皆様は、熱力学第二法則(エントロピー増大の法則)をご存知ですか?
もともと理系思考で、特に熱力学第二法則より深遠なものがないと日々痛感している私です。
いかんせん数字が嫌いな方々にはなんのこっちゃ!?となりそうな内容ですが、この世界の覆せない法則を知っていないと、間違いなく損します!
今回は不動産価値の源泉はどこにあるのかを熱力学第二法則と絡めて解説します。
とはいえ、難しい数式など一切使わず、でも決して覆せない不動産価値の法則がわかるよう解説しますので、少しでも興味を持ちましたらぜひ最後までお付き合いを🙌
覆水盆に返らず
(意味 一度したことは、もはや取り返しがつかないことのたとえ)
そもそも、皆様、熱力学第二法則と聞いてもピンとこないですよね。
理系の大学に通っていた方でもない限り全く興味がなさそうな話ですが、
要は単純な話で『壊れたカップは元に戻らない』というだけのことです。
皆さんが、机からカップを落として割れてしまったら、、カップは勝手にもとには戻りませんよね。
もし勝手にカップが元に戻っていったら怖いです😱
『そんな当たり前のことが何なんだ!』と思うでしょうが、この世界は逃れられない一方的なこの不可逆性の流れに支配されています。
何が言いたいのかいえば、あなたもわたしも、万物全ては、時間の経過と共にいずれバラバラに朽ち果て『死』を迎えるということです。
法則はシンプルで、時間の経過とともに事物はすべては複雑化していき、一方的にバラバラに進むということ。
とはいえ、、壊れたカップも破片をすべて集めてうまくのり付けすれば、元の状態に戻すことも可能ですよね。
でも、バラバラになった破片を元に戻し、再構築させるには、凄まじい労力(エネルギー)が必要になります。
この話と不動産がどう関係するかって?
実は生物に限らず万物としての不動産にもこの法則は成り立つのです!
不動産価値に影響を与える熱力学の法則
ではここから不動産に与えるこの普遍の法則の影響をわかりやすく解説するために例え話をします。
あなたのおじいさんが、大地主だった想像してみてください。
JR宇都宮駅から1キロ圏内の土地すべてがあなたのおじいさんが所有してます。
そして、おじいさんには2人の子供がいました。
あなたのお父さんもその一人です。
ある日、おじいさんが亡くなり、土地が2人の子供に平等に相続されました。
駅から西側は兄に、東側は弟に。
そして、あなたは兄と二人兄弟。
父が亡くなり、所有していたJR宇都宮駅東側の土地を平等に兄と南北で2分割しました。
従兄弟も2人いて、あなた兄弟と同様に、土地を分割しました。
こうして、JR宇都宮駅1キロ圏内の広大な土地は4人の所有者にバラバラに分割されたとさ。
何が、言いたいかといえば、
熱力学第二法則に準拠し、時間が経てば経つほど、土地の権利もバラバラに細分化されることが避けられないのです。
価値があるのはどっちの土地?
あなたがもし相続で物件をもらえるとしたらどちらの土地を選びますか?
A:JR宇都宮駅徒歩3分の100坪+徒歩5分にある100坪+徒歩7分にある130坪
別々の場所にある土地だが、合計330坪の土地
B:JR宇都宮駅徒歩7分にある300坪の土地
300坪のまとまった土地
この場合、Aを選ぶ方がほとんどだと思います。
なにせ土地の条件も良さそうだし、面積の合計ではAが10%も広いですからね。
が、、これを選ぶと損することに、、
現実にはBを選ぶ方が得します。
なぜなら、一般に公開されている地価にはこのまとまった大きさに対する評価が入っていないからです。
まとまった土地はなぜ価値があるのか?
何をやるにしてもスケールメリットを活かせるかどうかは重要です。
不動産開発を行う際も同様で、土地の面積が大きければ大きいほど規模の効果によってコスト削減できます。
先程の相続できる土地の例で考えればわかりやすいのですが、3つの場所に別々に3箇所マンションを建設するのと、同じ場所に大きなマンションを一つ建設することを考えればよく分かると思います。
大きな一つのマンションなら大勢の入居者で共有できる設備が増えますから、当然コスパが良くなります。
管理も一箇所ですべて治まるので楽です。
一方、3箇所別々に小口にマンションがあると、設備費だけでなく、管理コストも複雑さの度合いに応じて高くなってしまいます。
トータルで土地の面積が10%広くても、無駄が多くなり、採算面では圧倒的に広い土地一区画で経営するほうが有利です。
要は、広い土地は利用価値が高い=資産価値が高い のです。
街の再開発はなぜ難しいのか?
再開発では地権者全員に多大なメリットがある内容であったとしても、たった一人でも反対者がいたら開発は進みません。
この点からも熱力学第二法則の普遍性が再開発にも影響するのがわかります。
一旦バラバラになった土地は、時間とともに更にバラバラに向かいます。
最初に説明したように『割れたカップ』を元に戻すのと一緒で、バラバラになった土地の権利をまとめて集約するには莫大なエネルギー(お金と労力)が必要になります!
再開発はバラバラになった土地の権利を集約して、新たな不動産開発を行うことです。
時間ともにバラバラに向かう不可逆性の流れに逆らうことにほかならず、時間をかければかけるほど投入に必要なエネルギー(お金と労力)が増えることになります。
だから、再開発が計画されて、できるだけ早く実行に迎えばいいですが、グダグダ時間がかかればかかるほど、達成は困難になります。
宇都宮市の中心市街地でもまだ未着工の再開発指定区域がありますけれど、時間の経過とともに再開発が困難になります。
つまり、時間の経過ともに権利者の複雑性が増し、予算も比例して増大するということです。
第三者から見れば、
「あんなボロボロのビル群なんかさっさと壊して、キレイな大きなビルに建て替えればいいのに?」
と、思うでしょうが、『壊れたカップ』を元に戻すのと一緒で、バラバラにするのは簡単でも、元に戻すのには莫大なエネルギー(お金と労力)が必要になるのです。
だから、いくら素晴らしい企画をぶち上げたところで、再開発が延々と進まないのです。
隣地は買い!
万物を支配する熱力学の法則から導かれる、不動産投資の王道は、『まとめろ!』です。
とにかくできるだけまとまった広い土地に価値があります。
道路のないような広大な土地は論外ですが、市街化区域内の広い区画の土地はそれだけで価値があるのです。
だから、もしあなたの所有している土地に隣接している物件が売りに出たら間違いなく『買い!』です!
土地はまとまればまとまるほど価値が出るのです。
また分譲マンションであれば、戸数の多いマンションであればあるほど価値があります!
それは、管理費や修繕費なんかに如実に影響があって、大規模マンションであればあるほどスケールメリットが得やすいからです。
いずれにしても、時間とともに複雑化していく流れに逆らい、シンプルに集約化していくには莫大なエネルギー(お金と労力)が必要になることをよく覚えてください。
万物を支配する熱力学の法則が示唆する、不動産における資産形成の王道はとにかく『まとめろ!』です。
この点を知っているだけでも、不動産での資産形成に役立つはずですので、ぜひご参考に🙌
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