今回は、「地球温暖化」と「パンデミック以降のライフスタイルの変化」から最近の住宅傾向に関する考察をしてみました。
アンケート主催が専門書のアンケート結果ですので、うなずける内容です。
背景としては電気料金の値上げや温暖化による猛暑日が増加したと言うこともあるでしょう。
またニュースなどでも特集で「お家時間の快適性」を題材として住宅断熱について紹介されるケースが増加したことから、断熱性能に対する興味が増加しているとの推察も出来ます。
住宅の性能が高いと「住環境」つまり住宅の快適性が向上します。
たとえば「猛暑」に関しての不満は、エアコン多用による電気代の高騰があげられました。
ターフや簾を使用し日射をコントロールすれば、ある程度抑えることも出来るのですが、建築に関する知識の不足している営業マンなどが、デザイン性ばかりを追求して外壁にタイルを採用したりするものだから、後付けでの施工が出来ないと言ったケースも多いのかも知れません。
また新型コロナの影響により、感染拡大予防のために大手企業を中心として在宅勤務が増加し、ある程度落ち着いた後も継続して在宅推奨されていることから、利便性重視からコストパフォーマンスの高い、高性能住宅需要が増加している傾向です。
都心志向から、ある程度の利便性が整った地域への移動志向へ変化したからでしょうか、9月に発表された基準地価が都心部や観光地を中心に全国的に「値」を下げました。
都心部の地価下落は環境さえ整えば、どこにいても在宅で仕事が可能であると言う現実を、皆さんが理解した結果であると言えます。
上記の意味から「住みやすい街づくり」を標榜して街づくりを行っている宇都宮市は、格好の在宅勤務推奨地域であると言えます。
ただし、それにも一層の私たちの努力が必要とされます。
国土交通省の2019年11月_建物省エネ法の地域区分(冬の気温の低さを示す「暖房デクリーデー」冬季における基準温度_18度の気温差分を積算した値で、数字が多くなるほど気温が高い地域となる)において隣接の埼玉県さいたま市が5地域から6地域に区分変更されました。
冬季においてより温暖であると判定された訳です。これは埼玉県内に限ったことではなく、前橋市・足利市・町田市・八王子市・福井市・甲府市・奈良市も同時に6地域に変更になりました。
この気温上昇による地域区分の見直しは日本全域に渡っています。
日本においては明治8年(1875年)より継続的に、温度などの気象データが観測・記録されていますが、例えば年間での気温が最も低い1月の平均温度は100年で3℃上昇しています。
暖冬の影響と暖房機器の発達から、暖房に要するエネルギーは減少を続けています。
それだけであれば過ごしやすいので「良い」と言えるのですが、反面、その影響は夏の暑さにも及んでいます。
いわゆる「猛暑日」の増加です。温暖地では約2か月(60日間)もの間において特に宇都宮市を含む前橋などの内陸地では、最高気温が35℃を超える「猛暑日」が増加しました。
消防庁統計でも熱中症の患者数が2010年以降、急激に増加しています。また夜間においても25℃を下回らない「熱帯夜」が、都市部や沿岸部を中心に30日以上とのデータがあります。
将来的な予測としては、宇都宮気象台が「21世紀末の気候」としたPDFデータを公表しています。
あくまでも現在データの平均値から導き出された、地球温暖化進行の予測ですが気温が4℃も上昇すると予想されています!
また、猛暑日が30日増加と予測されています。
更に地球温暖化は降水量にも影響を与え、水害発生の懸念がされています。
このように世界的に影響を与える地球温暖化は、様々な予測情報とともに、その影響が懸念されています。
もっとも予測は、あくまでも地球温暖化が進めばと言う最悪のシナリオですので、すぐに変化が起きると言う意味ではありません。私たちの努力次第で書き換えることが出来るシナリオです。
「地球温暖化」の原因については「地球は温暖化していない」説や「温暖化は人間のせいではない」といった温暖化懐疑論が根強く残っています。
実際に温室効果ガス(GHG)排出削減のための国際的な枠組みとして、2016年に発効した「パリ協定」では、主要排出国を含むすべての国が、自国の事情に合わせたGHG削減・抑制目標を策定することとなっていますがアメリカはトランプ政権のもと、温暖化懐疑論を根拠にパリ協定から脱退しました。
しかし国際連合の「気候変動に関する政府間パネル_IPCC」は、1990年以降の各国専門家による調査結果に基づく2007年の第4次報告によって「温暖化は疑う余地がない」と決定付けています。
以前にも書きましたが地方発、世界基準を標榜する我々、宇都宮市民としては地球温暖化を理解しつつ、自分たちで出来る身近なこと(例えば、住環境改善や無駄な電気を消費しないなど)から心がけていきたいものです。
また賃貸住宅ですと、勝手に断熱改修工事を行う事は出来ませんが、夏には窓に簾を取り付け、冬にはホームセンターで販売されているビニールの簡易式、窓断熱材を張り付ける事により開口部断熱の是正が可能です。
当然として暖房光熱費の削減につながり電気代が安くなりますし、結果的には地球温暖化防止に役立ちます。
また新築住宅の場合には、割高にはなりますが「断熱」にこだわることにより同じ効果が得られます。
もちろん中古住宅を購入された場合にも、リノベーション工事を施すことにより、断熱性能を引き上げることが可能です。
「ちょっとした心がけ」が住みやすい住環境をつくり出し、結果的に良い街づくりになることを忘れないでいただければと思います。
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