円安の影響もあり、増え続ける外国人旅行者
2024年1〜3月期の訪日客消費は、年換算で名目7.2兆円と10年で5倍にも拡大しています!
インバウンドは、日本経済を支える柱になってきたとの報道も目立ってきています。
→訪日客消費、年7兆円に拡大 自動車に次ぐ「輸出産業」に(日本経済新聞)
それもそのはず、今や主要品目の輸出額と比べ、インバウンド消費は、自動車に次ぐ巨大な規模になっています。
日本が海外に売り込む品目はモノからサービスに確実にシフトしつつあります。
好むと好まざるとに関わらず、日本は主要作物や資源のほとんどを輸入に頼っており、なにがしかの外貨を稼がないことには、食べていけません。
これから先、自動車でさえ、現地生産化が進むのと、価格の安い中国車との競争にさらされることを考えると、国内で伸びしろがあるのはインバウンドしかないのかもしれません。
残念なことに、宇都宮市はインバウンド需要を十分に取り込めているとは思えません。
次の市長選の争点に、インバウンド需要をどのように取り組んでいくのか等も、争点にしてもらえると良かったのですが、今のところそのような話は伝わってきません。
ということで、、今回は宇都宮市にもインバウンド受入れ増の可能性があるのかを考えてみます。
栃木県内のとある場所に外国人観光客が急増!?
先日、興味深い記事を読みました。
外国人旅行者に、栃木県内のとある場所が、東京ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオジャパンに次ぐ知名度の人気観光スポットとなっているようです。
その場所とは??
「あしかがフラワーパーク」です!
→海外ではディズニーランド、USJに次ぐ知名度…栃木県にある外国観光客が急増しているテーマパークの名前(PRESIDENT Online)
私も恥ずかしながら、「あしかがフラワーパーク」に行ったことが、まだありません😅
皆さんの多くも、「あしかがフラワーパーク」の名前を耳にしたことがあっても、行ったことのない方が多いのではないでしょうか。
しかし、近年このフラワーパークに外国人観光客が急増し、中国やマレーシアやベトナム、タイなど東南アジア系の人をたくさん見かけるのは、まだあまり知られていません。
実際、外国人に話を聞くと「ディズニー、ユニバーサルスタジオに続く日本の有名なパーク」として、三大パークの一つに数えられるというから驚きです。
わざわざ、海外からこの地を目指して来るくらい魅力ある、和のスポットなのですね。
2014年にアメリカのテレビ局CNNが、あしかがフラワーパークで有名な「大藤」を取り上げたことがきっかけで、人気が沸騰し、翌年の外国人観光客は前年の倍となる10万人に達したようですね。
そして、米CNNが世界の夢の旅行先として日本で唯一選ばれた地でもあり、SNSの投稿の多くは外国人観光客によるものであふれています。
恐るべきSNSパワーですね。
不便な場所でも「日本らしさ」が外国人旅行者を惹きつける
栃木県内でも「あしかがフラワーパーク」は交通の便が良いと場所でないなか、SNSでの人気や外国人観光客数の急増を背景に、ピーク時は隣の佐野市まで5キロメートル以上もつづく渋滞が発生していました。
今では混雑緩和を目指し、行政が協力して臨時列車の増便や駐車場の拡大が行われ、2018年4月にはなんと、新駅「あしかがフラワーパーク駅」が誕生しました。
新駅の整備が急速に進んだのも外国人観光客の影響です。
需要さえ発掘できれば、新駅さえ誕生させられる好例です。
足利市はインバウンド需要をうまく取り込んで、インフラ整備にまでつなげています。
しかし、いくら外国人旅行者を集めても、産業として消費につながらなければ、あまり意味がありません。
消費金額の都道府県ごとのランキングを見ると、残酷な事実が浮かび上がってきます。
観光資源のPRと並行して、宿泊施設の整備は必須!
