外国人住民は年々増加傾向にあります。

2013年に約7,000人だった外国人市民数は、2024年2月末時点で約10,800人にまで増加し、住民の約50人に1人(2%)は外国人になっています。

この10年間で宇都宮市の外国人居住者は約1.5倍に増加したことになります。

特に注目すべきは2020年から2021年にかけての一時的な減少後、2022年以降の急激な回復と増加です。

これはコロナ禍による一時的な減少から、国際的な移動制限の緩和に伴って外国人の流入が再び活発化したことを示しています。

2023年から2024年にかけての増加は特に顕著で、1年間で約1,000人以上増加しています。

栃木県国際交流協会の統計によれば、特にアジア系住民の増加が顕著で、中でも中国、ベトナム、フィリピンからの移住者が多くなっています。

これらの外国人住民は、市内の製造業や飲食業での就労のほか、富裕層による不動産投資や移住目的での来日も増えています。

特筆すべきは、ここ数年の傾向として単なる就労目的だけでなく、永住や家族形成を視野に入れた中長期的な定住を目指す外国人も増えていることです。

彼らの多くは、東京の過密環境や高額な生活コストを避け、適度な都市機能と自然環境のバランスが取れた宇都宮市での生活を好みます。


宇都宮市における国際化の現状

コロナ禍が明け、経済が動き出し始めた、2022年以降、外国人住民の数は急増しています。

宇都宮市では製造業での技能実習生や特定技能外国人の増加、宇都宮大学などでの留学生の増加、飲食・サービス業での外国人労働者の需要拡大が、外国人人口を増加させている主な理由です。

→留学生は学生か、労働者か 従業員の9割が外国人のコンビニ(産経新聞)

深刻な人手不足を背景に、日本人の若者が嫌がるブルーカラー労働に従事してくれる外国人の働き手は欠かせない存在となってきています。

日本は、彼らなしでは、便利な都市生活のインフラが維持できない、厳しい状況に追い込まれています。

宇都宮市内では、これらの外国人住民向けの生活支援サービスや多言語情報提供なども徐々に充実してきており、国際交流イベントなども定期的に開催されるようになっています。

しかし、実際の居住環境や生活インフラについては、まだ十分に対応しきれていない面もあります。

特に住居については、言語の壁や保証人制度の問題から、外国人が適切な住居を見つけることが難しいのが現状です。

その結果として、外国人コミュニティが特定のエリアに集中する傾向も出始めています。


空き家問題と外国人居住者の関連性

増加する空き家と外国人居住者の増加は、互いに影響し合う可能性があります。

宇都宮市の空き家の多くは、適切な管理がされないまま放置されていますが、住居を必要とする外国人居住者が増えることで、これらの空き家が新たな居住スペースとして活用される可能性があります。

実際に、他の地方都市では、空き家をリノベーションして外国人向け住居として提供するビジネスや、留学生向けのシェアハウスとして空き家を活用する取り組みなどが始まっています。

