【あなたの家は倒壊するかも?】全体の9割が現行耐震基準を満たさないという事実とは!?

2021年5月4日火曜日

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日本木造住宅耐震補強事業者協同組合では東日本大震災から10年からの節目を迎え、木耐協調査データを、202134日付で公表しています。

この耐震診断基本データは前回発表時から追加された診断結果を加算して毎回発表されていますが、今回は200641日~2021228日(1411ヶ月)の間に耐震診断をおこなった27,929棟を対象としています。

今回のデータ公表に限ったことではないのですが、あまり公になっていない驚くべき事実について解説します。

今回の調査のうち「9割強」が、倒壊する可能性がある、もしくは可能性が高いと分類されているということです。




出典:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合「木耐協調査データ」(202134日発表)

 

もっとも、表から分かる通り平均築年数は37.15年ですので、築年数から考えれば驚くほどではないのですが、このデータを更に旧法時代の建物(旧耐震基準住宅19501980年)にあてはめると、倒壊する可能性は更に上がり97.3%」に達しています。



旧法においては、現行の耐震基準に達した住宅がはなから建築されておらず、また平均築年数も45.73と築年数が経過していることから、ある程度は容認できる部分もありますが(これは、放置して良いと言う意味ではありません。耐震基準が低い住宅は万が一の場合、倒壊の危険性が高まり人命に影響を与えます。速やかに耐震補強などの処置をおこなうことをお勧めします!)

問題なのは、新耐震基準(昭和56年6月以降建築)で建築された住宅についての診断結果についても「85.9%」が、耐震基準を満たしていないということです。




ここで耐震基準についての分類方法についてご説明しますが、耐震基準は19816月」20006月」2度にわたって大きく改訂されています。

設計段階で新耐震基準による構造用合板や筋交いの数量など耐震性を確認した壁量計算で判定された住宅が、「耐震診断結果で85.9%もの未達となるのか?」については、この1981年と2000年の判定基準の違いによるものです。

今回ご紹介した表は、2000年つまり平成12年に改正した適合基準で見ているからです。

ですから、耐震診断結果で85.9%未達住宅が剛性を欠いた「違法建築」だということではありません。

平成12年には壁量バランスの配置や、壁量充足基準が昭和56年の新耐震基準より厳しくなっており、結果として現行基準による耐震診断では倒壊判定が出てしまうということです。

つまり、正確な表現を用いれば2000年(平成12年)適合基準に対して既存不適合建築物となるということです。

 

一般的には1980年以前に建てられた建物を「旧耐震基準住宅」19816月以降に建てられた建物を「新耐震基準住宅」と呼んでいますが、それ以降の2000年に新耐震基準がより厳しくなったと覚えておけばいいでしょう。

 新耐震基準は、震度67の地震に対して倒壊しない構造を基準として、地震により力が加えられた場合の許容応力度や靭性(粘り強さ)を考慮して設計・建築する基準です。

 この耐震等級が未達の建物は、もちろん万が一の地震において倒壊する危険性が高まることはもちろんですが、他にも中古住宅として販売する場合においてデメリットになることがあります。

 まず、一定の要件を満たさなければ買主は住宅ローン控除が使用できません。

木造住宅の場合は築20年、鉄筋コンクリート造のマンションの場合でも築25年を超える物件は、耐震等級1以上であると評価されたものか、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されているものでなければ適用にならないからです。

住宅の購入資金を親や祖父母が援助する場合、一定の金額までは贈与税が免除される制度がありますが、中古住宅の場合、地震に対する安全性に係る基準に適合する証明が必要になるため、事実上旧耐震基準で建てられた住宅を購入する資金には適用されません。

耐震改修を行えば、建築士等による証明が受けられる可能性がありますが、耐震改修工事を実施する必要があります。

この他にも、不動産取得税や登録免許税の優遇も旧耐震基準の建物には適用されません。

また中古住宅の買主は、将来の安心のために地震保険に加入したいと考える人が大勢いますが、耐震性能がある割引制度が使えないため、旧耐震基準の建物は地震保険の保険料が割高になります。

 耐震適合証明書は、建築士事務所登録を行っている設計事務所に所属する建築士か指定確認検査機関で取得できます。

 この耐震診断費用は20万円~50万円ですが、宇都宮市では「耐震診断補助制度」として、昭和56531日以前に建築された住宅に対して一定の要件を満たせば、最大で限度額10万円までの補助金が交付されます。

ただし、旧耐震基準で建てられた家は、そのまま診断を受けても9割以上が合格のレベルに達していないのは、前述まで解説した通りです。

適合させるには、耐震診断を受ける前に基準を満たしていない部位の耐震補強工事を行なう必要があります。

耐震補強工事費は、状況によって大きく異なりますが、100万円~200万円の範囲が一般的です。

これらの補強工事を実施して、耐震診断を行い適合された場合には「耐震基準適合証明書」を取得することが出来ますが、取得により次のようなメリットがあります。

1.    耐震性の高い建物として、買主が安心して購入できる

2.    住宅ローン減税が適用される

3.    登録免許税が減額される……建物所有権移転に関しては、2.0%から0.3%に減額されます。また抵当権設定に関しては、0.4%から0.1%に減額されます。

4.    不動産取得税が減額される……土地について45,000円以上減額されます。

5.    家屋の固定資産税が1年間半額になる……耐震改修工事を行なった場合のみの措置です。

6.    地震保険の耐震診断割引が受けられる……地震保険料が割引されます。

 

耐震性を高める意味でも、中古住宅売却をご検討する場合には一度検討して如何でしょうか。


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