国土交通省から、2024年1月1日時点の公示地価が発表されました!
栃木県全体の平均では住宅地が前年比で0.5%下落、商業地は前年比0.3%下落となりました。
栃木県全体の平均地価は、32年連続で下落中です😅
ただ県内の466地点で、前年より上昇した地点は36増え、下落地点は24減りました。
下落幅は前年より0・2ポイント縮小して、マイナス0・3%と県全体としても上昇傾向が続いています。
地価のマクロな平均データはあまり意味がないので、個別の県内各所をフォーカスしてみると、
ここ10年ほどのトレンドが継続中で、JR宇都宮線沿線の宇都宮市以南の小山市、下野市で地価が上昇した一方で、人口減少が深刻な那須烏山市や茂木町といった山間部で下落が続き、栃木県内の地域により、二極化が更に進行しています!
しかし、今年の栃木県内のデータでは光明も!
日光市では観光需要が急回復し、商業地の公示地価が下落から上昇に転じました!
日光市の地価上昇の背景は、東武グループを中心とした、民間の投資を呼び込めた影響が大きいです。
今回の調査では、観光客が多く集まる日光街道(国道119号線)周辺の地価が上昇しました。
観光地の地価が上昇し、回復の兆しを見せているのは大きな変化です🙌
一方、好調なのが栃木県内の工業地です!
栃木県内の工業地の地価は前年比プラス2.2%と3年連続で上昇しています!
上げ幅も前年より1・2ポイント拡大し、栃木県内の工業地は需要旺盛なのがうかがえます。
東京圏への交通利便性のよさや災害の少なさから県南・県央を中心に工業地の需要は高く、宇都宮市では先日お伝えしたように、新産業団地の整備を急いでいます。
過去ログ→【ますます加熱するLRT沿線の不動産開発!?】宇都宮市が新産業団地整備へ2候補地を選定!
栃木県内のおおよその地価の流れを把握したうえで、宇都宮市のミクロなデータを深堀りしてみましょう。
宇都宮市の住宅地トップ4まで駅東エリアが独占!
宇都宮市の住宅地での最高価格は、宇都宮市宿郷5丁目で、去年より4000円高い2.9%上昇の平米単価14万3千円でした。
栃木県内の住宅地トップ5は全て宇都宮市内になります。
上位4位まですべてJR宇都宮駅東口にほど近いエリアが独占し、駅前再開発とLRTが開通し、利便性が格段に向上した影響が地価に反映されています。
駅西の住宅地では5位に昭和2丁目がようやくランクインしてきます。
ちなみに宇都宮市宿郷5丁目は23年連続で最も公示地価の高い住宅地です。
それだけ鉄板の人気エリアとなります。
ただし、公示地価の調査地点は少なく、このデータだけを見ると正確な相場感を見誤ります。
マップを見るとわかるように、JR宇都宮駅周辺の住宅地で調査されているのは宿郷5丁目だけで、周辺の住宅地は調査の対象になっていません。
正確な住宅地の最高地点は、元今泉4丁目や東宿郷3丁目周辺の、駅東大通り(LRT沿線)に近い場所になるでしょう。
公示地価は調査地点が限られるので、あくまでも宇都宮市各エリアの詳細な地価を予想するため、参考程度に利用するものとなります。
公示地価の最高地点が、宇都宮市内の住宅地最高地点となるわけではないので、注意が必要です。
宇都宮市の住宅地上昇率はLRT開通効果が鮮明に!
宇都宮市内の住宅地上昇率トップはLRT沿線、ゆいの杜4丁目です。
上昇率は3年連続の1位で、前年よりなんと!7・5%もの大幅な上昇で、平米単価6万6300円と大きく伸びました😳
上昇率のトップ5も宇都宮市駅東エリアが独占しました!
LRT沿線の活況がうかがえる調査結果となりました。
公共交通が開通したことで、沿線に民間の投資資金が流れ込み、不動産開発は活況を呈し、地域に経済の好循環をもたらしています。
上昇率トップ3はLRT沿線の住宅地が独占しました!
