世界的にインフレがとどまるところを見せません!
現物の「金」価格が過去最高値を更新し続けています。
→金の国内小売価格、6営業日連続で最高値更新(日本経済新聞)
→米シティ、金価格見通しを上方修正 米雇用悪化恐れや利下げで(ロイター)
現物の「金」そのものが、お金であったのが文明の長い歴史です。
1971年のニクソン・ショックと呼ばれる、金ドル本位制の崩壊があるまでは、世界の基軸通貨であるドルは、金本位制でした。
金本位制とは、自国の経済状況に関係なく、一定の現物「金」の量に応じてしか通貨を発行できない制度です。
わずか50年ほど前までは、現物「金」そのものの裏付けがなければ、ペーパーマネーは自由に発行できませんでした。
そのため、インフレの防止や為替相場の安定といったメリットがありました。
しかし、金本位制は、お金そのものに価値があることから、デフレに陥りやすく、経済成長のために柔軟に通貨発行できないのが弱点でした。
それが、ニクソン・ショック以降、現物の裏付けのない信用マネー(ペーパー&デジタル)が流通するようになり、何の裏付けがなくてもマネーは刷り放題に!
いつか来た道・・・
ときの権力者の思惑ひとつでいくらでも刷れるようになったマネーは、膨大な政府債務となって、日本だけでなくアメリカを始め、世界中で指数関数的に積み上がり始めています。
しかし、信用マネーはいくらでも発行できますが、資源は有限なのです。
こちらは金の生産量の推移です。
価格が上がり続けているのに、生産量はそれほど増えていません。
なぜでしょうか?
現代経済学では、価格が上がれば資源はそれに伴い採掘量が増えるはずです。
でもそうはなっていません。
こちらは同じ期間の「金」価格チャートです。
2019年〜20年かけて、金価格は大幅に上昇しましたが、その後の生産は価格が上昇したのに追いついていません。
物理的に際限ある現物「金」の供給量に対して、その間も無秩序に刷られた信用マネーの量は、大幅に増加し、現物との量は乖離し続けています。
そしてここへ来て、信用マネーの価値は減価し、信用マネーより現物「金」の価値が上がり、価格上昇が止まらない状況となっています。
なぜ、「金」の生産が増えずに、価格が上がり続けるのでしょうか?
理由は資源減耗です!
減耗とは採掘される資源の品位(グレード)が低下することです。
例えば、鉱石の品位が1%なら、1トン採掘して、10kgの金が得られます。
しかし、この世界はどこも鉱石品位の高い鉱山から、採掘が始まり、時間が経過するごとに品位の低い鉱山に移行します。(エントロピーの法則)
鉱石の品位が半分の0.5%になったら、1トンで採掘して、半分の5kgの金しか得られないので、同じ10kgの金を採掘するなら2倍の2トンを採掘しなければなりません。
こうして、時間とともに、すべからく資源は減耗し、採掘コストが上昇します。
そのため、コストが合わなければ採掘量が増えていきません💦
「金」だけでなく、原油も天然ガスも、石炭も、レアメタルも、すべからく資源は減耗し、信用マネーのようにデータを打ち込むだけで、打ち出の小槌のように採掘することはできません。
現代経済学では、資源は無くなることはなく、需要が増えれば価格が上がり、採掘量が増えることになって永遠に供給される前提となっていますが、そこには重要な落とし穴があります。
物理学に馴染みのある方なら理解頂けると思いますが、いくら経済学で机上の理論を唱えたところで、物理法則を超えることはできません。
つまり、経済学もテクノロジーも物理法則の上でしか機能することしかできず、物理法則を超えることはできません。
端的に言うと、「無(信用マネー)から、有(資源)は生み出せない」、
現実は、真逆で、「有(資源)からしか、無(信用マネー)は生み出せない」のです!
有(資源)からしか、無(信用マネー)が生み出せないから、金本位制が続いていたのです。
その有(資源)が減耗し、枯渇し始めているのです。
このあたりを詳細を説明すると、エネルギーの話となり、長くなるので、また別の機会に・・😅💦
とにかく、何をどうしようと、裏付けなく無秩序に生成されてしまった信用マネーは、どこかで、有(資源)とのギャップを埋めなければなりません。
いつか来た道へ、日本だけでなく世界中の国が突っ込もうとしているようにしか見えません。
止まらないインフレ下で資産を守るための視点
今までの説明で何が言いたかったというと、
「インフレはしばらく止まらい!」ということです。
もし、、止まるとすれば、ちょっとぐらいの不景気でなく失業率が2桁以上になるような、世界恐慌にでもならないかぎり、かなり厳しいインフレが長期間続く可能性が高い局面に入っていると見ています。
このような先行きの大まかな予想をすることは、賢明な投資家の視点として、極めて重要だと思っています。
先の流れがわかっていれば、自ずと時代にあったビジネスチャンスは見えてくるものです。
先の見通しがなければ、長期の投資戦略は立てられません。
特に、不動産のような長期保有が前提の投資を行うとなれば、長期の物価動向がどのように動くかを予想するのは非常に重要です。
私個人は、資産ポートフォーリオの現金の比率を下げて、不動産と現物の比重を上げています。
大幅なインフレが起こることを見越しての対策です。
他にも日銀は、物価高騰が続けば、金利を大幅に上げる必要に迫られることから、変動金利の融資は避け、固定金利の融資を長期で組み直すことも行っています。
多くの方々は、マスコミやメディアが流すキラキラな未来にしか目が向きません。
ですから、今回のような将来に明るい見通しがないと感じる記事は人気がないでしょう😅💦
しかし、歴史を振り返れば、現実を冷静に俯瞰できた人たちだけが、富を維持しています。
反対に、巨万の富を有していても、時代の流れを読み間違えると、あっさりと没落します。
今回の記事は、あくまでも私個人の見立てですから、あとは各自皆さまで、情報を深堀りして頂ければと思います。
賢明な投資家の皆さまの参考になれば、幸いです🙌
★荻原功太朗の業務について★
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