足利市が残念なところは、「あしかがフラワーパーク」で吸引した観光客がほぼ日帰りなところでしょう。
首都圏のホテルに泊まった外国人旅行者が、日帰りで訪れた場合、多くのお金は宿泊地で消費されることになります。
これは訪日外国人における、観光消費支出の都道府県ごとのデータです。
インバウンドの消費の取り込みは、東京が圧倒的なシェアを持っています。
データを見れば格差は歴然で、地方はインバウンド消費をまったくと言っていいほど、取り込めていません😓💦
訪問者数のランキングと比較すると興味深いことに、訪問数と消費額が全く比例していないのがよくわかります!
栃木県は訪問数ではトップの東京都と比較して、37倍の差ですが、消費額では、なんと173倍にも差が拡大します!
日本が産業としてのインバウンド需要の取り込みを狙うにしても、地域間で格差が有り過ぎます😅💦
いくら日帰り観光客を頑張って誘致したところで、結局、宿泊に繋がらなければお金が落ちないのは、データを見れば明らかです。
訪日観光客は大都市に宿泊しがちなため、栃木県のような近隣県は日帰り旅行に組み込まれるだけで、消費単価が低くなってしまいがちです。
特に宇都宮市のような観光客向けの宿泊施設が充実していないエリアは、インバウンドのおいしい果実は、すべて東京に吸い上げられている状況です。
宇都宮市が、本気で、産業としてインバウンド需要を取り組んでいくには、大谷等の観光資源のPRはもちろんですが、LRTを整備し地域での滞在時間を増やすだけでなく、宿泊施設の整備や外国人に魅力あるレストラン等の開発の後押しも必要です!
残酷なインバウンド消費格差
政府も新たな国内産業として、インバウンド需要の取り込みに躍起です。
しかし、データをみれば明らかで、空港や公共交通のインフラが整備され、多くの宿泊施設やレストラン等が整備されている大都市が、インバウンド消費の大部分を握っています。
↓ 都道府県別の消費単価ランキングを見ると、栃木県の課題は明白です。↓
訪問数ではランキング23位だったのに、消費単価では更に順位が落ち、35位の下位に甘んじています。
つまり、お客さんは呼び込めていても、消費に繋げられてないのが現状です!
宇都宮市のような観光産業の弱い場所にかけている視点は、観光客の消費単価の視点です。
宇都宮市も足利市が「あしかがフラワーパーク」で観光客を誘致できているの同様に、コンテンツとしての「宇都宮餃子」があり、インバウンド需要は弱いにしても、国内の日帰り観光客需要はうまく取り込んでいます。
しかしながら、観光客の消費単価が低いのが課題です。
今後、インバウンド向けに大谷等の観光資源をうまくPRでき誘致に成功できたとしても、観光消費につなげられないと、美味しいところはすべて、東京に持っていかれてしまいます😅
インバウンドの消費額ランキングが低い都道府県は、空港や公共交通などのインフラ、魅力ある宿泊施設、魅力ある食事やサービス、魅力ある土産品等、が不足しています。
とにかく、滞在時間を伸ばし、宿泊が伴わなければ、観光消費がほとんど増えないの明白な事実です。
それだけ、観光産業を真剣に成長させるためには、魅力ある宿泊施設が不可欠だということになるでしょう。
地域として、インバウンド需要を取り込むためには、栃木県全体で滞在時間を増やし、宿泊につなげる努力が必要です。
そのためにも、県内すべのエリアにアクセスが容易である宇都宮市は、LRTを整備し、観光地として開発している大谷までつなげるのは当然ですし、魅力ある宿泊施設の開発にも力を注ぐべきでしょう。
日本国内で製造業の衰退が顕著になっている今、国も真剣にインバウンドの成長に力を注いでいます。
今年の年末に行われる、知事選と宇都宮市長選挙では、課題の大きいインバウンドを含む観光産業の成長についても、是非議論を交わしていただきたいですね🙌
★荻原功太朗の業務について★
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