これからLRT沿線に官民そろって開発投資の計画が目白押しなので、今後も上昇率トップ圏はLRT沿線が占めていくことが予想されます。
一方、宇都宮市で地価が下落した住宅地は💦
宇都宮市全体の平均としては、住宅地は0.7%上昇しました。
ひとえにLRT開通を含め、大きな都市開発効果の結果、投資の好循環が起こっていることの結果となります。
しかし、ミクロのデータをみると宇都宮市内でも、開発の恩恵を受けにくい場所は地価が下落しています。
宇都宮市内で今回の公示地価の結果で、下落率トップとなってしまったのは、富士見ヶ丘エリアで、前年比マイナス1%です。
そして下落率2位となってしまったのは豊郷台エリアで、前年比マイナス0.7%です。
どちらも、坂の多い住宅街で、周辺に大きな商業施設も少なく、マイカーに過度に依存した生活環境エリアです。
少子高齢化が一層進むことを考えると、将来的にもこのエリアは相場が転換すると考えにくいです。
公表される地価を宇都宮市内のミクロな地点で比較する度に、地域における不動産開発の重要性を実感します。
どの都市においても都市内格差をゼロにするのは、不可能です。
わずか1年で7.5%上昇したゆいの杜エリアと、1年で1%値下がりした富士見が丘エリアでは、長期の不動産価値の差は歴然です。
データが示すように、所有不動産が都市開発の恩恵を受けにくく、将来性が期待できないなら、できるだけ早い時期に資産の組み換えを考えるのも、不動産価値を維持するためには賢明な選択となります。
宇都宮市の商業地トップは?
一方、商業地で最も地価が高かったのは、JR宇都宮駅東口駅前の「宇都宮市東宿郷1丁目」で、去年より1万3000円、プラス3.3%高い、平米単価40万8000円となり、5年連続で最も高い地点となりました。
6年前まで栃木県内の商業地ナンバーワンだった、「池上町」は値上がりなしの0%で、JR宇都宮駅西口駅前の「駅前通り1丁目」にも抜かれています。
宇都宮市は中心市街地の低迷が公示地価のデータからもうかがえます。
商業地の富は明らかにJR宇都宮駅周辺に集中する傾向が強まっています!
中心市街地はLRTの西側延伸が着工されるまでは、低迷を続けると予想されます。
商業地も上昇率1位〜4位までをLRT沿線が独占しました!
商業地の上昇率トップが柳田街道沿いベルモール周辺の陽東4丁目だったことはLRTの開通がいかに地価に大きなインパクトを与えたかを物語っています。
一方、宇都宮市で地価が下落した商業地は💦
ワースト順で上げ幅ゼロの地点をまとめてみてみました。
宇都宮市の商業地で今回ワーストの下落率となってしまったのは、なんと!泉町でした!
下落率はなんとマイナス1.6%と突出して大きな値下がりとなっています。
西川田駅前と、台新田は限られた商業エリアなので除くとしても、中心市街地の多くの地点で地価は横ばいなのが目立ちます。
泉町の場所自体はポテンシャルの高いエリアなので、私個人的には今は絶好の買い場で、狙い目だと思っています。
ただ、LRTの西側延伸が無事に着工にいたらないと、中心市街地全体の地価反転は腰が重く、本格化しにくいとみています。
まとめ
今回発表された公示地価では、昨年開通した宇都宮市の新たな公共交通LRTの効果が如実に地価に反映された結果となりました!
ゆいの杜エリアの地価高騰には驚きました。
ただ、ゆいの杜エリアの上昇幅は若干過熱気味でLRT開通ボーナスとして地価に影響した印象を受けます。
今後は、上昇幅が緩やかになるみています。
また、少子高齢化の進行に伴い、マイカーに過度に依存するエリアが今後も敬遠され、地価の下落が止まらない傾向が続く可能性が高いです。
住宅地で現状、地価が横ばいないし、下落しているエリアは、宇都宮市が都市計画でコンパクトシティ構想を掲げている以上、今後も地価が反転することはまずないと見ています。
将来的な不動産価値が心配なら、早めに資産の組み換えをするなり対策をするのが賢明となるでしょう。
商業地では、相変わらず中心市街地の元気の無さが数字に現れていました。
宇都宮市の経済の中心軸が二荒山神社周辺から完全にJR宇都宮駅周辺に移動したのをデータからも読み取れます。
今回の結果から、駅西側にも早期にLRT開通を期待する声が高まるのは間違いないでしょう。
現在のタイムスケジュールでは2026年に西側延伸の着工が行われる予定となっていますので、駅西側のLRT沿線の不動産は「今が買い!」の好機であると思います。
ただ、着工が正式に決定になるまでは、どうなるか不安定な情勢ですので、確実にいくなら、着工が決定した直後に、すぐに動き出すのが無難でしょうね。
個人的には、日光市の地価が上昇したことに光明を感じました!
県北でも選ばれた一等地には光が当たり出し、相場の転換期を迎えたと見ます。
全国の有名リゾート地の地価が急騰していることもあり、投資家視点では県北リゾートの一等地は要注目だと思います。
以上、皆様にとって、不動産相場を占う参考になれば幸いです🙌
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