しかし。。
宇都宮市よりも先にコンパクトシティ化に取り組んだ、青森市や秋田市では街の再構築に成功したとは言い難いような事例になっているようです。
いずれも、中心市街地に大きな箱物ビルを建設する企画が中心で、
宇都宮市でも二荒山神社前の表参道スクウェアの現状を見れば、
官製の箱物ビルを利用しての活性化がいかに難しいのかよくわかります。
ただ、街の景観や、二荒山神社前の広場ができたことで、イメージアップになったことは間違いありません!
今後も大通り沿いは、雑居ビルを集約して、中心市街地の効率化を進めるべきでしょう。
しかし、再開発の中心はあくまでも民間主導であるべきです。
全国の失敗事例から学べることは、ビジネス感覚のない【官製ビジネス】では成功は難しいということです。
ビジネスの中心はあくまでも【民間】ですので、行政の仕事はつねに、民のサポートだけで充分でしょう。
街の再構築として、コンパクトシティを目指すなら。。
そもそも住民のほとんどはマイカーが移動手段であるという点を理解しなければなりません!
いったん移動の自由を得た個人が車を手放すのは考えにくく、おそらく車社会以前に戻ることはないでしょう。
しかし次世代の街をデザインするにあたって、この前提が持続可能かは疑問が残ります。
高齢化社会を迎え、乗用車を自分の足代わりに使えない人が増えているからです。
マイカーを使わないで豊かに生活できる環境を整備しないことには、高齢化が進む社会に対応できません。
コンパクトシティ構想も全く非現実的な政策となるでしょう。
その過程では、マイカーに変わる交通手段の構築が不可欠です!
LRTを早急に整備して、すばやく街の東西を連携させるべきでしょう。
しかし、交通網を整備することだけでは何も変わりません。
構築した交通インフラを使って、どうやってマイカー生活から脱却させるか。
そして、民間主導で街の再開発が行えるようにどうやって、投資を促すのか。
この2点に、知恵を絞る必要があるでしょう。
解決策としては、LRTの整備と同時に、
中心市街地の『まちなか居住』を積極的に推し進めるべきでしょう。
商業地の尺度をもって中心市街地の衰退と認識するのは早計です。
城下町や宿場町を由来とする旧市街の町割りは徒歩で生活するのに適しています。
そもそも城下町に車道は無く、歩く範囲で生活必需品がそろうことが魅力でした。
道路が狭いというのも徒歩を前提とすれば有利に働く。
さらに、郊外の住宅地よりも容積率が緩く中高層建物が建てやすいという特性もあります。
LRTと連携して、中心市街地に住居への投資を促せるような、
容積率の緩和や減税で民間の再開発投資をサポートする政策が有効でしょう。
さらに、高齢者に移住を促すのは困難なので、LRTを軸にてどうやって交通ネットワークを効率的に充実させるかが重要になるでしょう。
宇都宮市でも住民の高齢化をきっかけとして、日常の移動手段として車を使えない人が一定数を超えた層となってきています。
徒歩圏内で生活をまかなえる、ライフスタイルを確立させるのが今後は不可欠でしょう。
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