いまだに終息の見えないコロナ禍によって、日本経済のみならず世界的な景気の先行きに強い不安が残るなかで終わった2020年ですが、今年度も予断を許さない状況が続いています。
令和3年1月14日から発令された栃木県緊急事態宣言は、2月7日まで継続される予定になっています。
Go Toキャンペーンを含め様々な経済対策が政府・与党によって打ち出され、一時は盛り返すかに見えた経済状況も、Go To中止など、状況により二転三転しています。
現状では先手を打てない政策について、その効果も含めて常に疑問符がついて回りますが、すべては未知の脅威に対する誰かへの責任転嫁の結果論でしかないことも皆が認めるべきでしょう。
どうすることもできないことへの憤りはありとて、これ以上の拡散をふせぐ意味でも、私たちは出来ることを続けていくしかありません。
現在は幅広い経済分野で不透明感が強く、その影響は当然ながら不動産市場にも強く及んでいます。
不動産経済研究所によると昨年10月の首都圏新築マンション発売戸数は前年同月比+67.3%で、戸数としては3,358戸となり2か月連続で増加しました。
契約戸数についても2,363戸で初月契約率は70.4%となっています。
不動産市況では好不調の目安を70%としていることから、単月では回復傾向が見られました。
ただし10月までの累計発売戸数については17,000戸を僅かに上回る程度に留まっており、2001年以降での20年間において新規発売戸数が最も少なかった2019年の31,238戸を大幅に下回る2万戸超に留まることが確実であるとされています。
新築マンションにたいして中古市場は、宅地建物取引業者のネットワークシステムであるレインズ(東日本不動産流通機構)からの情報では、2020年10月の首都圏中古マンション成約件数は3,636件(前年同月比+31.2%)に達し、急激な回復を示しています。
ただし現在集計の各指標がコロナの影響で乱高下しており、情報を集積するにも感染拡大の第三波によって自粛要請が相次ぎ公表されていることもあり、市況推移が予測出来ない状況が続いています。
今後の市況はコロナの終息状況により大きく左右されると言えますが、不動産業界の中ではテレワークによる働き方の見直しや、暮らし方について人々の意識が大きく変わったことから、住宅の選択方法にも変化が見られ、時代に即した動きを見せた業者が業績を伸ばしています。
現在、もっとも望まれている住宅が書斎・ワークスペースつきの住宅です。
これは分譲・賃貸を問わずに求められる条件となりました。
緊急事態宣言前でもこの動きは見られましたが、終息を見せないコロナにより不要不急の外出を控え、いかに自宅で快適に過ごすかを求めるユーザーが増加していると言えるでしょう。
このような状況下で、
立地の優れた築年数の古いマンションが全国的に脚光を浴びています。
比較的に購入しやすい価格の中古住宅をリフォーム前提で購入しようと言う動きです。
求められているのは狭くても構わないので書斎もしくはワーキングスペースの確保です。
新築市場では、書斎もしくはワークスペースを設置する間取りが増加して人気を集めていますが、新築ならではの価格帯がネックとなっています。
求められる書斎は画像の様な、個室タイプばかりではありません。
コーナースペースを利用して、家具などのレイアウト変更により書斎スペースを確保する工夫も進んでいます。
もっとも、コーナースペースを利用するにも、設置するリビングに余裕がなければ快適な環境が望めません。
新築の注文住宅ですと、図面設計段階から書斎・ワークスペース計画を盛り込めば良いのですが、建売住宅の場合には当初から設置されていなければならず、またリノベーションによりスペースを確保するにしても、新築に手を入れるのはさすがに躊躇します。
中古一戸建住宅もリノベーションしやすいのですが、新たに個室書斎を造作する場合には間仕切り壁の撤去など、躯体バランスを弱めて耐震性を下げる結果になりかねません。
そのような意味では、中古マンションは非常に対応がしやすくなります。
皆様はスケルトン・インフィルと言う言葉をご存じでしょうか?
スケルトン・インフィルとは、Skeletonが建物の構造体を指し、infillが内装・設備を指します。頭文字をとってSI住宅ともいいます。耐久性の高い躯体構造を活かし、耐用年数が比較的短い配管の交換や、ライフスタイルに応じた内装の変更を容易にするものです。
木造在来工法のように通し柱や間柱・管柱・筋交いなど、点で剛性を保つ方法の他、2×4住宅の様に壁面で剛性を保つ住宅もありますが、いずれにしても建物強度の関係から絶対に壊してはいけない柱や壁が存在します。
基本的に分譲マンションは、専有部分の外周壁で建物剛性を保ちますので、間仕切り壁のどこを壊そうが強度に影響が出ることはありません。
ただし厳密な意味でのスケルトン・インフィル対応のマンション以外で水回り(洗面・浴室・トイレ)などの移動を行うと、配管の経路から大掛かりな工事となりますのであまりお勧め出来ませんが、新たに書斎スペースを設けるリフォームには支障が少なくなります。
一例として弊社で取り扱いしている分譲マンションの間取りを参考にして解説しましょう。
こちらの図面は弊社で現在、仲介で取り扱いしております。
宇都宮市泉が丘2丁目のグランドハイツ泉が丘です(価格880万円)
こちらは南側バルコニーのオーソドックスな使いやすい間取りのマンションです。
この間取りから書斎スペースを確保する場合には、南側和室をリフォームすることにより書斎と、奥様用のワークスペースやお子様の学習用のスペースが造作できます。
和室は畳を撤去して、床にカーペットもしくはフロアーを施工します。
全てとまでは言えませんが、一戸建てと比較するとマンションの和室は変更が容易な構造になっています。
廊下とリビングを隔てる建具位置で赤い部分に間仕切り壁を造作します。
その際に壁クロスの張替えも併せて行います。
和室西側に面する引き込み戸をドアに変更したい所ではありますが、建具は比較的高額ですので、予算に応じてそのままでも構いませんし、もちろんドアに変更することも可能です。
工事後のイメージを拡大しますと、下記の図面の様になります。
これで書斎と、ワークスペースが出来上がりました。
建物の間取り表記は、3LDKから2LDK+D(デン_書斎のこと)となります。
間仕切り壁を天井まで施工しますと、どうしても書斎が暗くなってしまう問題があります。
そのような場合には、下記の写真のように間仕切り上部に採光用の造作を行うことで、多少ではありますが光を落とし込むことが可能です。
今回ご紹介した工事案は一例であり、リフォームについてはライフスタイルに合わせて様々にご提案が出来ます。
工事内容により予算も変化しますが、コロナ騒動以降は購入価格の落ち着いた中古住宅を購入して、ライフスタイルに応じたリノベーションやリフォーム工事を行い快適な住環境を構築する動きが増加傾向にあり、特に中古マンション市場が活発化することが予想がされています。
弊社では、お求め安い価格帯での一戸建てやマンションなど豊富に取り扱いしておりますので、どうぞお気軽にご相談下さい。
★荻原功太朗の業務について★
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