宇都宮市でも個人投資家を中心に外国人向けに物件を供給する大家さんが増えています。

こうした動きが広がれば、市内の空き家問題の一部は、解決につながる可能性があります。

しかし、都市の国際化には、プラスとマイナス面、双方の影響が生じると考えられます。

外国人居住者による空き家活用が進めば、放置された空き家の再生と利活用による地域の景観維持と改善が期待できます。

また、空き家の管理不全による防災・防犯上のリスクが低減され、地域の不動産市場への新たな活力が注入されるでしょう。

一方で、外国人居住者の増加に伴う地域コミュニティの変化が求められます。

文化や習慣の違いによる近隣とのトラブル発生の可能性も否定できません。

さらに、特定エリアへの外国人居住者の集中による地域バランスの変化も課題となる可能性があります。


空き家活用の新たな可能性

空き家問題の解決にあたっては、増加する外国人居住者のニーズに応える形での活用が考えられます。

例えば、空き家を外国人留学生向けの手頃な価格のシェアハウスとして活用することが考えられます。

また、技能実習生や特定技能外国人向けの社宅としての活用も有効でしょう。

さらに、円安により外国人から見ると、相対的に日本の不動産は非常に割安に感じられ、空き家を移住用やセカンドハウスとして購入したい需要も出てきています。

日本の借地借家法方では、一度入居すると、入居者の権利が強く保護されるため、大家さんは、外国人の方に気軽に賃貸物件を貸すことができません。

そのため、外国人の方は気軽に賃貸物件を利用できないため、急増する外国人と空き家は、ともに需給が合致しやすい環境にあります。


国際化と地域社会の調和を目指して

島国として長く独自の文化や習慣を育んできた日本において、急速な国際化への適応は容易ではありません。

特に宇都宮市のような地方都市で暮らす住民の多くは、外国人との接点が少なく、言葉も文化も異なる人々との共生には不安や戸惑いを伴うものです。

しかし現実として、少子高齢化と人口減少が進む中、地域インフラの維持には外国人居住者の力が必要不可欠となっており、彼らなしでは現代の便利な生活は維持できません。

こうした矛盾した感情、すなわち必要性は理解しつつも心理的な距離感を感じるという複雑な心境を抱える地域住民も少なくないでしょう。

そのため、空き家問題と外国人居住者の増加を考える際は、単純な経済的メリットだけでなく、住民の心理的側面への配慮が欠かせません。

外国人居住者向けの住宅情報提供や空き家へのマッチングは、段階的に進めることが重要でしょう。

急激な変化は地域社会に軋轢を生みかねません。

また、外国人居住者には日本の生活習慣やルールについて丁寧に説明する機会を設け、地域住民とのトラブルを未然に防ぐ工夫も必要でしょう。

外国人と日本人住民の交流は、無理強いではなく自然な形で育むことが大切です。

例えば、地域の祭りや行事に外国人居住者が参加する機会を増やしたり、子どもたちの学校行事を通じた交流から始めたりすることで、徐々に心理的距離を縮めていくアプローチが有効かもしれませんね。


現実的な外国人居住者と空き家活用の可能性

宇都宮市の空き家問題を考える上で、外国人居住者の実態を正確に把握することが重要です。

実際のところ、宇都宮市に居住する外国人の多くは、製造業や飲食業などに従事する技能実習生や特定技能の労働者、また宇都宮大学などに通う留学生が中心です。

彼らの多くは住居費にコストをかけられる経済状況ではなく、低家賃の賃貸物件を求める傾向があります。

富裕層の移住やデジタルノマドの流入は一部にとどまり、宇都宮市全体の外国人居住者の動向を左右するほどではありません。

空き家活用においては、こうした現実を踏まえ、低コストで改修できる物件を留学生向けのシェアハウスや、企業が社宅として借り上げる形での活用が現実的でしょう。

大規模なリノベーションによる高付加価値化よりも、必要最低限の設備を整えた適正価格での提供が求められています。

また外国人コミュニティが形成されつつあるエリアでは、同国出身者が集まって居住する傾向もあり、そうした特性を考慮し、地域コミュニティにうまく融和できる空き家活用の戦略が必要となるでしょう。


持続可能な共生に向けて

宇都宮市における外国人居住者の増加と空き家問題は、理想論だけでは解決できない複雑な課題です。

言葉の壁、文化の違い、地域住民との軋轢など、解決すべき問題は少なくありません。

しかし、外国人労働者の受け入れは、日本の産業構造の変化に伴う必然的な流れであることを認識する必要があります。

→九州の建設業、「金の卵」は東南ア出身 海外大と育成ラボ(日本経済新聞)

生産年齢人口の急激な減少が進む日本において、経済活動や社会インフラの維持には、外国人労働者の存在が不可欠です。(日本の若者たちにブルカラー労働を強いるのは不可能ですからね😅)

これまでの価値観や生活様式に変化が生じることへの不安は自然なものですが、その不安を乗り越えなければ、今までの便利な生活を維持できないことを皆が理解する必要があります。

島国として長年培われてきた同質性への安心感は今後も維持したいところですが、今や選択肢は「受け入れるかどうか」ではなく「いかに受け入れるか」に移行しつつあります。

外国人居住者と日本人住民がともに共生し、互いの違いを尊重しながら日常生活を営める環境づくりが求められています。

宇都宮市が目指すべきは、華々しい国際化の成功事例ではなく、地に足のついた多文化共生社会の構築ではないでしょうか。

皆さまの参考になれば幸いです🙌

 

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