東京一極集中が加速しています!
→東京 去年の人口 7万9000人余の「転入超過」一極集中続く(NHK)
コロナ禍に東京への転入超過が大幅減少しましたが、コロナ禍も終わり、再び東京一極集中が加速するようになりました。
しかし、もう少し大きなくくり、首都圏全体(東京、神奈川、千葉、埼玉)でみると、コロナ禍も含め、首都圏への人の流れは止まることなく、つづいていたのがわかります!
神奈川県、千葉県、埼玉県を含む首都圏で見ると、2024年はコロナ禍前とほぼ同水準の13万5843人の転入超過となっています。
年齢別にみると、転入超過数は20~24歳が最も多く(8万6908人)、25~29歳(3万2065人)、15~19歳(2万827人)と続き、若い世代が首都圏に数多く流入している状況です。
興味深いのは、この数字の外国人比率です。
転入超過数の内、なんと12.1%あまりが外国人の方となっています。
すでに東京の人口5%あまりが外国人です。
首都圏一極集中がつづくなか、外国人居住者の割合も増えていて、国際色が強くなっています。
このようにデータを追っていくと、コロナ禍のときも一貫して首都圏への人口流入が続いていたのがわかります。
そして、コロナ禍が落ち着き、再び、東京への人口流入が加速しています。
宇都宮市では県内からの転入超過が、県外への転出超過を上回る傾向にあります。
県内各所から県都である宇都宮市へ人が移動し、宇都宮市からは首都圏に人が移動する流れになっています😅
2022年のデータでは、宇都宮市の転入超過数は557人(県内移動)に対し、東京圏への転出超過は1,092人でした。
栃木県も全国の地方同様、人口減少が始まり、首都圏に人口が吸収されつづけています💦
現状、首都圏への人の流れを止めるのは、まず無理でしょう。
それだけ、人、モノ、情報、お金が東京に集中する流れは強烈です。
人口減少が加速する中で、この傾向はますます加速すると予測しています。
宇都宮市にとって首都圏一極集中は悪いことか?
地方からすると、首都圏への一極集中は大きな問題です。
この問題は長年言われ続け、以前は栃木県への国会誘致運動なんかも盛んに行われていました😅
現政権も、地方創生2.0といったキャンペーンを展開中ですね。。
しかし、事態は改善されるどころか、むしろ東京への一極集中は加速するばかりになると予想しています。
なにか大きな天変地異でもなければ、この流れを変える手段はないでしょうね。
ただ、東京への一極集中は悪いことばかりではありません。
日本国内に、世界に名だたる都市圏があることには様々な恩恵があるのです。
現に、台湾の台北や、韓国のソウルに比べると東京圏は別格の力があり世界の富を惹きつけています。
また、宇都宮市にとっても、東京一極集中することは多大な恩恵があります。
なぜなら、首都圏で人が増えれば、首都圏外縁部の北関東エリアは地の利を活かし、産業が誘致しやすくなるからです。
東京への一極集中が避けられないことなら、この流れに上手くのって、都市の成長に利用するべきでしょう。
実際に、各都道府県の県庁所在地を比較した財政の強さを示す指標である、「財政力指数」のランキングを見てみると、上位を関東勢が占めています!
宇都宮市も県都別のランキングで名だたる都市を抑えて、トップ10に位置しています。
地方といっても、ひとくくりにできず、北関東のように人口は取られても、産業誘致には有利に働く地域もあるということです。
期待できないインバウンド、宇都宮市がやれることとは?
以前書いたので詳細は割愛しますが、地方にとってインバウンド(訪日外国人需要)は、ほとんど期待できません。
過去ログ→【宇都宮市にもインバウンド受け入れチャンスはあるのか!?】県内の意外な場所がディズニー&USJに次ぐ人気に!?
県内では現状、世界遺産を有し、高級ホテルの建設が相次ぐ、日光市が恩恵を受けているくらいで(日光市の地価が反転上昇)、主たる宿泊施設や観光スポットの少ない宇都宮市では、インバウンド需要を都市の成長に活かす構想は現実的ではないでしょう。
インバウンド消費の多くは宿泊と食事ですから、宿泊客が取れなければ、微々たる経済効果しか期待できません。
したがって、宇都宮市で期待できるのは、東京への一極集中の流れにうまく乗って、さらなる産業を誘致するほかないでしょう。
成長の起爆剤になりえる、宝の山とは?
宇都宮市の東側でLRTが開通したことで、宇都宮市は大きな宝の山を手にしました。
それは、LRT沿線の広大な未開発地です。
過去ログでも書いていますが、沿線には新たな産業団地の整備が予定されています。
日本中探しても、これだけ好条件の産業団地はなかなかないでしょう。
更に、平石停留所周辺とその東側、鬼怒川までのエリアには広大な未開発地が手つかずのまま残っています。
現状、市街化調整区域で不動産開発ができないエリアですが、規制緩和して、住宅建設が可能になれば、大人気の住宅地になることは、間違いないでしょう。
以前からここでは散々書いていますが、宇都宮市が目指すコンパクトシティ化への道は容易ではありません。
最新のアンケートからも宇都宮市住民の公共交通を利用率はわずか30%あまりです。
つまり、70%以上の方々が今も変わらずマイカーでの移動しかしていない状況です。
この数字だけ見ると、公共交通の利用率が低いように感じますが、宇都宮市で、10分間隔くらいの頻度で便利に公共交通が利用できるエリアはLRT開業前はごく一部のバス便のいい、中心市街地とその周辺に限られていました。
LRTの整備が始まってから沿線住民が増え、開業後には、宇都宮市の住民全体として公共交通の利用率が大きく改善しました。
実際に、LRTが整備された沿線では、公共交通の利用率が急上昇し、移動手段が大きく変化しています。
マイカー依存していた皆さんも、身近に10分間隔くらいで運行される便利な公共交通ができたら利用するんです!
しかし、スポンジ化して拡散した市街地全域に、便利な公共交通のネットワークを整備するのは不可能です。
人口密度の低いエリアに、不便な公共交通(1時間に1.2本)を整備しても誰も使ってくれません。
駅東のLRT沿線や、駅西で頻繁にバスが往来する大通り周辺以外のみなさんが、ほとんど公共交通を利用しないのも当然の結果です。
宇都宮市は、少子高齢化と人口減少が進むなか、LRTを街の東西を結ぶ背骨とし、沿線を都市再整備の核として位置づけています。
沿線エリアに住民をできるだけ集約することで、街の魅力をアップし、都市を効率化し、産業誘致に活かしていくべきでしょう。
そのためにも、大きな可能性を秘めたLRT沿線の広大な未開発地の早期利用が期待されます!
しかし、少子高齢化と人口減少の影響にプラスして、昨今は世界的なインフレと人手不足の影響も加わり、新規の不動産開発へのハードルは年々上がる一方です💦
宇都宮市には、LRT西側延伸計画の推進だけでなく、この宝の山を早期にうまく活用する動きにも期待したいです。
★荻原功太朗の業務について★
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