【自殺や事件、事故等、亡くなった人が出た事故物件ガイドラインとは!?】業者の調査責任が明確になる一方で、売主の負担は!?

2021年6月3日木曜日

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皆様は不動産を探していて「事故物件」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?





家屋内で自殺や殺人のあった物件や、住宅の火災事故により人が亡くなったケースなど、このような物件は総称して「事故物件」と呼ばれています。


物理的には特段そのような物件に住む次の入居者には問題ないのですが、、、

入居後に事件や事故のことを知ったら心理的に気持ちが悪いと感じる方が多いのも事実なので、このような物件は取り扱いが難しいのです。(^o^;)


特に中古住宅を購入するような場合には、過去にそのような事故が発生しているかどうか、だれしも気になります。


不動産業者には事故があったことを知った場合に、買主や借主にその事実を告げなければならないと宅地建物取引業法で定められています。



正確な表現としては

相手方の判断に重要な影響を及ぼす事象において故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為の禁止」です。


ところが、事故発生からの期間について(事案発生後、何年間告知義務があるか)や、

自然死は告知義務があるかなど、定義や調査範囲も含めて具体的な定めがありませんでした。


ただ「告知しなければならない」となっていただけです。


結局は判断が当事者に委ねられていたことからトラブルが絶えず問題視されていました。


また一度でも「事故物件」になってしまうと風評被害にさらされるばかりか、処分しようにも不当に低く価格が決められるなど、様々な問題も包括していました。



そこで「事故物件」にかんしてのガイドラインは、その必要性が以前から望まれていました。


不動産業の管轄省である国交省も事態を重く受け止め、令和3520日付けで国土交通省・不動産・建設経済局不動産業課より、

「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取り扱いに関するガイドライン」(案)に関するパブリックコメント(意見公募)が開始されました。


パブリックコメントの段階ですので、まだ正式な決定とまでは言えませんがほぼこの内容で決定になるのではないかと考えられています。


先ほども記載しましたが、「事故物件」は定義が曖昧な部分も多く、そのために該当する範囲が広くなります。


今回のガイドラインではその部分を明確に分け、「住宅の人の死に関する事案」のみを取り扱うとしています。


その中でも家屋内の「人の死」だけに留まっていることに注意が必要です。


つまり、マンションなどの集合住宅の場合における隣接住戸の発生事故や、事故発生後解体された土地に関しては、ガイドラインを適用しないとしています(前記の事案は全て、事故物件の対象となりますが今回のガイドラインでは取り扱わないという意味です)


簡単に解説すると、ガイドラインで定められたのは「住宅内の人の死に関する事案」に限定しており


①業者の調査範囲と説明方法

②事案発生から告知の期間


の、2点のみガイドラインで定められたと考えて差し支えありません。


また、生活上当然に予測できる家屋内の事故(階段からの転落による死亡)や老衰による自然死は事故物件ではないとして、告知は必要がないとされました。


例外として、上記のような事案でも異常性が確認された場合(不審死や遺体の損壊状況など)には告知が必要とされています。


具体的に、業者の調査範囲は

   「告知書その他、目的を同じくする書面」を取得し、説明をおこない、かつ保管する。

   当事者に「告知書その他、目的を同じくする書面」は、正確に記載してもらうよう促す。

だけとされました。

これにより、業者の責任は従来より軽くなりましたが、反面で

売主は事故物件の定義を正確に理解して告知しなければ、民事上の責任がかかせられます。

また、業者が買主に説明する内容は

事案発生時期

場所及び死因

のみでよいとされ、インターネットの検索や近隣聞き込みなど、従来おこなわれていた信憑性の点で疑義が生じる自主調査は推奨しないとされました。


事案発生からの告知期間は「賃貸住宅で発生から3年」とされましたが、売買物件については様々に要因が絡み合い複雑になることから、具体的な期間は定められませんでした。



つまり従来通り、当事者の判断によるということです。

また注意しなければならない点に、民事上の責任の位置づけがありますが、「事故物件に関して個人の感じる嫌悪感」に関し、このガイドラインを遵守して取引を行っても、それは「個人の嫌悪感」を払拭するものとは言えず、個々の事案にあわせて当事者が判断するべきものとしました。

今回のガイドラインは、私たち仲介業者に向けて作成されていますので多少は難解な書き方がされていますが、せいぜいが表紙も含めてA4用紙10枚程度のものです。

下記URLから確認することが出来ますので、ご興味があれば一度、ご覧になっては如何でしょうか?

ガイドライン詳細はこちらへ

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事故物件の取り扱いにも豊富な経験がありますので、そのような場合には悩まずにご相談下さい。

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