先日、下野新聞[SOON]で掲載されていた「なぜ宇都宮はジャズの街になったのか」という記事を読んで、自身が宇都宮ジャズに馴染んでしまっており、よくよく考えればその起源などについて深く考えたことがないということに気が付きました。
なぜ宇都宮は「ジャズの街」になったのか 市民団体に情報提供を_掲載記事はこちらから
ご存じのように宇都宮市は「ジャズのまち宣言」をしているだけあって、数多く生演奏のお店があり、夜、繁華街を歩いているとどこからともなく聞こえてくるジャズの音色。
このように街にジャズが定着した背景には宇都宮市と各民間団体の代表が2001年8月に立ち上げた「宇都宮ジャズ協会」の影響と努力があり、実際に宇都宮を音楽で盛り上げるため中心的な立場で様々な活動を行っています。
宇都宮ジャズ協会のホームページで紹介されているお店だけでもLUCIFER(ルシファー)LIMOUSINE(リムジン)など複数の店が紹介されており、そのどれもが生演奏を聞ける、つまりライブを行なっている店です。
ライブを行なっていなくても、店内音楽にジャズを採用しているカフェなどまで含めると、一体、何件の店が「宇都宮ジャズ」の影響を受けているのでしょうか?
あちらこちらから聞こえてくる「ジャズの音色」を耳にすると、やっぱり宇都宮市には「ジャズ」が根付いているんだなと思います。
宇都宮ジャズの代名詞はご存じ、世界的にも有名な宇都宮工業の卒業者であるサックス奏者_渡辺貞夫(わたなべさだお)さんですが、それ以外にもトランペット奏者の外山喜雄さん、ギタリストの高内晴彦さんなど、宇都宮出身のミュージシャンが数多く国内外で活躍されています。
ジャズがアメリカニューオリンズのアフリカ系アメリカ人コミュニティで生まれたのは有名な話ですが、それ以前に存在したブルースやラグタイムがそのルーツだとされています。
ジャズの特徴であるスウィングと呼ばれる独特のリズム感や、裏音符を利用したシンコペーションのあるリズムは、即興性を受け入れるといった柔軟性もさることながら、国や地域、地元音楽文化が取り入れられ様々な形に変貌します。
そのような意味から考えても「宇都宮ジャズスタイル」という音楽の「形」が、間違いなく一つのジャンルになっていると思うのです。
耳に聞こえる生演奏の「音」それ自体が、原曲はあっても即興のアドリブやアレンジが加えられた宇都宮オリジナルなのでしょう。
少々、大げさな言い方をすれば宇都宮から輩出されたジャズミュージシャンが全国で活躍しているのだから、「日本のジャズを牽引しているのは宇都宮市」だと言いきりたいのですが、日本各地には宇都宮市と同様「ジャズの力で盛り上げる」と力を入れている市町村も多く、その中で有名なのが神戸市です(個人的には宇都宮の方が勝っているとは思うのですが)
せっかくなので、その理由を掘り下げてみましょう。
ご存じの方も多いと思いますが宇都宮が「ジャズの街」を掲げたのは2001年のこと。
20数年前に開催された“文化の国体”と言われる国民文化祭の開催地に栃木県が選ばれ、その時に足利市が「国民文化祭でジャズを演奏したい」と要望を出したことから、現在「うつのみやジャズのまち委員会」会長を務めている吉原郷之典(よしはら ごうのすけ)さんが、企画に賛同して2日間、ジャズ音楽で盛り上がるという異例の成果を上げたのがキッカケだったようです。
ですから、最初は足利市が先行していたのですね。
当時、宇都宮市はクラシックに力を入れていたのですが、「もっと特徴のある音楽を(けっしてクラシックに特徴がないという意味ではありません)」と考え、それならばと国民文化祭を成功させた中心人物の吉原さんに市内音楽イベントの相談が寄せられたのがキッカケだったようです。
「それじゃ、渡辺貞夫さんの出身地でもあるのだからジャズ推しで!」となったのでしょうか。
そこから、吉原さんが宇都宮市と協力して、生演奏の場所をつくる、音楽をやりたいという人を集めてバンドをつくる、ということを「柱」として努力を重ねた結果、今ある「ジャズのまち宇都宮」が出来上がったようです。
地理的な状況や人口で考えれば、東京や大阪などに優秀なジャズプレーヤーが集中するのでしょうが、首都圏のライブハウスは週末などにライブが集中しており「毎日、実践的なトレーニング(演奏)」をする環境ではないようです。
その点、宇都宮市内は毎日、お客さんの前で生演奏を披露する場所(ライブハウス)があります。
「習うより慣れろ」ではないのでしょうが、演奏機会を重ねるたびに技術や即興のアドリブなどの感性も磨かれていくでしょうから、「ジャズプレーヤーを育てる」という懐の広さが、宇都宮には存在するのでしょう。
ですから世界で活躍できる数多くのプレーヤーが輩出され、そのような先輩に「追いつき追い越せ」と毎日、奮闘する若きプレーヤーが「宇都宮ジャズ」を支えてくれているのでしょう。
あまりにも溶け込んでしまっているので、これまで深く考えては来なかったと冒頭で書いた通り、不動産業者として何か「うつのみやジャズ」に貢献できることはないかと考えた所、「防音室の提案」に思い当たりました。
ジャズ演奏に使用される楽器はピアノ・トランペット・サックス・ウッドベース・ドラムなどですが、総じて「音」が大きい。
トランペットやサックスではミュートを使用して、ある程度、音を軽減できるとはいえ自宅で時間を配慮せず練習をすればとたんに近所から「うるさい!」とクレームが入るでしょう(もっとも少なからず配慮は必要ですが)
とはいえ練習時間が技術の向上に影響するのは間違いなく、ライブハウスで毎日、実践的なトレーニングを積める環境があるとはいえ「思い立ったらそく利用する」までではありません。
コロナ禍の恩恵という訳ではないのですが、おウチ時間が長くなったことにより新築住宅や築年数の新しい物件で「防音室」を採用する例が増加しました。
写真はダイワハウスの「奏でる家」の建築事例ですが、そのほかの大手ハウスメーカーはこぞって「防音室」つきの住宅プランを発表しています。
防音性能はスタジオなみとまでは行きませんが(もちろん相応の費用をかければ、スタジオ並も可能です)、技術革新により防音性の高い建材が多数、販売されておりその効果も昔と比較するとすこぶる満足できるレベルのものです。
そのような建材のおかげで、防音室はもはや新築住宅の専売特許ではなく、リフォームで造ることも可能です。
音は床・壁・窓から漏れ出すのですが、防音室はそれら音漏れする箇所の防音性能を高めた居室です。
音に関しての考え方には「吸音」と「遮音」があります。
「吸音」は居室の音を他の部屋へ漏らさないための考え方で、外には漏れ出してしまいます。
ですからご近所に迷惑をかけないことを目的とした場合、つまり自宅で音楽の練習をする部屋をつくる場合に必要なのは「遮音」です。
つまり「同居人は我慢してね。それよりもご近所に迷惑をかけないように」という考え方です。
ですから遮音性能の高い床・壁・窓の建材で、部屋を囲むのです。
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