インフレと建築業界の深刻な人手不足の影響で、建築コストは上昇する一方です。
それに伴い、販売される住宅価格や地価も値上がり傾向が顕著でしたが、ここへ来て・・
宇都宮市内の不動産は、大きな相場の転換点に差し掛かっているような状況が目立ち始めています。
過去ログで、以前ご紹介した二荒山神社の北側で宇都宮市に新たに進出してきた長谷工不動産が開発している「ブランシエラ」ブランドのマンションの販売が苦戦しているようです。
過去ログ→【宇都宮市にあらたな分譲マンションブランドが!?】ブランシエラ宇都宮のコンセプトは◯◯!?
すでに物件は完成していて、完成前の完売とは至らず、在庫となった物件は、大幅な値引きとなっているようです。
このマンションは私個人的には推し物件だったので、販売が不調だったのには驚きです。
物件の場所は、二荒山神社の北側で大通りから少し距離があり、中心市街地で開発中の他の物件と比較すると立地は多少不便ですが、すべてのお部屋が角住居となっていて、ホテル仕様な内廊下タイプ、正方形に近い間取りで、後々のリフォームやリノベもやりやすい、都市型高級仕様なマンションです。
周辺で開発されている他の物件と比較しても、差別化ができていたので強気の販売価格にも納得でしたが、、消費者サイドの収入増が価格上昇に追いついていない状況では、販売不振なのも仕方のないことでしょう😅💦
在庫となってしまった物件は、20%あまり大幅にプライスダウンしている状況ですから、マイホームを探している皆様には、チャンスでもあります😋
ローコスト注文住宅メーカーも苦戦している・・💦
一方、新築戸建ての方では、ローコス注文住宅で大きなシェア持つ、「タマホーム」の決算を見ると地方都市での住宅市場の厳しさが浮き彫りになってきています。
決算の内容を見ると、非常に厳しい状況ですね・・😓💦
売上が31%も大幅減となり、赤字転落です。
当然ですが、、受注件数も大幅に減少しています。
前年同期比で金額ベースで22%も受注が減っていて、なおかつ深刻なのは、受注件数が27%も激減していることです。
販売不振の理由は単純で、注文住宅の建築コストが上がりすぎているということに尽きます。
インフレ&人手不足の影響で、ここ2年ほどで20%あまりも販売価格が値上がりしました。
ローコスト注文住宅のメインユーザーは地方のサラリーマン世帯の人たちですから、宇都宮市のような地方都市における一般的な注文住宅市場が非常に厳しい状況なのは明らかです。
宇都宮市内の不動産開発は低調になっていく!?
全体の流れを見ていれば、宇都宮市内の不動産開発の流れに急ブレーキがかかり出したのは間違いないでしょう。
宇都宮市内でもJR宇都宮駅西口徒歩1分の、再開発中のタワーマンションは販売が抽選になるくらい人気で、売れ行き好調のようですが、中心市街地で現在分譲されているマンションは「ブランシエラ」以外も販売に苦戦しているとの情報が入っています。
過去ログ→【続報!JR宇都宮駅西口まで徒歩1分の再開発タワマン!?】気になる価格と間取りをチェックしてみたら・・!?
首都圏でも東京都心以外の郊外、埼玉県、千葉県、神奈川県では中古マンションの価格下落が鮮明になってきています。
高騰が止まらない東京都心の物件とは対照的に周辺3県は前年同月比では10カ月連続でマイナスとなって、在庫物件も過去最多に積み上がっている状態です。
都心の価格上昇に引っ張られて高額になりすぎたことに加えて、日銀が利上げしたことにより、住宅ローン金利の上昇の影響による、さらなる購入の負担増となり販売不振につながっています。
首都圏でもマネーゲームの対象とならない郊外の実需不動産マーケットが大きな調整局面に入っています。
LRT着工を契機に、宇都宮市内ではマンション開発が活況を呈していましたが、今の流れを見ていると、これから物件を新たに開発するのには厳しい採算性が求められることから、開発件数が大幅に減ることが予想されます。
販売好調なLRT沿線や駅東エリア以外、特に中心市街地でのマンション開発は急ブレーキがかかりそうな情勢です。
戸建て建売も不振が続いているので、こちらも同様に売れる見込みの高い、エリアを絞った開発が際立ってきており、調整局面に入っているのは間違いないでしょう。
販売不振は解消されるのか!?
先日、名古屋の友人と話しをしていたら、名古屋でも新築マンションが余っているらしいです。
ブランド力のある野村のプラウドでも、築2年近くになるのにまだ売れ残っている物件や、名古屋駅近くのタワマンでも数十戸が売れてないものがあるとのこと😓
東京都心以外、大都市圏の名古屋でも販売不振が目立つようになっているようです。
地方圏では、飯田グループのような新築戸建ての建売会社や、タマホームなどのローコスト注文住宅会社などの、ミドルクラスを対象にする企業が軒並み苦境に立たされています。
逆に、セキスイハウスなど富裕層をターゲットにした会社の業績は、思ったほど悪くないのが興味深いです。
セキスイ等の大手は、宇都宮市内でも一等地をしっかり握っていて、利益があがるやり方しか行いません。
広めの土地で建売に分割せずに高価格帯の土地でホールド!
売れるわけないやーんと見続けていると、大体平屋の富裕層の個人宅か集合住宅が建ってきます。
どちらにしろ、富裕層しか相手にせず、売れない土地は手を出さない大手は強いですね😅
注文住宅は基本的に転売・資産価値というのはあまり考えられずに発注されるものなので、販売価格とローン金利のどちらも一般ユーザーには、折り合わなくなっているということが鮮明になってきています。
分譲マンションや注文住宅の販売については、ここから回復するには、建築コストの低下か発注する人の収入増を待つ必要性があります。
しかし、残念なことに建築コストは今後も増えるばかりになりそうな情勢です。
肝心の一般庶民の収入増もインフレに追いつくどころか、社会保険料の負担増等で、手取り収入が改善される兆しがまったく見えていません。
この状況で、日銀が更に金利を上げてしまったら、地方の不動産は壊滅的な影響を受け、大きな価格調整をせざる得ない状況になるでしょう。
しかし、日銀が地方経済を破壊するような、金利の引き上げを行うとは考えにくいです。
そうなると、じわじわまた円安傾向が続き、インフレが加速することが予想されます。
ここ数年で、金利、各種資材、人件費などが一気に上がって、サラリーマン層はマイホームを新築することが、かなり難しくなってきました。
宇都宮市のような地方都市では、大きなトレンドチェンジで、マイホームは中古市場がメインとなる入り口なのかもしれません。
今の流れを見ていると、宇都宮市内で新規の不動産開発のペースは、これらか大きく減速していく可能性が高いです。
いずれにしても、世界的に大きな経済不況でもないかぎり、再び不動産開発ラッシュが訪れることは、しばらく無さそうだと見ています。
★荻原功太朗の業務について★
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