令和4年3月22日に地価公示価格が公表されました。
公示価格については公表されるたびにブログでも取り上げていますので、継続してお読み戴いている方はご存じかと思いますが、ねんのために「サラッ」と解説しておきます。
「不動産の価格」と聞けば、弊社のホームページでもご確認いただけるような販売価格を思い浮かべる方が多いと思います。
実際に売買される価格であり「売り・買い」双方にとって重要ですから、これが不動産価格であるといっても間違いではないのですが、厳密に言えば「販売価格」です。
私たちサンプランは、査定をする際にも「他社よりも早期に条件よく売買できること」を大切に査定を実施していますが、当然に売り主様の意向もあります。
査定額と意向を勘案して、販売価格は決定されるのですね。
ですから「販売価格=契約額」ではありません。
販売価格は実際に契約に至る前、価格など条件交渉が入る場合もありますので、実際に契約になった価格を「成約額」と呼び分けします。
更に相続税などの計算根拠とされる「路線価」や固定資産税計算の根拠となる「固定資産評価額」などがあり、このように目的により価格のことなる不動産価格を「一物四価(一つの物件に対して四つの価格が存在すること)」などと表現します。
これらについて説明すると長くなりますので割愛しますが、公示価格はそれら複数の価格においてもっとも中心的な役割を持つ価格です。
私たちが査定をする場合においても「参考」にする、実勢に近い指標ともいえる価格だからです。
このような指標価格ですから、公示価格が公表されると全国の新聞各紙や不動産アナリストが一斉に不動産価格動向についての記事を発信します。
このように影響力のある公示価格ですから算定方法については「地価公示法」という法律で厳格に定められています。
この法律の定めに従い、国土交通省土地鑑定委員会が一般土地の取引指標価格にするため、毎年1月1日時点の1㎡当たりの正常な価格判定をおこないます。
実際に調査を実施するのは全国では166分科会に所属する2,348人の不動産鑑定士です。
この鑑定士が全国26,000地点について選定及び確認を行い、分科会等における議論を経て鑑定評価に基づいて判定されています。
さてこのような鑑定に基づいて公表された土地価格の全国的な傾向はどうだったでしょうか?
全国的平均で住宅地・商業地のいずれも2年ぶりに上昇に転じました。
新型コロナウイルス感染症の影響が徐々にですが緩和される中で、全国的な回復傾向が見受けられるのは喜ばしく、以前、厳しさはあるものの景況感の改善が背景にあるのではないかと推測されています。
特に住宅地の上昇傾向要因としては都市中心部の希少性が高い住宅地の上昇率が高く、交通利便性等に優れた住宅地の地価上昇は継続的であり、ライフスタイルの変化による需要者ニーズの多様化により、そのような希少地の周辺部にも上昇拡大の影響が及ぶ傾向が見受けられます。
更に詳しくいえば中央区銀座4丁目2番4『銀座4-5-6』山野楽器銀座本店でその価格はというと………
令和4年の1㎡金額は¥53,000,000円。
「坪」で表現すれば1坪、つまり畳約2枚分の大きさの土地価格が¥174,900,000円。
数字を数えるのが面倒くさい方のために表記しなおせば1億7千490万円です。
エリアにもよりますが、たとえば宇都宮市内ですとちょつとした収益物件であれば1棟丸ごと購入できてしまう価格です。
1坪で収益物件1棟と等価………
長らく不動産業に携わっている私ですが、何とも複雑な思いに浸ってしまいます。
もっともこのようなエリアの土地を個人で所有しているケースはまずありませんし、個人的にも「快適で住みやすい宇都宮市内」で土地を購入する方がずっと賢い選択だと思ってしまいます。
個人の価値観も無論のことですが、土地柄ということでしょうか。
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